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バックナンバータイトル685号

「関さんの森」の道路問題

話し合いで解決へ

関さんと市長が会談

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スペース 関邸の門や蔵などを見て歩く市長(右)と関さん

▲関邸の門や蔵などを見て歩く市長(右)と関さん

9月1日に関さん側が提案した新道路案(関さんの森道路案)の検討を市が打ち切ったことで円満解決が危ぶまれていた関さんの森の道路問題で3日、地権者の関美智子さん(72)と川井敏久市長が会談。双方が話し合いを重ね、知恵を出し合いながら、事態を打開する迂回道路案を検討してゆくことで意見が一致した。この席で関さんが新道路案をさらに改善した案(第2案)を提案し、この道路案で市が検討を再開することになった。

【戸田 照朗】

信頼関係を構築

市が7月に発表したスケジュールでは今月下旬に千葉県収用委員会に土地収用法の採決申請を行うとしていた。

そんななか前号で掲載した川井市長へのインタビューで、市長は「強制収用は極力避けたい。土地収用法の適用を避けるためにも、地権者の関さんと会うことは不可欠」などと話していた。これを見た関美智子さんから記者に連絡があり、弊紙の「取材」という形で、関さんと市長との会談が実現した。

関さん宅を一人で訪れた市長は、関さんの案内で改めて江戸時代から残る門や蔵などを見たいと希望。会談は、終始なごやかな雰囲気のなかで行われた。

9月24日に関さんの支援者らが千葉県庁を訪れ、新道路案についての説明を行った際に、新道路案を中心になって考えた井上赫郎さんが市の職員から様々指摘された点を克服する「私案」を提示した。これを聞いた市長が「検討の最中に変更案が提示されたのでは新道路案を検討する意味がない」と考え、新道路案の検討を中断するよう指示した。井上さんらは市を訪れ、担当職員に県におもむいた経緯などを説明し、「誤解」を解こうとしたが、事態はなかなか好転しなかった。

会談のなかで、関さんと市長は心を開いてお互いの思いや、市長が暫定道路案を提案してからこれまでの経緯などについて話し合った。

市長は「関さんの屋敷林は数少ない松戸の原風景として、また関家の思い出の染みついた場所として道を曲げても残す価値がある。なくすには惜しい場所」と改めて評価した上で、「やむをえず土地収用法の手続きに踏み切ったが、あくまでも話し合いで解決したいと思っている。両者が誠心誠意話し合えばおのずと解決の道が見つかるはず。急がば回れということで、回り込んだ道の方が早くつながるということもある」と話し合いでの解決を強く望んだ。

また、これまでの経緯に触れ、「行き違いもあったのかな。しかし、そこにこだわって肝心なものを見失ってしまってはしょうがない」「自然と共生する道路といっても、緑の環境と道路はどうしても反するものがある。生態系への影響があるのは確か。自然への影響を最小限にくい止めながら、自然との共生道路はどんな作り方がいいのかということを双方で出し合って、もっと詰めてから結論を出してもいいと思っている。後になって(強制収用以外の)別の方法があったなんて思いたくない」として、双方が知恵を出し合って迂回道路案を検討してゆく意思を明らかにした。

市長の言葉を聞いた関さんも「私も全く同じ想いです。ここには多くの子どもたちが環境学習や遊びに来る。その笑顔を見るのがうれしい。私も高齢。死んだ後、何を置いていけるかと考えた場合、この場所を置いていけるのが一番いいのではないか。私の生きた証になるのでは」と森への想いを語るとともに、「市長さんに会えて本当に良かった。信頼できる方だと思った。市長さんに対する信頼を基盤に話し合いを続けていきたい。お互いに知恵を出し合って、楽しく道路づくりができたら」と話した。

翌日の市議会本会議で、道路問題について質問された市長は「私は関美智子さんの言葉を信じて、私共も誠心誠意お話し合いを進めたい」と答弁を締めくくった。双方に信頼関係が構築されたことがよく分かる。

新道路案の改善案で検討

関さんは会談の席上、9月1日に提案した新道路案を改善した案を市長に提案した。これは井上さんが県に示したとされる「私案」ではなく、9月17日の市職員への説明の折りに指摘を受けた箇所を改善した正式な新道路案の第2案だ。

幅員11mで、樹齢200年以上のケンポナシを避けるように迂回している点などの基本的な部分は変わらないが、カーブが緩やかになり、機能性、安全性を高めたという。

市長はこの案を検討するように担当職員に指示。時間を置かずに、双方で検討を重ねていく方針。

また、土地収用法の手続きの中止については「今後の話し合いの経過を見ながら判断したい」としている。

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市立病院 紙敷移転へ

市が計画 2012年度完成予定

 

市が市立病院の移転を計画している紙敷の保留地

▲市が市立病院の移転を計画している紙敷の保留地

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建物の老朽化等により移転・建て替えの検討が進められている松戸市立病院について、川井敏久市長は4日、JR東松戸駅近くで進められている紙敷土地区画整理事業地内の保留地に移転したい考えを明らかにした。現在開会中の市議会12月定例会で森下彰司市議(政策グループまつど未来)の一般質問の中で答えた。市は今議会に土地取得のための補正予算案を提出しており、これが可決されれば、今年度中に基本計画を策定し、2009年度に基本設計と実施設計、10年度に工事を着手し、12年度には完成させたい意向だ。

 市立病院の建て替えについては、建物の一部が耐震基準を満たしていないことなどから、これまで検討が続けられてきた。市立病院近くの民有地、運動公園、東松戸病院などへの移転建て替えのほか、現地建て替えの案も出されたが、財政的な問題や交通の便などから、いずれも決定には至っていなかった。

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今回新たに候補となった土地は、紙敷土地区画整理事業地内の保留地約1万1千平方メートル。JR武蔵野線と北総線が交差する東松戸駅から至近にあるなど、交通の便が良いというのが大きな特徴だ。

市によると、紙敷土地区画整理組合が保留地を売りに出すという情報を得て、現地を視察した後、先月8日に同組合へ新病院の候補地としたい旨を打診。組合から了承を得て、先月下旬には議会側に、新病院の候補地としてすでに提案しているという。

川井市長は一般質問の答弁で「(新病院の候補地は)大変便利な立地であり、市立病院を中核施設として、周辺地域の発展が期待できる。さまざまな面から考えて、現段階ではこの土地が最善ではないかと考えている」旨の発言をしている。

一方、紙敷土地区画整理組合では、市から打診を受けてすぐに臨時の会合を開き、この件について話し合いが持たれたが、その中では特に異論もなく、市の提案を了承することで決した、という。候補地となった保留地については受け付け(販売)を開始する寸前だったが、それまでに数件の引き合いはあったという。

関係者の一人は「土地も下がっているし、まあしょうがないかなという感じ。病院が来ることで活性化するかといわれれば、どうですかね。あまり影響がないのかも知れません。再減歩など山積している問題があるので、そちらの方を危惧しています」と話し、今回の件が必ずしも『渡りに舟』とはとらえていないようだった。

【竹中 景太】

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ウイングスが8度目V

第66回市ジュニアソフト

 

 

 

 

 

 

松戸市ジュニアソフトボール連盟(綿内功会長)主催による、市長旗争奪「第66回松戸市ジュニアソフトボール連盟大会」(松戸よみうり新聞社後援)の決勝トーナメントが24日、和名ヶ谷小グラウンドで行われ、ウイングスが昨年の秋に続き8度目の優勝を果たした。

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スペース 優勝を果たしたウイングス

▲優勝を果たしたウイングス

決勝トーナメントへ出場したのは、東リーグ1位の虹の街と2位のウイングス、西リーグ1位の相模台と2位の大畑ユニオン、南リーグ1位の松五・緑ヶ丘と2位の常盤平東、北リーグ1位の寿と2位のゆうかりソフトボール、の全8チーム。

決勝はウイングスが堅実な守りと走力を生かした試合運びで、3回に1点を入れ、均衡を破ると最終回の5回にもだめ押しの2点を追加し、3−0で松五・緑ヶ丘を下した。

ウイングス主将の石川武史君(6年)は、「みんなで守って勝つチーム。最初の1点をみんなで取った時にはすごく達成感があった。その後もよく守った」と話した。また、決勝のマウンドを守り、MVPにも輝いた山賀緋那子さん(同)は、「0−0のままいけば厳しいと思っていたが、最終的に勝てて良かった。MVPはずっと前からとりたかった賞。(オリンピックで活躍した)上野由紀子投手のようなピッチャーになりたい」と話した。

赤井清監督(71)は、「別の大会で松五に0−1で負けていたので、きょうはリベンジしようと子どもたちと試合前に話していた。力では勝てない。守りながらねばり強くいかないと勝てないチーム。子どもたちがよく頑張った」と話した。

大会7日目の試合と決勝トーナメントの結果、個人賞(敬称略)は次の通り。

 

大会7日目(11月9日)

▼東リーグ

たんぽ0−0古ヶ二

秋 山3−2つくし

虹の街0−0さつき

ウイン1−0秋 山

古ヶ二7−2竜房台

虹の街4−0ウイン

▼準々決勝(11月24日)

寿 2−1常盤東

ウイン5−2相模台

虹の街2−1ゆうか

松五緑4−2大 畑

▼準決勝(同)

ウイン4−3 寿

松五緑2−0虹の街

▼決勝(同)

ウイン3−0松五緑

★最終結果

▼優勝=ウイングス

▼準優勝=松五・緑ヶ丘

▼3位=寿ソフトボール、虹の街

▼4位=常盤平東、相模台、ゆうかりソフトボール、大畑ユニオン

★個人賞

▼最優秀選手賞(MVP賞)=山賀緋那子(ウイングス)

▼敢闘賞=渡部亮(松五・緑ヶ丘)

▼優秀投手賞=岡林航太(虹の街)、上野塊斗(相模台)、渡部亮(松五・緑ヶ丘)、川田一輝(寿ソフトボール)

▼ホームラン王賞=中村亮(虹の街)、川下大輝(大畑ユニオン)、沢辺太一(松五・緑ヶ丘)、山田裕明(寿ソフトボール)

 

▼得点王賞=石川武史(ウイングス)、野田大誠(相模台)、保永将矢(松五・緑ヶ丘)、鶴岡利貴(寿ソフトボール)

▼努力賞=山賀緋那子(ウイングス)、臼杵柚香(つくし子供会)、工藤紗耶香(同)、山本花菜(たんぽぽ子ども会)、杉浦泉美(同)、高田香(さつき子供会)、伊藤つばさ(六実ひまわり子供会)、小野瀬真美(馬橋中央子ども会)、松井稔音(陣ヶ前子供会)、柿木穂乃佳(常盤平東)、茨木裕美(同)、有川真生(同)、國弘侑希(千駄堀フェニックス)、有村知穂(稔台)

 

 

 

【戸田 照朗】

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祝賀会であいさつする琴欧洲

▲祝賀会であいさつする琴欧洲

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松戸この1年を語る

記者が見た、聞いた2008年

 

>>2008年の出来事(ここをクリック)

 

今年も残すところあと2週間。さて、今年はどんな年だったのか。いつものように戸田照朗と竹中景太が振り返ります。

竹 今年取り上げた市内の話題で大きなものと言えば、「関さんの森」の道路問題と千葉大園芸学部の移転問題、市立病院の建て替え問題でしょうか。

戸 「関さんの森」の道路問題はここ2年間ずっと取材してて、やっぱりびっくりしたのは、7月末に市が強制収用の手続きに入ったこと。21世紀の今の時代にそんなこと本当にやるとは思ってなかった。でも、ここにきて話し合いで解決という方向に進みそうなので、このままうまくいくことを心から願うしだいです。

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竹 千葉大園芸学部の移転問題では、市民15万人もの反対署名が大学に出されましたが、その後どうなんでしょう。

戸 読売新聞に移転費用の捻出が困難だということが分かったとの記事がでていたけど、どうなるかな。来年3月には結論が出るのかな。

竹 市立病院の建て替え問題では、9月議会で市が建て替え案の撤回を表明。早期建て替えを訴える議会が市長に反発する一幕もあったのに、ここにきて紙敷への移転計画が浮上、と狐につままれたような思いです。

戸 銚子市立病院が休止したり、病院の受け入れ拒否で亡くなる妊婦さんが出たり、後期高齢者医療制度がスタートして混乱が生じたりと、全国的にも医療にまつわる話題が多かった。

竹 今はだいぶ下がってきましたが、ガソリンが高くて大変でした。4月には暫定税率が「ねじれ国会」で一瞬だけ失効して、スタンドの前に行列ができたり。

戸 毒入りギョーザに北京五輪と良くも悪くも中国の話題も多かった。

竹 汚染米にウナギに牛肉と、食の安全や偽装では国内も酷かったですけど。

戸 アメリカの大手証券会社の破綻がきっかけになった世界金融危機。最近は製造業にも波及して、大企業の解雇や学生の内定取り消しが問題になっている。

竹 なんとなく、不安ですねぇ…。

戸 9月に福田さんが首相を突然辞任。安倍さんの時を思い出させた。

竹 総裁選をお祭りのようにやって、支持率の高いところで解散総選挙というシナリオだったんでしょうけど、麻生さんはなぜか解散せずにズルズル。

戸 まだ2か月なのに支持率は20%で、もう「政権末期」だっていうんだから。

竹 日本も世界も、みんなの暮らしも大変な時なのに、政権維持のことしか考えていないようで、見ていて情けないやら腹が立つやら。

戸 いずれにしても来年には選挙がある。そこで国民の意思を反映させるしかないね。少しは良い年になりますように。

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