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バックナンバータイトル689号

「関さんの森」の道路問題

迂回道路建設で合意

強制収用手続きは中断

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スペース 合意文書に調印する川井敏久市長(左)と関美智子さん

▲合意文書に調印する川井敏久市長(左)と関美智子さん

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「関さんの森」の道路問題(都市計画道路3・3・7号線の幸谷区間)で、市と地権者の関さん姉妹は、迂回道路を新設市道として通すことで基本合意し、5日に調印式と記者会見が行われた。昨年8月に市は土地収用法の手続きを開始し、立ち入り調査を行ったが、この合意で手続きは中断。新設市道の計画案が成立したのちに収用手続きを取り止める。話し合いでの解決を求める署名は最終的に3万2037筆が集まり、13日に支援者の手で市に届けられた。

【戸田 照朗】

新設市道は既存の市道を歩道として活用する予定。市道を挟んで左が屋敷林。右がケンポナシの大木

▲新設市道は既存の市道を歩道として活用する予定。市道を挟んで左が屋敷林。右がケンポナシの大木

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調印式で川井敏久市長は「関さん姉妹には一歩も二歩も譲っていただいた。都市計画道路としての建設が困難であることから、新しい市道として3・3・7号線をつなげていこうということになった。市、関さん姉妹、市民の意見をいただきながら協働による新たな松戸市道づくりに取り組むことになった。今後も想定していないような問題が出てくるかもしれないが、関美智子さん、啓子さんと信頼関係を構築しながら新しい道路づくりに邁進(まいしん)したい」とあいさつした。

関美智子さん(72)は「本当に長い道のりだった。市長さんが言われるように、市と地権者、市民が協力して、対立するのではなく、楽しく道づくりをし、森を未来の子どもたちのために残せたら」と話した。

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関啓子さん(60)は、「譲歩に譲歩を重ね、私としてもつらい合意。しかし、なんとか小さいながらも、ひとかたまりの里山を残すことができたのは多くの支援者やマスコミのお陰。このような合意に至ったのには、市長さんの熱意が大きかった。松戸の原風景を大切にしたいという、市長さんの松戸への愛情を強く感じた」と話した。

新設市道は、関さんらが1月12日に市に提案した道路案を基本線として、道路計画が策定される。

道路幅員は最低で15m。都市計画道路との接合部は18mとなる。制限速度は時速40キロが基本。前後の都市計画道路が50キロなので、今後、公安委員会との調整が必要となる、という。

道路は関さんの所有地内に作られ、宅地を囲む生け垣は残す。樹齢225年を超えるケンポナシは樹木医による調査の上、必ずしも現地保存にこだわらない。関さん宅のブロック塀が一部損傷することになるが、熊野権現の塚については損傷させない。

新設市道の計画策定は8月末日が目標。強制収用の手続きは中断し、計画案の合意ができた時点で、取り止める。

道路用地の寄付については、今後の協議による。

合意までの長い道のり

昨年12月3日に市長と関美智子さんが会談し、協力して迂回道路を作ることで意見が一致したことで、事態はすんなり解決に向かうかと思われたが、そう簡単ではなかった。

会談の日、関さんは迂回道路案を市長に示したが、この道路案では、都市計画道路として計画変更するのが難しい、との市の回答が後日伝えられた。関さん側の案は制限速度を時速40キロとしていたが、都市計画道路としては50キロにしたい。道路の曲線形(アール)の問題などが指摘されたという。

そこで昨年末、市のほうから案が出されたが、熊野権現や、関さんのお母さんが生まれた日に植えたという樹齢106年のソメイヨシノ、江戸時代からの門や蔵などが道路用地にかかるという、関さん側としては、とても受け入れられない内容だったという。

先月12日に関さん側から北部接合部を3車線とし、関さん宅の庭の生け垣にそって道を作る案が提案された。これは2年前に市長が提案した「暫定道路案」とほぼ同じ線。

結局、都市計画道路の変更ではなく、「暫定道路」として新しい市道を作るということで決着することになった。都市計画道路の計画線は残るが、地権者が最大限の協力をして作られる市道だけに、今後、強制収用までして都市計画道路を建設することは考えられない。「実質的に計画の凍結」(川井市長)だという。

合意文書が出来たのが、4日夜。強制収用の手続きの申請の期限が8日と迫るなか、ぎりぎりの解決だった。

ケンポナシの保護など課題

2・1ヘクタールの「関さんの森」(市では旧「こどもの森」の1・1ヘクタールのみを「関さんの森」としている)のうち0・5ヘクタールが道路用地となる見込み。「子どもの遊び場」が分断されるため、今後どのように活用していくのか、樹齢225年を超えるケンポナシをどう保護するのかなどの課題も多い。

千葉県内でケンポナシの大木が残るのはここだけ、という天然記念物級の樹木だ。関家が同地に屋敷を建てた225年前には、すでに木があったといい、樹齢も「225年以上」ということしか分かっていない。高台にある大木のため、何度も落雷にあい、中心部は焼けてしまったが、樹皮だけになりながらも現在も生きている。幸谷小学校の初代の校長がこの木を見て感動し、同校の校章に採用したという逸話も残る、幸谷地区のシンボル的な樹木である。

樹木医に診てもらったところ、新設市道案では根が道路にかかってしまうために、このままでは枯れてしまうだろう、という。「根回し」という方法で、半分ずつ根を切り、鬚根(ひげね)が生えるのを待って、最低2年かけて移植するという方法などが考えられるが、それでも根がつくかは分からない。

道路の建設で里山は縮小するが、このケンポナシだけでもなんとか生き長らえさせたい、というのが関さん姉妹の強い願いだ。

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財部克紀さんと街を歩く盲導犬クラーキア

▲財部克紀さんと街を歩く盲導犬クラーキア

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市内に4頭目の盲導犬

財部さんとクラーキア

 

 

このほど「盲導犬を普及させる会」(池田弘会長)の全額寄付による盲導犬が誕生し、19日に川井敏久市長を表敬訪問した。市内の盲導犬としては4頭目。使用者は、松飛台在住で鍼灸師の財部克紀(たからべかつのり)さん(54)。盲導犬は1歳9か月の黒のラブラドールで雌のクラーキア。練馬区にある(財)アイメイト協会で1か月の合宿訓練を経てパートナーとなった。

財部さんは、会社員をしていたが、30歳で網膜の病気にかかり、41歳でほぼ見えなくなった。

盲導犬を使ってみようと思ったきっかけは、一昨年、自宅の近くを散歩していた際に、水道工事の穴に落ちてしまい、救急車で運ばれたこと。まだものの形などはうっすらと分かり、家の近所の慣れた道だったために、「白杖(はくじょう)でも大丈夫」という自信があったが、穴の近くに人がおらず、パイロンにも気が付かなかった。「白杖では危険だ」と考えるようになった、という。ガイドヘルパーの勧めもあり、市内の盲導犬使用者に相談。同会に話が来たという。

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(財)アイメイト協会は盲導犬の育成では、わが国では草分け。犬もしっかり訓練されているが、使用者の合宿訓練も徹底していて厳しいという。

最終試験は同協会のある西武新宿線・東伏見駅から電車などで銀座まで行って帰ってくるというもの。

財部さんは「銀座までのコースより、協会の近くにものすごく難しいコースがあって、そちらのほうが大変だった」と話していた。

自宅に戻ってからは、仕事のかたわら、近所を毎日散歩しているという。「歩行がとても楽になった。盲導犬は本当に賢いですよ。散歩中に青信号で横断歩道を渡ろうとしたら、左折車が急に入ってきた。犬が止まってくれなかったら危なかった。助かりました」と話していた。

【戸田 照朗】

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おもちゃの病院 好評

読売センター松戸に1日開院

 

五香の健康福祉会館(ふれあい22)内に本院がある松戸おもちゃの図書館付属おもちゃの病院が8日、読売センター松戸店内に1日開院し、壊れたおもちゃを手に15組の親子連れが訪れた。

「治療」には、蟻坂昭平院長ほか2人のドクターが無料で「診察」「治療」(修理)にあたった。

3歳の男の子と訪れたお母さん(22)は、「ずっと機関車トーマスのおもちゃをなおしてほしいとせがまれていた。これでケンカせずにすみます」と話していた。

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スペース 読売センター松戸店内に開院したおもちゃの病院

▲読売センター松戸店内に開院したおもちゃの病院

6歳の男の子、3歳の女の子と訪れたお父さん(35)は、レジのおもちゃを持参。音は出るが数字が出なくなったという。「安いおもちゃだけど、なおればと思って」。

7歳と4歳の男の子のお父さん(47)もトーマスのおもちゃを持参。「なおれば、小さい従兄弟がいるので、あげたい」と話していた。

ドクターたちは、子どもたちに優しく語りかけながら、おもちゃを「治療」。子どもたちも、おもちゃが治っていく様子に興味津々で見入っていた。その日に修理できなかったおもちゃは「入院」(あずかり)となったが、後日無事に「退院」したという。

読売センターでは、今後もおもちゃの病院を随時開院。該当地域には事前にチラシなどでお知らせする予定。

【戸田 照朗】

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全国大会に出場する小金北ソフトボールクラブ

▲全国大会に出場する小金北ソフトボールクラブ

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全国大会に連続出場

小金北ソフトボールクラブ

 

小金北地区にある9つのソフトボールチームから小学生有志が集まり結成する「小金北ソフトボールクラブ」(以下、小金北SBC)が、このほどおこなわれた全国規模のソフトボール大会の松戸市予選、千葉県大会でともに優勝を飾り、3月に岡山県で開催される全国大会に出場する。全国大会には昨年の夏にも出場しており、今回で2度目の出場となる。

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「長打はないが、ねばり強く、小技ができるチーム」。松戸市ジュニアソフトボール連盟大会で強豪チームの一角を担う「ウイングス」の監督もつとめる赤井清監督は、今年の小金北SBCをこう評する。

全国大会に向けて、小学5年生で新チームを結成した際には「昨年のチームと比べると、体格はみな小柄。(全国大会出場は)ちょっときびしいかな」と感じていたが、市予選、県大会を通じ、1試合ごとに強くなっていったという。

昨年の全国大会では初戦敗退。勝てない相手ではなかったが、緊張して本来の力を出し切れなかった。それだけに今年にかける思いは強い。それでも目標は「まずは初戦突破」。
小金北SBCでキャプテンをつとめる、ウイングスの中田壱哉くんは「昨年のチームのようなパワーはないけど、機動力がウリのチーム。(市予選、県大会では)リードされる場面もあったけど、一生懸命にやって、優勝できた。全国でも、最低1勝、そして優勝を狙いたい」と話していた。

【竹中 景太】

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管理職手当10%カット

市 不況で厳しい新年度予算案

 

松戸市はこのほど、新年度の当初予算案を発表した。一般会計は前年比37億5千万円、3・2%減の1126億5千万円としたが、特別・企業会計を含む総額では2519億2920万円となり、前年比97億2131万7千円、4%の増となった。

歳入面では、景気後退等により市民税が1・9%減の384億3千万円、固定資産税が0・7%減の234億4千万円とし、市税全体では1・6%減の697億2千万円を見込んだ。

一方、歳出では、厳しい景気悪化などによる市税収入の減収への措置として、市長ら特別職の給料を5%、一般職の管理職手当を10%カットする。対象は、特別職6人と管理職790人の計796人となり、期間は今年4月から来年3月末までの1年間。この措置により、7112万円の支出削減になるという。

主な新規事業としては、2012年度中の移転・完成を目指す市立病院関係や、もったいない運動関連、放課後児童クラブの施設整備、(仮称)子ども読書推進センターの開設、などをおこなうとしている。このうち、(仮称)子ども読書推進センターは、おはなしキャラバン解散後の幼児・児童読書普及事業の推進を図るために、休園となる中部小学校附属幼稚園の施設に開設し、「おはなしボランティア」の支援、養成などをおこなっていくとしている。

【竹中 景太】

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一茶双樹記念館で「ひなまつり」

「昔のあそび体験」などイベントも

 

 

 

 

流山市の一茶双樹記念館では、3月3日まで「ひなまつり」を開催中。人形作家・高木治美創作人形展、木目込み雛の展示(日本伝統工芸国際交流協会会員の作品)、古雛の展示(流山市立博物館所蔵品より)を行っている。

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スペース 高木治美・作 創作人形

▲高木治美・作 創作人形

26日には「小倉百人一首かるた体験」を開催。時間は13時30分〜16時。参加費は無料(テキスト付き)。定員は30人(要事前申し込み)。

3月1日には流山市文化協会邦楽三曲部会員による琴の演奏が13時から14時30分まで行われる。参加費は無料。申し込み不要。

また、期間中は「ちょっと昔のあそび体験」と題して、お手玉、折り紙、おはじき、扇投げなどを随時開催(無料)。特に28日と3月1日は、お手玉づくり、紙人形づくりが体験できる(材料代実費)。

問い合わせは、TEL 04・7150・5750一茶双樹記念館(9時〜17時。月曜休館)。流山電鉄・平和台駅から徒歩8分。

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これまでの見本市の写真

▲これまでの見本市より

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NPO・市民活動見本市

3月7日、サポートセンターで開催

 

 

市内で活動するNPO・市民活動団体がその活動の魅力を伝える「『第6回選べる! 見て 聞いて NPO・市民活動見本市』松戸って面白い! 〜体験、実感、自分の発見〜」が、3月7日午前10時から午後5時まで、上矢切にあるまつど市民活動サポートセンターで開催される。

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この見本市は、「行政と市民活動団体のパートナーシップの促進」「市民の地域活動参加のきっかけづくり」「NPO・市民活動団体の交流推進、情報交換、活動紹介」「参加団体同士の連携、活動発展の機会」などを目的に毎年開催されているもので、今年で6回目を数える。

今年の参加団体は71団体で、それぞれが出展し、活動紹介や各種発表、イベントなどをおこなう。

また、今年は特別企画として、「アクティブなシニアライフを!」「子どもと遊べる大人になろう!」「顔の見える地域づくりのために〜私たちを取り巻くさまざまな環境について〜」という3つのテーマを掲げ、それぞれでテーマに沿った講演会やパネルディスカッション、事例発表などがおこなわれる。

問い合わせは、TEL 365・5522まつど市民活動サポートセンターまで。

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