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バックナンバータイトル706号

「すぐやる課」40周年

改めて問われる存在意義

 

 

 

松戸市といえば、この課の名前が最初に出てくるほど全国的にも有名な「すぐやる課」。その、すぐやる課がこのほど40周年を迎え、6日に松戸市民会館大ホールで記念式典が開催された。すぐやる課の産みの親は、ドラッグストア・マツモトキヨシの創業者で、アイデア市長として有名だった故・松本清市長。1969年(昭和44)に発足すると、全国で話題となり、各地の自治体に300を越える類似の課や係ができたという。

【戸田 照朗】

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スペース 防護服を着てスズメ蜂の巣を駆除する、すぐやる課職員(97年撮影)

▲防護服を着てスズメ蜂の巣を駆除する、すぐやる課職員(97年撮影)

増える動物、減る土木

すぐやる課設置の目的は、市民の要望がたらい回しになって、なかなか行政が動かない「縦割り行政」の弊害を打破すること。同課の壁には額に入れられた、「すぐやらなければならないもので、すぐやり得るものはすぐにやります 市長」という松本市長直筆の書が、現在もかけられている。課員は、12人(うち女性1人)。

すぐやる課の昨年度の要望受理件数は3676件。この40年間で多い年は4000件を超え、少ない年は約2500件ほど。ここ11年ほどは、毎年3500件から4000件以上の要望がある。

だが、要望の内訳は大きく変化した。発足当初は、ほとんどが道路補修や側溝補修などの土木関係だったが、現在はスズメ蜂の駆除など、動物関係が増えた。

例えば、74年(昭和49)の受理件数4020件のうち、土木関係が3580件、清掃(道路清掃、放置物処理、動物の死体等処理)が340件、その他が100件で動物関係の項目はまだない。

同じく4000件を超えた2003年(平成15)は、4309件のうち、土木関係が1572件、清掃が612件、動物(スズメ蜂等駆除、その他動物処理)1699件、その他が426件で、動物関係が土木関係を上回った。

特にここ数年は減少傾向の土木関係に対して、動物関係の増加傾向が顕著で、昨年度は土木関係が707件まで減ったが、動物関係は2094件と、初めて2000件の大台を超えた。

同課への要望の中で動物関係が増えてきたのは93年(平成5)ころからだという。

スズメ蜂等の他には、カラス、ハクビシン、タヌキ、カミツキガメなどの処理の要望がある。

同課10代目課長の大竹忠重さん(60)は、「動物の要望が増えたのには、背景にペットブームもあるのではないかと思う。なかには毛虫が出た、ネズミ、ゴキブリが出たと電話してくる方もいますが、さすがに家庭で処理していただいています。アオダイショウも多い時は、1日に3件も要望が来たことも。都会ではU字溝にいることが多い」と話す。

行政で、動物を処理する部署というのはないのだという。県の保健所で扱うのは犬と猫だけだ。

県の条例などで、カラスなどは駆除できないことになっているが、巣やヒナは駆除できるという。ただ、現場に行くと、早く駆除してくれという人がいる一方で、生きているんだからかわいそうだ、という人もいて、板挟みにあうこともあるという。

昨年度、蜂の駆除は1756件あったが、そのうちスズメ蜂(キイロ、コガタ、ヒメ、オオ、クロ)は608件だった。残りは878件のアシナガバチと、90件のミツバチなど。最も危険なオオズズメバチは21件だった。

ミツバチは害虫どころか益虫である。海外でミツバチの病気が流行ったためにセイヨウミツバチの輸入がストップ。国内で、ミツバチが不足し、農作物の受粉ができずに、農家が困っている。輸入に頼らず、数の少ないニホンミツバチを飼育しようとする動きも出ているほどだ。

同課にも、ミツバチを見つけたら知らせてほしいという、果樹農家からの問い合わせがあるという。同課でミツバチを捕獲して特定の農家に渡したり、いる場所を知らせたりということはできないので、希望する農家に代表となる団体をつくってもらい、そこに知らせるようにしたという。

また、40周年記念式典のパネルディスカッションの中で、川井敏久市長は、「素人の職員が防護服をつけて危険なスズメ蜂の駆除をするというのは、職員の安全を考慮したとき、どうなのか、と思う。大竹課長に業務内容の検討を投げかけている」と話していた。

大竹課長は、「とは言っても、蜂の駆除を業者に頼むと最低でも3万円以上かかる。屋根裏まで入って、巣を取り除く作業になると30〜50万円はかかる。今までは市がやっていたのに、その負担を市民にお願いするのは忍びない」という。

市が蜂の駆除を行っているのは、近隣では市川と流山市だけ。ほかは、業者を斡旋(あっせん)するなどしている。

行政へのおきゅう

記念式典では、松戸市民劇団と職員による劇、パネルディスカッション、松戸第一中学吹奏楽部、合唱部による発表、松戸舞踊連合会による「すぐやる課」の踊り初披露などが行われた。

松本市長は「すぐやる課は恒久的なものであってはいけない。これは(縦割り行政に対する)おきゅうのようなものだから、だんだん小さくしていって、おきゅうをすえなくてすむようにしたい」と語っていたという。

40周年に水をさすようだが、すぐやる課が健在だということは、40年たっても市の縦割り行政はそのままということなのだろうか。そう大竹課長に水を向けると、同課長は「今回の式典は、改めて全職員にすぐやる精神を植えつけるという意味もあります。また、すぐやる課には、市民といっしょに汗を流す協働の先兵としての意義もある」と話した。

すぐやる課の基本は、まず現場を見に行くことだという。そして内容によっては、担当課に連絡して任せることもある。

大竹課長は「スズメ蜂の業務がなくなったとしても、すぐやる課の業務はなくならない。夏はとにかく大忙し。冬は土木関係が多くなる」。道路のU字溝などのコンクリートは寒い冬場に破損することが多いのだという。

300以上あった全国の類似の課や係が次々と姿を消す中で、松戸市でも、70年代と90年代に廃止論が起こったことがあるという。

他自治体の課や係は、いずれかの部署の一部として存在していた。だから組織の改変などで消えていくことが多かったという。しかし、松戸市の場合は市長直属で、どの本部にも属していない。課長の上司は市長しかいない。市長の考え一つというところもあり、今まで存続できたのではないか、という。

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準優勝のゴールテープを切る常盤平中の磯野隼佑くん

▲準優勝のゴールテープを切る常盤平中の磯野隼佑くん

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常盤平が準優勝

六中5位、四中7位 東葛地方中学駅伝

 

 

 

 

東葛飾地方中学校駅伝競走大会(千葉県教育庁東葛飾教育事務所ほか主催)が17日におこなわれ、我孫子中が1時間42分48秒で優勝、49秒差の2位に常盤平中が入った。その他、松戸勢では、松戸六中が5位、松戸四中が7位に入賞した。

野田市総合公園陸上競技場から松戸市立中部小前までの10区間、32キロで健脚が競われた同大会。参加66校は、午前10時に同競技場をスタートした。

常盤平中は、1区で4位と好位置に付け、2区では20位と出遅れたが、そこから着実に順位をあげていき、4区で5位、最終10区では3位から2位となりトップの我孫子中に迫ったが、あと一歩、優勝には届かなかった。 スペース

チームを率いた関村亮監督が「予想通りの展開、タイムだったが、もっと我孫子中に競って勝負がしたかった。(この雪辱は)県駅伝で果たしたい」と話すと、主将で7区を走った徳田健吾くん(3年)も「(常盤平中の)これまでの最高順位が4位で、今回2位に入ることができたけど、目標は優勝だったからやっぱり悔しい。県駅伝で優勝して、全国へ行きたい。がんばって練習すれば、達成できると思う」と、県駅伝での雪辱を誓っていた。

また、5位に入賞した六中は、先行逃げ切りの作戦で一時は先頭を走っていたが、後半伸び悩んだ。今年の陸上全国大会で1500メートルと3000メートルで決勝に進出し、この日の駅伝大会でも4区を力走した、主将の岩渕健くん(3年)は「優勝を狙っていたので悔しい。個人的には、できるだけ上位にと走り、我孫子中との差を狭めさせることができた」と話していた。

【竹中 景太】

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両陛下が戸定歴史館をご訪問

「江戸時代の園芸文化史」展をご覧に

 

天皇、皇后両陛下が16日、戸定歴史館をご訪問。同日から始まった千葉大学園芸学部創立100周年記念展示会「江戸時代の園芸文化史」〜岩佐亮二コレクションを中心に〜をご覧になられた。

岩佐亮二氏は、7〜800年の歴史がある盆栽史を生涯にわたり研究した同学部の教授。両陛下はパネルや絵図、古文書、浮世絵に描かれた植物についての育種の歴史などをご覧になった。

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同展をご覧になる天皇、皇后両陛下(松戸市提供)

▲同展をご覧になる天皇、皇后両陛下(松戸市提供)

天皇陛下の行幸は、皇太子時代の昭和18年10月22日の千葉高等園芸学校(同学部の前身)行啓以来2度目。前回はイギリス風景式庭園の場所でサツマイモを収穫されており、その事績にちなんだサツマイモの花の展示も行われている。

両陛下は隣接する園芸学部のイギリス風景式庭園なども、お車の中から視察されたという。

皇后陛下の行啓は、平成15年3月31日の戸定歴史館行啓以来2度目。前回はかな書展をご覧ののち、戸定邸をご覧になられた。

同学部では「園芸学部の歩みと未来」(入場無料)を同時開催している。問い合わせは、電話362・2050同館。

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「犯罪被害者等の一時避難に関する協定書」の調印

▲「犯罪被害者等の一時避難に関する協定書」の調印

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「被害者の一時避難に」

松戸署と旅館組合が協定

 

 

 

 

 

松戸警察署(福田知幸署長)と松戸市旅館組合(高橋実組合長)は15日、「犯罪被害者等の一時避難に関する協定書」の調印をおこなった=写真=。この協定は、犯罪被害者及びその家族らが自宅に居住することが困難な状況になった場合、一時避難場所として同組合に加盟する宿泊施設が速やかに受け入れをおこなうためのもの。警察署と宿泊業者の組合がこうした協定を締結するのは県内初という。スペース

一時避難措置の対象となるのは、犯罪行為により自宅が破壊・汚損するなどして居住が困難な状況にある時や、二次被害が懸念される場合、加害者等から危害を加えられるおそれがある場合など。交通事故により自宅が破壊され居住ができなくなった場合なども含まれる。被害者らに宿泊施設を提供する期間は原則3泊以内で、一人1泊1万円以内が公費で負担される。

今回の協定について、高橋組合長は、今年春頃に経営するホテルで犯罪被害者を受け入れたことや、家族がストーカーや痴漢被害に遭ったことが協定を結ぶきっかけになったといい、「被害にあった人を守ることは大切。心を落ちつかせてもらえるよう、十分な配慮をしたい」とした。また、福田署長は「犯罪被害者やその家族にとって、心を落ちつかせる、安心できる場所は何より必要。今回の協定は、心のこもった支援であり、感謝したい」と話していた。

【竹中 景太】

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ジュニアソフトが開幕

36チームが熱戦展開

 

 

 

 

 

 

 

 

松戸市ジュニアソフトボール連盟(綿内功会長)主催による、市長旗争奪「第68回松戸市ジュニアソフトボール連盟大会」(松戸よみうり新聞社後援)が11日、開幕した。36チーム・総勢約600人の少年球児は、来月23日までのおよそ1か月半にわたり、真紅の市長旗を目指して熱戦を繰り広げる。

大会に先立ち市運動公園野球場でおこなわれた開会式では、まず子どもたちが元気よく入場行進。前大会の覇者・ゆうかりソフトボールのキャプテン、田中雄大くん(6年)が元気に選手宣誓をおこなった。

参加36チームは、東西南北の4つのリーグに分かれてリーグ戦をおこなった後、各リーグ1位及び2位のチームによる決勝トーナメントにより優勝を争う。

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選手宣誓するゆかりソフトボールの田中雄大主将

▲選手宣誓するゆかりソフトボールの田中雄大主将

大会3日目までの試合結果はつぎのとおり。

大会1日目(10月11日)

▼東リーグ

ゆうか1―0こばと

火の見5―4三ヶ月

こばと12―0あじさ

ゆうか6―0火の見

大 畑3―2金ヶ作

▼西リーグ

松 五10―0さつき

やなぎ3―2南 部

▼南リーグ

元 町10―0秋 山

古ヶ二13―0稔 台

相模台12―2三村新

古ヶ二8―2元 町

▼北リーグ

古ヶS21―0千駄堀

古ヶS4―1たんぽ

北松戸9―3千駄堀

大会2日目(10月12日)

▼東リーグ

大 畑10―3三ヶ月

火の見3―0中金杉

こばと5―1杉の子

ゆうか7―1中金杉

火の見18―0杉の子

金ヶ作10―0あじさ

▼西リーグ

横須賀4―1松 五

横須賀4―1さつき

松 五4―0サン壱

さつき3―0サン壱

▼南リーグ

しろあ2―1元 町

三村新4―1秋 山

古ヶ二11―0しろあ

元 町3―2稔 台

相模台11―0秋 山

▼北リーグ

古ヶS1―0馬橋中

たんぽ2―0北松戸

ウイン9―0古ヶS

馬橋中5―1北松戸

大会3日目(10月18日)

▼東リーグ

ゆうか9―0あじさ

大 畑4―0火の見

ゆうか18―0三ヶ月

大 畑20―0あじさ

▼西リーグ

虹の街4―0やなぎ

虹の街13―3陣ヶ前

ひまわ4―2やなぎ

松 五5―1ひまわ

▼南リーグ

松五緑23−1稔 台

常盤東5−1横須賀

三ヶ月6−0元 町

常盤東8−0わかば

松五緑13−0横須賀

元 町11−1稔 台

三ヶ月8−0わかば

▼北リーグ

北松戸9―2わかば

古ヶS12―2常盤平

古ヶS15―0わかば

常盤平3―3北松戸

 

【戸田 照朗】

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トイレ&川の駅サミット…楽しい川づくりは「川の駅&トイレから」

▲トイレ&川の駅サミット…楽しい川づくりは「川の駅&トイレから」

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川を交流の場に

川の駅・トイレフォーラム

 

「川の駅・トイレ/ジョイントフォーラム2009 トイレがまちにやってきた―まちトイレ・川トイレ・防災トイレ―《第25回全国トイレシンポジウム》」が17日と18日の2日間、松戸商工会議所と江戸川川の駅(樋野口)を会場に行われた。

川を危険な空間としてとらえるのではなく、親水や教育、健康増進の場としてとらえ、自然と都市エリアの中のコミュニティ空間として位置づけ、交流促進の場にしていこうと、江戸川両岸の多くの自治体で「川の駅」をつくる動きが始まっている。

全国トイレ協会も「快適なトイレは人々の笑顔をつくる」という思いから、トイレをひとつの交流の場としてとらえている。スペース

17日は、トイレや水辺、防災や教育といった様々な観点から、トイレ、水、川などについてのこれまでの研究や事例、新しいトレンド、これからのありかたなどの情報を共有するために、講演やシンポジウム、パネル展示などが行われた。

18日は、商工会議所で10時から、トイレ&川の駅サミット…楽しい川づくりは「川の駅&トイレから」と題して、江戸川流域自治体の松戸市、杉戸町、取手市、浦安市の市長、副市長ら、ゲストとして文部科学省の板東久美子氏、宮内庁の羽毛田信吾氏が参加してのパネルディスカッションが行われた。

取手市の油原達夫まちづくり振興部長は、「昔は人は川で交流したが、今は川が交流の妨げに。川を人と人との交流、町と町との交流の場にできたら」と話し、大正3年から90年以上利根川で続く「小堀の渡し」や、利根川のサイクリングロードを紹介。松戸市の平川清副市長は「松戸と江戸川は東京と日比谷公園のような関係。もっと利用があってもいい。川は防災の面でも大切だが、周辺自治体とは日頃から交流とおつきあいがあることが大切。きょうのような機会をきっかけにしたい」。浦安市の松崎秀樹市長は、「防災の面では海と川が重要。今の浦安市は直接海と川に出られないようになっており、それが課題」などと話した。

午後は、江戸川河川敷(樋野口のトイレ付近)に移動して、Eボート体験や、樋野口のトイレから戸定邸、松戸神社などをめぐる松戸市内観光も行われた。

【戸田 照朗】

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バンド演奏、Eボート体験乗船など

江戸川カッパ市

来月3日、ふれあい松戸川広場

交流市「江戸川カッパ市2009」が来月3日、市内樋野口の江戸川河川敷「ふれあい松戸川広場」で11時から15時まで開催される。

江戸川沿岸には14市町村があるが、ここに「川の駅構想」が生まれている。
川や川沿いにある施設を休憩、観光、健康、教育などのために利用し、災害時には緊急の連絡や対策機能を持つ施設として利用する。さらに、流域の人々の連携が深まればよりよい地域づくりができるという。
この人の交流・連携の仕組みづくりとして試みられるのが「江戸川カッパ市」だ。

来月1日には浦安地区で行われ、3日に松戸、8日に流山地区(予定)、14日に春日部地区(龍Q館)で開催される。
松戸では江戸川流域ヒトモノコト展(流域の特産品が大集合)、フリーマーケット、大竹バンド演奏、Eボート乗船体験会(江戸川の水面探険)、カヌー体験、自転車実験(スタンプラリー)、芋煮会、駅連携コーナー(健康の駅の栄養相談コーナー)などが開催される。

カッパ市のカッパは伝説の動物「河童」の意味もあるが、kにはじまる8つのテーマ、「環境」「健康」「教育」「観光」「交流」「危機管理」「経済活性化」「結婚」のk8(かっぱ)の意味もあるという。
問い合わせは、江戸川「交流市」推進協議会事務局(NPO地域交流センター内)電話03・3553・7344担当・中村さんまで。

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