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バックナンバータイトル679号

「関さんの森」に新道路案

市長「十分検討に値する」

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記者会見で新道路案を発表する関美智子さん(右)

▲記者会見で新道路案を発表する関美智子さん(右)

先月31日、「関さんの森」で記者会見が行われ、新道路案(「関さんの森道路案」)が発表された。この道路案は都市計画プランナーで早稲田大学芸術学校講師、株式会社まちつくり研究所代表取締役の井上赫郎さんら複数の専門家と関さん、その支援者らが検討し、策定したもので、結果的にルート、幅員(11m)ともに昨年、川井敏久市長の主導で市が提案した「暫定道路案」に近いものとなっている。この「暫定案」との大きな違いは、ケンポナシなど樹齢200年を超える大木をよけるために少し外側にふくらんでいる点と、こどもの遊び場部分はトンネルにして、これまで通り子どもたちが遊べるようになっている点など。関さんと支援者らは市に同案をもとに話し合いを再開し、円満解決すること、強制収用の手続きを中止することを求めている。これに対して、川井市長は現在開会中の9月定例市議会の一般質問の中で「(専門家がつくった案ということで)十分検討に値する」と話し、担当職員に新道路案の説明をこの専門家から聞いてくるようにと指示したことを明らかにした。

【戸田 照朗】

新道路案 スペース

新道路案は幅員11mで、車道は3・75mの2車線。歩道は両側に1・75mずつつくる。樹齢200年以上のケンポナシ、関家がこの地域の名主であったために今に残る江戸時代からの門や蔵、水神として村人に親しまれた熊野権現など自然遺産、文化遺産を回避する。

道は関家の土地だけを通り、他者に負担をかけないよう設計されたため蛇行している。安全性を考え、この区間の制限速度は時速30キロ程度にする。

南側の進入地点には、こどもの遊び場があり、その境にはエノキ、ケヤキ、クヌギなどの大木が並んでいるが、樹木の一部を保存し、シンボルツリーとして「関さんの森道路」に入ることを目立たせ、減速のサインにする(この地点から幅員が18mから11mへ徐々に狭まる)。

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こどもの遊び場は建設中の道路より高低差があり、高くなっているため、トンネル形状にし、上部を人工地盤として緑化を行い、丘状の憩いの場として活用する。

井上さんは会見で「『関さんの森』は私有地といっても、そのほとんどが市民に開放されている。『公園』と言ってもいい場所。松戸市はそこに道路をつくろうとしている。速度制限が50キロから30キロになることでの時間差はほんの10秒ほど。ほんの10秒のために、この貴重な緑を失うのかということです」と話した。

井上さんによると、この新道路案の建設費が10億円だと仮定した場合、土地の買収にかかるお金がそのうち7〜8億円と推測される。関さん姉妹は道路用地は市に寄付すると話しているので、建設費は2〜3億円で済むことになる。また、都市計画道路の「軽微な変更」として補助金が出る可能性も残される、という。

都市計画道路本線(幅員18m)については、今年になり市が「既存の樹木をできる限り残すため」と車道が3・75mの2車線で両側に5・25mの歩道をつくるという案を提案している。従来の計画では5・5mの2車線に両側に3・5mの歩道をつくるものになっていた。

弊紙が春に市に取材したところ、市が計画通りに幅員18mの道路を通した場合、総事業費のうち国の補助金が40%、市の負担は残りの60%となるが、そのうち75%は起債(借金)にできる。市の当面の負担は7〜8億円になるという。

単純に比較はできないとしても、関さんの案を採用すれば、補助金がなくとも、数億円の市税を節約できることになるのは確かだ。

17日に会談

昨年は市側、関さん側双方から道路案が出された。市の調整で妥協点を模索するのかと思われたが、市は7月から強制収用の手続きに入った。

新道路案は「関さんの森」の一体性を守るため、緑をより大きなかたまりとして残すことを目的に考えられた。これは昨年11月に関さん側が市に提案した「代替道路案」も同じだったが、市が昨年春に出した「暫定案」に近づけ、関さん側がより譲歩した形だ。これは本来なら行政がやるべき仕事ではなかったのか。

川井市長は9月定例市議会の一般質問の中で、5日に市川恵一議員に今後の対応について聞かれ、「新道路案が新たな都市計画道路案として提示されたことは大変歓迎する。地権者によれば専門家といわれる方と協議をしてつくられたもので、十分検討に値する。議会開会中だが閉会を待たず速やかにその専門家に会い、策定の考え方などを細部にわたって聞いてくるように、その上で市としての一定の考え方をまとめるように担当職員に指示した。今後とも周辺環境と調和をはかった道路整備について地権者と話し合いを続けていきたい。過去にいろいろと話し合いの経緯はあるが、それにこだわることなく新たな提案に期待を寄せている」と答えた。

が、9日には「いったん土地収用法の手続きを中断し、話し合うべきでは」という伊藤余一郎議員の質問に対して、稲田啓一建設担当部長が 「(新案が)都市計画道路としての機能を有するものか作成者の主旨をうかがい、これから検討してゆく。現段階では手続きを中断することは考えていない」と答弁。

道路問題が円満解決に向かうかどうかは、まだ不透明だ。

17日に市職員が関邸を訪問。井上さんら専門家、関さん姉妹らから新道路案について説明を受ける。 

報道などにより「関さんの森」への関心が高まったことで、森を訪れる人が増えている。そこで、毎週土曜、日曜と祝日は関さんの森エコミュージアムのスタッフが森を案内している。時間は、10時〜15時。問い合わせは、1090・9365・9608武笠さんまで。また、あす15日には第1回関さんの森エコミュージアム講演会として「筒井迪夫氏講演会と屋敷林を学ぶ会」が開催される。筒井氏は「森林文化学」の提唱者で東京大学名誉教授。13時から関さんの森の見学会を行い、14時から幸谷公民館で筒井氏の講演会が行われる。

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無形文化財を肌で

20日から日枝神社で三匹獅子舞

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長い歴史を持つ和名ヶ谷・日枝神社の三匹獅子舞

▲長い歴史を持つ和名ヶ谷・日枝神社の三匹獅子舞

 

市指定無形文化財の三匹獅子舞が和名ヶ谷の日枝神社で今月20日から22日までの3日間、19時から2時間行われる。三匹獅子舞は、市内ではほかに上本郷の風早・明治神社と大橋の胡録神社に残っており、上本郷は10月第2日曜日(12日)、大橋は10月28・29日に行われる。昭和44年4月に和名ヶ谷、上本郷、大橋ともに市の無形文化財に指定された。

和名ヶ谷の三匹獅子舞は松戸では最古と言われ、ここから上本郷に伝えられたと言われている。起源、来歴などは不明で、天明年間(1781年〜)に地震や飢饉(ききん)があった時に代官であった倉橋伝助が、みこし、獅子舞を奉納したとされている。獅子舞についての巻物があったが、上本郷や市川の国府台などに伝えにいっている間に紛失してしまったという。

したがって、舞がどのような物語を意味しているのかなどは不明で、後継者に伝承していくのみとなっている。五穀豊穣の祝いと厄病払いのために神の守護を祈るという意味があるらしい。

獅子舞には、親獅子、女獅子、兄獅子の3人と猿1人が登場する。獅子たちは、腰に太鼓をつけており、これを打ち鳴らしながら、数人の笛の音に合わせて踊る。

今年の獅子は、依田貴行さん(28)、櫻井竜也さん(28)、江原忠志さん(27)の3人。いずれも、今年で8年目というベテランだ。

親獅子を務める依田さんは、踊りの動きが多く大変だという。「大変だけど踊ってきてよかったと思う。多くの人に見ていただきたい。毎年、緊張感がある。丁寧に踊ることを心がけたい」。

櫻井さんは、「踊っていて面白い。子どものころから見ていてやってみたいと思っていた。激しい踊りが1時間半ほど続き、体調をくずしたことも以前にはあったが、今年は3日間とも踊りたい」。

江原さんは、「踊ってみると400年の歴史を感じる。継承していかなければという責任を感じながら踊ることに、誇りも感じている。一時期すたれていたこともあるようですが、みんなの努力で復興してきた。見に来た方には無形文化財を肌で感じてもらいたい」と話していた。

3人はともに会社員だが、仕事を終えた夜に10日ほど練習を行い、本番に臨む。

戸田 照朗

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不幸な犬猫をなくすために

不妊去勢キャンペーン

 

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首都圏約80の動物病院とボランティアによる「不幸な犬猫をなくすネットワーク千葉」は、今年も通常料金の半額程度で犬猫の不妊去勢手術を提供する「不妊去勢キャンペーン」を実施する。

保健所へ持ち込まれ、殺処分される犬猫の約80%が子犬子猫。同ネットワークでは、「動物の愛護及び管理に関する法律」の啓蒙を促進するとともに、趣旨に賛同する獣医師の協力のもと、不妊去勢手術の必要性を訴え、同キャンペーンを毎年実施している。過去18年間に首都圏で約5万頭の手術を援助してきたという。

【不妊去勢キャンペーン】▼対象=手術費用にお困りで、東京、神奈川、千葉、埼玉の指定病院に連れて行ける方 ▼手術期間=9月20日から来年3月末日まで ▼申し込み方法=手術を受けさせたい・犬猫の別、・性別、・頭数、・申し込み者の住所、氏名、電話番号を封書の裏側に明記し、90円切手を貼った返信用封筒(申し込み者のあて先を記入)を同封の上、〒285│0807千葉県佐倉山王郵便局局留「不幸な犬猫をなくすネットワーク千葉」行へ ▼キャンペーン期間中の手術料金=猫メス1万500円、オス5500円。犬メス1万8500円、オス1万500円(犬のみ15キロ以上は料金加算) ▼インフォメーション=1 0467・32・7829 ▼ホームページ=http://inuneko.milkcafe.to/

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来庁者にゴーヤを手渡す川井市長

▲来庁者にゴーヤを手渡す川井市長

 

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「緑のカーテン」に実り

市役所で収穫祭

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松戸市が省エネ対策の一環としておこなっている「緑のカーテン」事業。3年目を迎えた今年も、市庁舎などの外壁に植えられたゴーヤが大きく育ち、緑のカーテンとなって、建物に直接日光があたることを防いで、涼しげな空間を作り出すことに一役買っている。

先月末には、そのゴーヤの収穫祭が市役所でおこなわれ、川井敏久市長と市民らが大きく実ったゴーヤを一つずつ丁寧に収穫した。

「緑のカーテン」は、窓の外にたらしたネットなどにつる性植物をはわせた自然のカーテンのことをいい、建物内の気温の上昇を抑える効果がある。市では平成18年度から、市役所をはじめ市内の公共施設などに「緑のカーテン」を設置しており、今年度は市内91の施設でゴーヤ苗の植え付け作業をおこなった。

収穫祭では、川井市長と市の省エネ推進ネットワークのメンバーらが市役所正面玄関前と中庭に設けられた緑のカーテンからゴーヤを収穫。その後、他の公共施設から提供されたゴーヤもあわせ、来庁者に無料配布された。

なお、市では今年度も市内の事業所や店舗、家庭を対象とした「緑のカーテンコンテスト」を実施しており、11月中旬には表彰式がおこなわれることになっている。

竹中 景太

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ご長寿ハッピーコンテスト

19日締め切り 参加者募集中

 

松戸市ご長寿ハッピーコンテストが来月25日に江戸川河川敷などで開催される。現在、参加者を募集中。 「生涯元気で寝込まない!」を合い言葉に開催されるもので、健脚を競う「スーパー健脚コース(競技)」、競技ではなくウォーキングを楽しむ「歴史探訪のんびりコース」、川柳コンテストなどが行われる。伊勢丹前プラザ広場ではバンド演奏などのイベントも開催予定。 

「スーパー健脚コース」は、隠しタイム制による競技で、江戸川河川敷の往復10・5キロのコースを歩く。また、「歴史探訪のんびりコース」は、河川敷から平潟神社、善照寺、宝光院、眼鏡橋、千葉大緑の回廊、戸定が丘歴史公園をめぐり伊勢丹前プラザ広場にゴールするというコース(変更の場合あり)。

集合場所は松戸駅西口を出て、江戸川方面に直進、中部小学校先水門横の江戸川河川敷。午前8時より受け付け。8時30分より開会式が行われる(荒天の場合は26日に順延)。いずれも費用200円。

川柳コンテストは「記念」を題として自作の作品、1人2句までをハガキで応募。応募作品は冊子にして、当日、伊勢丹前プラザ広場で無料配布される。

応募資格は、65歳以上の人(市外の方も参加可)。応募は、9月19日(必着)までに、ハガキに住所、氏名(フリガナ)、生年月日、年齢、電話番号と「スーパー健脚コース」「歴史探訪のんびりコース」に参加希望の人は、どちらを希望するかを明記。川柳コンテストは自作品1人2句までを書いて応募。

応募・問い合わせは、〒271-0072 松戸市竹ヶ花74の3、中央保健福祉センター内、実行委員会事務局コンテスト係まで。1366・7481。

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