松戸よみうりロゴの画像

▲ バックナンバーメニューに戻る ▲

バックナンバータイトル691号

市立病院の移転・建て替え問題

用地の追加取得で紛糾

市長提案に議員多数が反発

スペース

建物の老朽化等により紙敷への新病院建設が予定されている松戸市立病院の移転・建て替え問題で、松戸市は先月25日、新病院建設予定地(紙敷土地区画整理事業地内の保留地約1万1000平方メートル)に隣接する土地約3300平方メートルを新たに取得する案を市議会の市立病院建設検討特別委員会に提案したが、「明瞭な土地購入の根拠がない」などとして否決され、27日の本会議でも市議からの反対意見が多数を占め、新たな土地取得は見送られることになった。これにより市では昨年の市議会12月定例会ですでに提案している1万1000平方メートルの用地だけで新病院の建設を進め、2012年度の完成を目指す。

【竹中 景太】

市は今回、病院事業会計補正予算案として、先の12月議会で提案していた用地取得のための限度額を「22億円以内」から「28億円以内」と、新たな用地取得分6億円を増額した案を提出していた。

市によると、新たに取得しようとした用地は、病院建設予定地の南側に隣接する土地で、この土地を所有する業者から今年度内に売却したい旨の話があったという。

これまでの特別委員会で委員から「当初予定の約1万1000平方メートルの敷地だけでは狭すぎる」などの意見が相次いで出されていたことや、これだけのまとまった土地を取得できる機会はそうそうない、ことなどから市は購入に向けて提案した。

特別委員会で市側は、この新たな用地を取得し、駐車場にすることで140台分の駐車スペースが確保でき、当初予定(新病院建設)地の地下駐車場の工事費を軽減できる。これにより全体の工事費が約14億円安く済み、新たな土地取得分の6億円を差し引いても8億円ほど余る。さらに工期も短縮させることができ、新病院の建設設計の幅も広がり、新たな用地には駐車場のほか病院関連施設の設置も検討できる、などと用地を追加取得することで生まれるメリットを説明した。

しかし、委員からは「(新病院建設予定地)周辺には市街化調整区域もあり、駐車場として活用できるのではないか。その方が安く済むのでは」といった意見や、「新病院建設の話が突然出てきたかと思えば、今回も突然、新たな用地の話が出てきた。途中の経過、経緯を出して議論することはできなかったのか」と、すぐに結論を出せる問題ではない、基本構想もできていない現状では判断材料が少なすぎるといった意見が相次いだ。

結局、新たな用地取得分を病院事業会計補正予算案から削除する修正案が委員から出され、賛成多数で可決されたが、委員会終了間際、出席していた川井敏久市長が「8億円削らなくてもいいのですね。工期も早く済まなくていいのですね。今の形で基本計画進めていいのですね」と委員に反発する一幕もあった。

一方、27日の本会議でも、市議から「新病院の建設に幅を持たせる上で(新たな用地は)有効だが、全体構想も示されない中で、市民の負託を受けた議員として受け入れられない」、「地下に駐車場を作るより平面に作った方が安いし早い。しかし、その用地を他の用途として使った場合は、また新たに用地確保しなくてはいけなくなる。従来の建設予定地だけでは狭いのか、または広いのか、これも判断できない。判断材料がなく、一日も早い全体構想の提出を」などと、早期の基本計画(構想)の策定を求める声が多数を占めた。

なお、市では、現在おこなっている「松戸市立病院整備基本計画策定専門委員会」で学識経験者の意見を聞きながら今年度中に基本計画をまとめ、2009年度に基本設計と実施設計をおこない、10年度に工事を着手させ、12年度に新病院を建設する、という従来の予定通り計画を進めていくことにしている。

▲ バックナンバーメニューに戻る ▲


山崎直子さんが市を訪問

多くの人の想い 一緒に宇宙へ

 

2010年2月以降に米国スペースシャトル「アトランティス号」に搭乗し、国際宇宙ステーションの組み立てミッションに参加することが決まっているJAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士・山崎直子さん(38)が、先月26日、川井敏久市長を表敬訪問。山崎さんの母校である相模台小と松戸第一中の児童・生徒が出迎え、記念品などを交換した。

山崎さんの宇宙での滞在期間は2週間になる予定だという。

相模台小の児童から宇宙について質問された山崎さんは、「宇宙に興味を持ったのは小学校の低学年の時。プラネタリウムに行ったり天体望遠鏡で月のクレーターをのぞいたのがきっかけ。また、高学年の理科の授業で、私たちの体を作っているのは酸素と窒素と水素とちょっとした鉱物で、宇宙に輝く星と同じものでできているということを先生が教えてくれた。

スペース
スペース 母校・相模台小の児童に色紙を贈る山崎直子さん(右)

▲母校・相模台小の児童に色紙を贈る山崎直子さん(右)

その時に宇宙は自分の故郷(ふるさと)のような、懐かしく身近な思いがした。来年、宇宙に行きますが、冒険というよりも故郷を訪ねに行くような懐かしい気がしている。自分にとって宇宙とはすごく大きなところであり、故郷という感じがしています」と答えた。

また、松戸一中の生徒から宇宙飛行士という職業について聞かれ「宇宙飛行士という言葉を知ったのは中学3年の時。たまたまテレビでスペースシャトル『チャレンジャー号』が打ち上げ数十秒後に爆発したニュースを見た。本当に世のなかにはスペースシャトルという乗物があって宇宙飛行士がいるんだ、と知ったのがその時でした。宇宙飛行士の魅力は、いろんな国の人と仕事ができること。また、宇宙から地球を見ることができることに今からワクワクしています。まだ宇宙飛行士は少ないが、これからはもっと増えて、今は理系の人間しか飛行士になれないが、将来は芸術家なども宇宙に行って、宇宙から見た地球のすばらしさを伝えられるような時代になるのでは」と話した。

また「松戸市にゆかりのものを公式搭載品として宇宙に持っていきたい。持っていくものを、是非松戸市のみなさんで考えていただけたら」と提案。「昨年の11月に宇宙に行くことが決まってから、地元の松戸市にあいさつに来たいとかねがね思っていました。母校のみなさんとお話をして、私自身も元気をもらった。宇宙に行くときには私ひとりだけではなく、松戸市のたくさんのみなさんの想いと一緒に行くんだと思っている。きょうこの場を設けてくださったことに感謝しています」と話していた。

【戸田 照朗】

▲ バックナンバーメニューに戻る ▲


新松戸の事務所で最後の演目の練習をする職員

▲新松戸の事務所で最後の演目の練習をする職員

スペース

おはなしキャラバンが
さよなら公演

14日、市民劇場で 28年の歴史に幕

 

 

(財)松戸市おはなしキャラバンが今年度末で廃止されることになり、14日午後1時から3時まで市民劇場で「さよなら公演」が行われる。演目は大型紙芝居「やまなしもぎ」、絵巻物「みにくいあひるの子」、アニメーション「おはなしおはなし」、人形劇「おおきなかぶ」。

スペース

市は1995年の「松戸市行政リストラ実施計画」策定以来、行財政改革に取り組んできたが、2006年に策定された「松戸市集中改革プラン」の中で市が出資している財団法人など外郭団体の見直しについても検討課題とされ、おはなしキャラバンについては廃止の方向となった。

(財)松戸市おはなしキャラバンの前身は73年(昭和48)、稔台市民センターの新設に併せて起こった市立図書館稔台分館をつくる若いお母さんたちの運動だった。81年(昭和56)に財団法人化。今年度で28年目となる。市が全額出資する財団が市内を巡り、人形劇やおはなし会を公演するというのは非常に珍しく、全国でも唯一の存在だった。

同財団の活動は、大規模で16ミリフィルムと人形劇を中心とした「おはなしキャラバン」と小規模で絵本・紙芝居・人形劇などを組み合わせた「おはなし会」が主な2つ。人形劇で使う人形や道具は職員の手作りだ。市民センターなどでの公演のほか小学校や保育所などに招かれ、多い年で250回近い公演を行い、子どもの入場者数は年間のべ2万人から2万7千人。また、近隣のおはなし会や人形劇のグループを招いて88年(昭和63)から毎年「おはなしフェスティバル」を開催するほか、海外に招かれて公演を行ったこともある。昨年度の公演数は、おはなし会が68回で、子どもの入場者数は2091人。人形劇公演は24回で、子どもの入場者数は2398人だった。少子化などで入場者は減少傾向にあった。

同財団は、02年から乳幼児の読書普及事業「絵本はじめのいーっぽ」や、「おはなしボランティア」の育成事業を行ってきた。

市では、来年度から(仮称)子ども読書推進センターを中部小附属幼稚園(今年度で休園)の中に設置し、同財団が育成した80人のボランティアの支援などを行い、児童読書普及事業の再構築と児童サービスの充実を図るという。来月から改装工事に入るが、オープン時期はまだ未定。

【戸田 照朗】

▲ バックナンバーメニューに戻る ▲


小金中が再開

パイロットスクール担う

 

 

 

 

松戸市の小中学校の統廃合計画により、2006年度から休校となっていた小金中学校の増改築工事が完了し、来月から再開されることになった。工事中、生徒は新松戸北中に通っていたが、来月からは小金中に移り、新松戸北中が廃校(合併)となる。なお、同校の跡地利用については、まだ方向が決まっていない。

スペース
スペース 増改築工事が完了し、再開される小金中学校

▲増改築工事が完了し、再開される小金中学校

再開される小金中は先駆的な役割を担い、市の教育モデルを構築してゆくパイロットスクールとなる。パイロットスクールの試みは、新松戸北中で既に2年間取り組まれており、来年度で3年目となる。

「国語力の向上」では、学校行事などの後に必ず文章を書く時間を設定したり、漢字検定へ取り組んだ。

「英語の日常化」では英語を5コマ(正規は4コマ)にし、英語の多聴、多読をさせる。また、英語検定にも取り組んだ。

「大学との教育連携」では、東大や東工大の大学院生でバイオテクノロジー研究に携わる研究グループを呼んで「いのちの授業」をしたり、「ロボットスーツ」「脳科学」「遺伝子」「完全リサイクル」などについて研究している著名な学者や企業を招いての講演会などを行った。

そのほかにも「少人数指導の充実」「キャリア(職業)教育の構築」「特別支援教育の強化」「家庭教育への発信と支援(弁当の日の設置による食育の意識づけなど)」「学年担任制の導入」などの課題に取り組んできた。

同校の増改築工事は、地域の人たちと共に学習ができる図書館や特別教室の設置を前提に行われているが、具体的な形として地域に開放するにはもう少し時間がかかりそうだ、という。

障がい者や小さな子ども連れにも対応できる多目的型トイレも設置。特別支援学級のトイレにはシャワーも取り付けられている。

【戸田 照朗】

▲ バックナンバーメニューに戻る ▲


カンボジアの学校の生徒たちと川井敏久市長

▲カンボジアの学校の生徒たちと川井敏久市長

スペース

机・イスを贈り交流

市長がカンボジアを訪問

 

 

 

 

カンボジア王国プレイベン州知事の招待を受け、川井敏久市長がこのほど、同国を訪問した。市が2002年度から5年間にわたって、不要となった机とイスを同国の小学校等へ贈ったお礼として招待されたもので、現地では感謝式典に出席し勲章を受け取ったほか、同州のプレイベンクロン小学校を訪れ、児童たちと交流を深めた。

スペース

外務省の「草の根リサイクル無償資金協力」を活用し、同小学校などへ贈った机とイスは、5年間でのべ5114セット。このうち同小には406セットが贈られており、この活動を通じて、市が推奨している「緑のカーテン」事業でもこれまで交流が続けられている。07年には、市で採れたゴーヤの種を同小で撒き、「緑のカーテン」として大きく育て、育ったゴーヤの種は松戸市へ里帰り。翌年に公共施設等で「緑のカーテン国際交流」として育てられた。

今回の訪問に際し、贈った机とイスを以前使っていた稔台小学校の児童からのメッセージ、市内にある「日本園芸生産研究所」提供のかぼちゃの種3000粒を用意。かぼちゃの種は同国のかぼちゃの種と交換し、メッセージはクロン小の児童へ届けられ、そのお礼・お返しとしてクロン小の児童が作成した絵などを受け取り、帰国後の23日に市長から稔台小の児童へ届けられた。

▲ バックナンバーメニューに戻る ▲

【竹中 景太】