左官文化「鏝絵」を伝える松戸に住んだ名人・伊藤菊三郎翁記念館 |
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和名ヶ谷クリーンセンターの前の道を日枝神社に向かう途中、右に入る小さな道がある。この道は、国道464号線の大橋交差点に出る道で、途中に国分川分水路の工事で亡くなられた方の慰霊碑があり、さらに進むと「伊藤菊三郎翁記念館」という看板が出ている。斜面林の木々でうっそうとした感じのある小道の途中で出くわす「記念館」の看板に、「これは一体なんだろう」と以前から気になっていた。 同館のオープンは、2004年の4月。左官職人で鏝絵(こてえ)の名人だった伊藤菊三郎さんの鏝絵や下絵100点以上が展示されている。 同館を開いたのは左官業を営むP高橋工業所の高橋敏夫さん(72)。明治22年(1889年)に生まれた伊藤さんは、昭和32年(1957年)ごろに左官業を引退して、松戸市二十世紀が丘の自宅で作品を製作した。高橋さんは、当時、伊藤さんの近所に住んでおり、同じ左官業をしていたこともあり、親交があった。同58年(83年)に伊藤さんが亡くなった後、遺族から多くの作品を譲り受けたという。高橋さんは、「大先輩のすばらしい仕事を、同業者や一般の人にも見てもらいたい」と私財を投じて、同工業所内に「記念館」を建設し、無料で公開している(パンフレットは1部100円)。 鏝絵とは、左官が壁などを塗る時に使う鏝で、漆喰(しっくい)などを材料に描いた浮き彫りの絵だ。神社仏閣や商家の蔵などの装飾に使われた。 この職人技である鏝絵を「芸術」の域にまで昇華させたのは、江戸時代の文化12年(1815年)に伊豆松崎に生まれた伊豆長八だという。長八の作品には、鏝絵の他に見事な塑像も残されている。その技量は江戸時代の「彫刻家」といってもいいのでは、と思わせるほどだ。長八は多くの弟子を育てたが、その中から吉田亀五郎(通称・沓亀)という名人が生まれた。この亀五郎に19歳で師事したのが伊藤菊三郎さん(号は甲艸)で、同じ亀五郎の弟子の池戸庄次郎さんとともに、明治、大正、昭和と名人・伊豆長八の技を継承し、多くの仕事を残した。 明治期に入ると、洋風建築の仕事も増え、駿河台ニコライ堂新築工事や那須の御用邸、国会議事堂、赤坂離宮の工事などにも関わった。しかし、左官のアイデアやデザインが全ての鏝絵とは違い、建築家の意向が大きく反映する西洋建築は勝手が違い、苦労したようだ。 鏝絵では、下絵(デッサン)を丹念に描くことを大切にしたようだ。現場で扱う漆喰などの材料は、時間がたつと固まってしまう。一気呵成(いっきかせい)に作品を作り上げるためには、物の形が頭に入っていなければならない。同館にも伊藤さんや、師匠の亀五郎が描いた下絵が多く展示されているが、それは既に絵画として完成されているように見える。 日本の職人の技から生まれた鏝絵という「芸術」があることを、記者は知らなかったし、一般の人も知らない人が多いかもしれない。伊藤さん本人も、その職人気質から作品を人に見せるということがほとんどなかったという。鏝絵やその下絵を専門に展示している美術館は、全国でも伊豆松崎町の長八美術館(公営)と、この伊藤菊三郎翁記念館の2つだけという。 開館は、火曜〜金曜日、午前10時〜午後4時。入場無料。パンフレットは1部100円。1391・2332。 【戸田 照朗】 |
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松戸市ジュニアソフトボール連盟(藤咲安男会長)主催による、市長旗争奪「第61回松戸市ジュニアソフトボール連盟大会」(松戸よみうり新聞社後援)の決勝トーナメントが先月25日、新松戸西小グラウンドで行われ、大畑ユニオン(西リーグ)が、馬橋中央子ども会(北リーグ)を9−2で破り初優勝を果たした。 大畑は、準決勝で杉の子子供会(東リーグ)を8−1で破り、馬橋は相模台(南リーグ)を4−0で破り、それぞれ決勝に進出した。 決勝戦は、3回までは馬橋が大畑を2−1でリードするという接戦となったが、4回表に大畑がヒットと相手守備陣の乱れなどで4点を取り逆転すると、一気に流れは大畑へ。続く5回表には長短打でさらに4点を加え、その裏に馬橋が無得点に終わったことから、大会規定により5回コールドとなった。 初優勝をした大畑の田口義彦監督(45)は、今年が初めての采配。「昨年までは打力が弱かったが、今年は上位打線を中心に打って、さらに塁に出てからは積極的に走ることを指導してきました。前監督が築いてきたことが実ったと思うし、子どもたちやコーチ陣にも感謝したい。きょうのゲームでは今のチームの弱い点も出たと思う。秋に向けてもう一度レベルアップを目指したい」と話した。 また、主将の高橋諒君(6年)は、「守備がうまくて、打力も強い、明るいチーム。みんなで頑張って、初めて優勝できてうれしい」と話した。 この試合で最優秀選手賞(MVP)に輝いた中山裕嵩君(4年)は、最初の得点、4回、5回のチャンスに適時打を放ち、チームの勝利に大きく貢献した。2回には、ホームラン性の当たりで3塁ベースをオーバーランし、タッチアウトとなり、ベンチの前で悔し涙を流した。「あの時は本当に悔しかった。個人賞は初めてでうれしい」と話した。 本多孝行君(6年)は、西リーグの優秀投手賞、ホームラン王賞、得点王賞の3賞を獲り「三冠王」として表彰された。「ジュニアでの個人賞は初めて。うれしいです」と話した。 24、25日のリーグ戦の結果と決勝トーナメントの結果、個人賞は右記の通り(敬称略)。 【戸田 照朗】 |
大会9日目(6月24日) ◆東リーグ ◆西リーグ 大会10日目(6月25日) ◆西リーグ ◆準決勝(同) ◆決勝(同) ☆最終結果 ◆優勝=大畑ユニオン ◆準優勝=馬橋中央子ども会 ◆第3位=杉の子子供会、相模台 ◆最優秀選手賞(MVP賞)=中山裕嵩(大畑ユニオン) ◆敢闘賞=藤原洸希(馬橋中央子ども会) ◆三冠王=本多孝行(大畑ユニオン) ◆優秀投手賞=島田貴之(杉の子子供会)、本多孝行(大畑ユニオン)、丸山玄一郎(相模台)、小野瀬佑介(馬橋中央子ども会) ◆ホームラン王賞=加藤大智(つくし子供会)、本多孝行(大畑ユニオン)、竹村将寿(千駄堀フェニックス)、真渡翔(秋山子供会) ◆得点王賞=家中良樹(やなぎフューチャー)、本多孝行(大畑ユニオン)、丸山玄一郎(相模台)、真渡翔(秋山子供会) |
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梅雨による天候不順により試合ができない週もあったが、江戸川早朝野球は今月2日に11回戦がおこなわれ、優勝争いもデッドヒート。7回戦では、昨年優勝のサンデーズが敗戦した一方、キングライオンが引き分けて、11回戦が終わり今だ無敗。このままキングライオンが逃げ切るか、それとも他のチームが意地を見せるか。まだ優勝争いは混沌としている。
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7回戦(5月21日) 三 村6−1サンデ
ファミ10−5P S キング4−4三ヶ月 ドリー12−2レイン 8回戦(6月4日) レイン9−1プロス
三ヶ月7−3ファミ 三 村9−5メイツ サンデ12−0パワー 9回戦(6月11日) パワー7−6三ヶ月
キング5−0メイツ ドリー9−4P S 三 村12−5プロス 10回戦(6月25日) ファミ3−3キング
三ヶ月13−3レイン サンデ15−4メイツ 11回戦(7月2日) プロス4−2三ヶ月 サンデ7−3ドリー 三 村14−5ファミ パワー11−7メイツ |