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バックナンバータイトル665号

バイオマス燃料実用化へ

市が廃食用油を回収 「社会実験」を開始

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BDF

▲BDF

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BDF製造プラント

▲BDF製造プラント

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市ではこのほど、「廃食用油を活用したバイオマス燃料事業」(略称・BDF事業)をスタート。今春より「社会実験」として、市内の家庭や事業所から排出される「使用済みの天ぷら油」を回収し、バイオマス燃料として製造、市内産業に活用していく、という。7日には、市役所前で「松戸市もったいない運動推進重点事業 未来へ走るバイオマス燃料〜キックオフ!」というイベントを開催し、BDFの製造プロセスを公開した。

【戸田 照朗】

BDFについて話す大久保敏行副会長

▲BDFについて話す大久保敏行副会長

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バイオマス燃料(BDF=バイオディーゼル燃料)とは、家庭などから排出される「てんぷら油(植物油)」等をディーゼルエンジンに使用できるように加工したもの。二酸化炭素を吸収し、光合成によって酸素を排出する植物由来なので、二酸化炭素を増やさないエネルギーのリサイクル法として注目されている。日本では京都市が先進地として知られているが、市バスやゴミ収集車の燃料としてBDFが使われているという。

松戸市でも、異業種交流グループ「松戸テクノプラザ」(的場研二会長)を中心に、産学官の連携を目指して、研究が進められてきた。
最終的には、松戸市の新しい産業を創出し、市のもったいない運動とも連携して環境負荷の軽減を目指し、学校での科学学習、情操学習の普及啓発にもつなげていきたいという。

市商工観光課では今年度、廃食用油の排出量をさぐるためにアンケート調査を実施。年間に一般家庭からは約57万3000リットル、事業所(工場等)からは約67万7000リットル、合わせて約125万リットルの廃食用油が排出されるだろうと推計している。

ただ、実際にどの程度の廃食用油が回収できるのかは未知数。今回の社会実験で見通しをつけたい考えだ。

社会実験では、町会や自治会単位で廃食用油を拠点回収し、松戸テクノプラザのプラントでBDFを製造し、市のゴミ回収車などの燃料として使う。説明会で協力を呼びかけた一部の町会、自治会からスタートし、徐々に市全域に広げていきたいという。

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また、事業所については、松戸テクノプラザの会員企業から始め、徐々に協力してくれる企業を増やしていきたい、という。事業所の場合は、事業所で出した廃食用油を事業所のトラックなどで使うという「自己完結型」が理想。ただ、廃食用油を多く出す事業所のBDFを、別の事業所に買ってもらい、運送などの業務で使ってもらうということも考えられる。

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スペース 廃食用油の排出からBDFとして再利用するまで

BDFは少量の軽油を混ぜるとさらに良い燃料となるが、軽油を混ぜると税金の問題も出てくる。今後の課題だ。

今回の実験で使うBDF製造プラントは、松戸テクノプラザの大久保敏行副会長(ハリマ産業1代表取締役・69)が、会員企業の協力を得て開発した。このプラントは1度に100リットルの廃食用油を処理することができる。時間はおよそ4時間ほど。

BDFは廃食用油から不純物を取り除き、メタノールなどを混ぜて化学反応を起こして作る。100リットルの廃食用油からは最高で約96リットルのBDFを作ることができるという。このプラントは3層式になっており、「反応」「沈殿(分離)」「水洗い」という工程を順に行う。

大久保副会長は、「1層式で全工程を行うことも可能です。3年以内に、もっとコンパクトで、全自動の機械を開発したい。そうすれば、機械を事業所の隅に置いておいて、一日に使った廃食用油を夜に入れておけば、次の朝にはその日に使うトラックなどの燃料ができている、ということになります」と笑顔を見せた。

実際に、昨年の松戸花火大会では、市内のおそば屋さんから提供された廃食用油を使って、このプラントでBDFを製造し、会場の照明器具の燃料として使われたという。

また、大久保副会長は、松戸第一中学校に事務局がある「少年少女発明クラブ」でも、ペットボトルを使った簡単な実験器具でBDFを製造して見せたという。「理科の実験などでも使ってもらって、子どもたちにも興味を持ってもらえたら」と話していた。

問い合わせは、1366・7327松戸市商工観光課商工振興係。

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