松戸よみうりロゴの画像

▲ バックナンバーメニューに戻る ▲

バックナンバータイトル703号
スペース

「関さんの森」の道路問題で覚書

市 正式に強制収用を中止

スペース
スペース 左から記者会見する川井市長、関美智子さん、関啓子さん

▲左から記者会見する川井市長、関美智子さん、関啓子さん

「関さんの森」の道路問題で、市と地権者の関美智子さん(73)、啓子さん(61)姉妹は、「松戸都市計画道路3・3・7号横須賀紙敷線(幸谷区間)に関する基本合意書に基づく新設市道」にかかる覚書に調印。10日に記者会見が行われた。市と関さん姉妹は、2月に関さん宅の熊野権現、江戸時代からの門や蔵などを迂回する新設市道をつくることで基本合意していた。この段階で、強制収用の事務手続きについては「中断」という状態。8月末日を目標に新設市道計画を策定し、合意を得た段階で手続きを取り止めることにしていた。記者会見の席上、川井敏久市長は、この覚書の調印をもって、正式に強制収用の事務手続きを中止すると発表した。

【戸田 照朗】

移植を余儀なくされる樹齢225年を超えるケンポナシ

▲移植を余儀なくされる樹齢225年を超えるケンポナシ

スペース

2月5日の基本合意書調印の後、市は4月に関さんの宅地内を含めた測量を実施。先月、新設市道計画について合意したという。

市は6月から9月にかけて、公安委員会と事前協議を4回実施。正式な申請はまだだが、おおむね理解を得られたとして、覚書の調印にいたった。

今後の予定では、11月末に土地売買契約と物件補償契約を取り交わす。来年度に工事に着手。2011年度中の供用開始を目指す。

基本合意のとおり、熊野権現の塚や門、蔵、生け垣などを迂回して道路は通る。測量により、線形は当初の案よりカーブがゆるやかになった。片側1車線で、幅員は13・5m〜22m。幅員に差があるのは、都市計画道路の接合部分に右折レーンなどができるためだ。設計速度は時速40キロとなった。

また、当初は関さんの所有地だけで処理する予定だったが、都市計画道路との接合部近くに住む住民一軒の土地が、新設市道にかかることから、代替地への移転を含めて市と関さん、住民の3者との間で協議が進められている。関さんによると、この住民の家のすぐ脇を新設市道が通ることから、以前より移転を望まれていたという。

樹木の移植など問題山積

会見の席上、川井市長は「強制収用の事務手続きを取り止めたことで、私どもとしても胸のつかえがおりた。新設市道の建設については、むしろこれからの方が問題が山積。今後とも関さん姉妹との信頼関係をもとに協力していきたい」と話した。

関美智子さんは「今までは紙の上の議論だったが、これからは具体的に風景が変わっていく。道路ができることで動植物たちや、周辺住民に悪影響が出ないように、市民の皆さんや報道関係、市の協力を得ながら、本当の意味での協働で道づくりを進めていきたい」。

関啓子さんは「強制収用の手続きが始まってからは、命がけの闘いだった。こう着状態に陥った時に助けてくれた報道関係者、署名を訴えてくれた市民団体の人たち、そして寒空のなか、署名に並んでくれた市民一人ひとりに心から感謝したい。また、市長さんのリーダーシップに感謝申し上げたい」と話した。

今までは線形という「平面」の話し合いだったが、具体的な道路建設に向け、今後は「立体」的な話が中心になる。

スペース
スペース

こどもの遊び場のクヌギなど大木3本も移植対象

▲こどもの遊び場のクヌギなど大木3本も移植対象

「関さんの森」や幸谷地域の象徴的な樹木である樹齢225年を超えるケンポナシは移植を余儀なくされる。千葉県で唯一とされるこの老木は、慎重に移植しないと枯れてしまう恐れが大きい。

関さんは園芸の専門家や樹木医に相談をしてきた。幹の内部が空洞になっており、幹が3本になっているように見えるが、根はつながっている可能性もある。木が眠っている冬季に2シーズンかけて半分ずつ慎重に根回し(根を切断)して鬚根(ひげね)をはやし、3回目の冬に移植をするという方法が最善だという助言を受けたという。それでも、ケンポナシが生きつづけられるかどうかは微妙なところだ。

ほかにも道路用地には、クヌギやケヤキの大木3本(都市計画道路との接合地点〜こどもの遊び場)、梅林に多くの梅の木がある。川井市長は「私としては全ての木を助けたいと思っている。関さんの森の中だけでは、移植先が不足することも考えられる。その場合は、いい『嫁入り先』を見つけてあげたい」と話している。

新設市道は、関さんが市教委に提供しているこどもの遊び場(グラウンド)の真ん中を通る。グラウンドとしては機能しなくなるので、ここに他の樹木を移植するほか、新設市道沿いに街路樹として活用するという案も出ている。

▲ バックナンバーメニューに戻る ▲


浅草サンバカーニバルでパレードする五香のサンバチーム「セレージャ」

浅草サンバカーニバルでパレードする五香のサンバチーム「セレージャ」

▲浅草サンバカーニバルでパレードする五香のサンバチーム「セレージャ」

スペース

浅草サンバカーニバル 2部で優勝

五香のサンバチーム「セレージャ」

1部へ昇格 新メンバーも募集中

 

 

 

五香に本拠地を置くサンバチーム「フロール・ヂ・サンバ・セレージャ」が、先月29日に行われた浅草サンバカーニバルのS2リーグ(2部)で優勝。S1リーグ(1部)への昇格を果たした。

セレージャは、来年でチーム結成10周年を迎える。五香のラーメン店「13湯麺(かずさんとんみん)」には「ピンガ」というブラジルの酒が置いてあり、「ブラジルの酒を飲んでいるんだからサンバでも」という話が出て、設立されたという。同店の店主、松井一之さんが、チームの代表を務めている。

デビューは設立した年、2001年の「桜まつり」。翌02年には早くも浅草に出場した。当時のメンバーは35人。数年は7位前後にいたが、一昨年は2位、昨年は3位と上位に進出。メンバーも80人に増えた。

優勝した今年のテーマは「闘牛士〜情熱のセレナーデ〜」。テーマは昨年9月にチーム内で公募。テーマに合わせて、曲や歌詞、衣裳、振付、構成などが作られた。全てがメンバーのオリジナルで、手作りだという。

スペース

パレードには、ストーリーがある。夢と希望と愛を失い、疲れ果てた孤独な闘牛士。彼はセレージャのパレードに出会い、一緒に踊るなかで、若い娘と恋に落ち、愛と情熱と生きる力を取り戻す。この物語を800メートル、35分のパレードの中で表現する。

セレージャは毎年「躍動感」の審査項目の点数が振るわず、課題となっていた。しかし今年は、問題の「躍動感」をはじめ、「テーマの表現」「衣裳」「演奏」「ダンス」「総合評価」の各項目で参加8チーム中、1位を獲得。完全優勝をとげた。

「牛」の役で踊った山口晴子さん(40)は、「暑さが怖かった。子どもたちの体を心配したが、みんないい顔で踊っていて安心した。そのあとに優勝がついてきた」。山口さんの友人で、子どもたちの衣裳を作った中野美世喜さん(45)は、当日は給水を担当。以前には、暑さで倒れた人もおり、給水も重要な役目だという。

副委員長を務めた佐藤多恵さん(40)は、「今年は(優勝は)難しいかな、と思っていた。もう少し、じっくり力をつけて、来年優勝したいと思っていた。でも、今年優勝できたことは、素直にうれしい。1部の最下位と2部の優勝が入れ換えになるので、1部に昇格したからには、落ちないように頑張らなくては。そのために1年を過ごしたい」。

全体のデザインを担当し、楽隊で演奏した三賀政雄さん(60)は、「曲ができ、衣装がそろい、構成がかたまって、徐々に形になってくると、みんながやる気になってくるのがうれしい。本当にローカルなチームで、地元に根づいている。家族で参加している人も多く、幼稚園から60代までメンバーがいる。素人の手作りでここまで来たというチームは、ほかに例がない。アットホームで本当にいいチーム」と話していた。

セレージャは、浅草にいたるまで、桜まつり、柏まつり、新松戸まつりなど、数多くのイベントに参加し、パレードを練り上げてきた。今後は、来月3日の船橋消防祭り、4日の市川祭りで、その華やかな姿を見ることができる。

セレージャでは、来年の1部でのパレードに向け、新メンバーを募集中。練習は森のホール21のリハーサル室や映像スタジオで行っている。問い合わせは、電話 389・0064「13湯麺」松井さんまで(18時〜23時)。

【戸田 照朗】

▲ バックナンバーメニューに戻る ▲


ひまわり燃料を再利用

市 資源循環型社会目指す

 

地球温暖化防止に地域全体で取り組むために策定した「松戸市減CO2大作戦(松戸市地球温暖化対策地域推進計画)」の一環として、市はこのほど、市内の遊休農地を活用したひまわりプロジェクト「減CO2ひまわり作戦」を展開。6月にまいたひまわりの種が、8月中旬には無事開花し、約3500本ものひまわりが咲き乱れた。今月中旬頃には、このひまわりの種を収穫して油を絞り、できた油を料理などで活用した後、耕作機械のBDF燃料などとして再利用する予定となっている。

スペース
スペース

遊休農地につくられた市のひまわり畑

▲遊休農地につくられた市のひまわり畑

ひまわりを育てて、開花した花を見て楽しんだ後、料理油として利用。さらに使い終わった油を回収して、BDF燃料などとして活用する。

こうした資源循環のモデル事業として、同作戦は取り組まれている。資源の循環を実際に体験してもらう、また、この取り組みを幅広くPRすることで、環境にやさしいライフスタイルの大切さを実感してもらう、ことが事業の狙いだ。

4月に農家から遊休農地を無償で借り、5月に草刈り作業、6月に耕運作業などをした後、ボランティア団体や個人ボランティアなど約30人が参加する中、種まきがおこなわれた。収穫祭には、同ボランティアのほか、市立第五中学校栽培部の生徒も参加する予定という。

市環境計画課減CO2担当室では「ひまわり作戦はモデル事業として実施しており、将来的には市民団体などと農家で直接、こうした取り組みをおこなってもらえれば」としている。

なお、「減CO2大作戦」の取り組みとして、市ではこれまでに、「まつど減CO2の日」(7月7日)の制定や「緑のカーテン」事業、学校や地域で市の木でもあるどんぐりを育てる事業などをおこなっているほか、今年度中に電気自動車3台を公用車として導入する予定になっている。

【竹中 景太】

▲ バックナンバーメニューに戻る ▲


アミを手に観察する小学生ら

▲アミを手に観察する小学生ら

スペース

坂川の生き物を観察

中部小児童が「生きものたんけん隊」

 

市の中心部を流れる坂川沿いを歩き、その周辺に生息する生きものを観察する「夏休み松戸生きものたんけん隊」がこのほど、中部小学校の4年生児童と保護者を対象におこなわれた。企画したのは、特定非営利活動法人(NPO法人)アサザ基金(飯島博代表理事)と地元の本町自治会(稲葉八朗会長)。同NPOでは、来年3月まで、同小4年生児童を対象にこうした環境学習を実施し、松戸の地域特性である川と風を活かした生活様式や街づくりを考えていきたいとしている。

スペース

この日の「たんけん隊」に参加したのは、児童と保護者、4年生の担任教諭ら約50人。同小から坂川沿いを3時間ほどをかけて歩き、さまざまな生きものたちを観察した。川辺ではギンヤンマなどのトンボやセミ、川の中ではアユやアオダイショウ、そしてこの日の一番のお目当てだったハグロトンボにも多く出会った。

同NPOによると、ハグロトンボは清流に住むトンボで、川や木陰に涼風(川風)を求めて暮らしている。坂川は都心から約18キロ圏内でハグロトンボが高い密度で生息している唯一の場所と言われている、という。

子どもたちは虫取りアミを手に、トンボやセミをつかまえては間近で観察。「ハグロトンボはいつもこの場所にいるよ」「このトンボは何トンボ」などと、同NPOのスタッフと話しながら、坂川に住む生きものたちとふれ合った。

探険後、飯島代表理事は「もし、松戸に江戸川や坂川がなかったら、もっと暑い。この川風があるおかげで涼しくなっている。涼しい場所できれいな川があるからハグロトンボもいる。どうしたら、もっとハグロトンボが増えるのか考えてください。松戸が涼しくなると、地球も涼しくなるんですよ」などと子どもたちに話していた。

【竹中 景太】

▲ バックナンバーメニューに戻る ▲


アイデア料理を募集

かぼちゃレシピコンテスト

松戸市では、「食育で国際交流!カンボジアかぼちゃを使ったレシピコンテスト」を開催するにあたり、アイデア料理のレシピを募集している。

市では、市民が「食の大切さと郷土のすばらしさを知り、生涯を通じて健やかに生きる」ことができるように、と食育を推進している。また、国際交流事業の一環として、「かぼちゃ」を通じたカンボジアとの国際交流に取り組んでいる。

今回のコンテストは、食育の推進及び国際交流事業の普及の一助とするために行われるもので、広くかぼちゃを使ったアイデア料理を募集している。

募集料理は、かぼちゃを使った家庭でできる料理(1時間程度で調理できるもの)。応募資格は市内在住・在勤・在学者でプロ・アマは問わず、今月15日から10月30日までが募集期間となっている。

審査は、まず応募作品の中から書類選考により10品を選出。二次審査では応募者本人に料理してもらい、かぼちゃの持ち味を生かすアイデア、見た目の美しさや味覚などを総合的に審査し、賞を決定する。優秀作品には記念品が贈呈されるほか、松戸版「食事バランスガイド」に掲載される。

詳細・問い合わせは、電話 366・7489市保健福祉課栄養担当まで。

▲ バックナンバーメニューに戻る ▲