松戸市の地域情報を中心に、グルメ、イベント、おすすめスポットなど有益情報をお届けする、地域コミュニティ新聞「松戸よみうり」のバックナンバー第718号です。

松戸よみうりロゴの画像

懐かしい紙芝居を松戸で

ヤッサン一座が森のホール21で口演

子どもたちに紙芝居を見せるヤッサンこと安野侑志さんの写真 子どもたちに紙芝居を見せるヤッサンこと安野侑志さん

史上初『劇場型紙芝居』口演「みんなで笑おう…大紙芝居2000人 ハハハ…」が来月2日、森のホール21・大ホールで開催される。主催は一般社団法人「国際紙芝居協会」で、同協会理事長の安野侑志氏(66)が座長をつとめる、ヤッサン一座が口演する。午前11時から午後0時30分まで、午後2時30分から4時までの2回口演。入場無料。当日の模様は、インターネットの動画配信サイト「ニコニコ動画」で生中継される。

【竹中 景太】

 

 

25、29日には市内巡演も

「チョーン、チョーン。紙芝居が始まるよ〜」。拍子木の音の方へ向かうと、自転車の後部座席に四角い枠、その下には駄菓子屋にある「ようかいけむり」やアニメキャラクターのシールなどがぶら下がり、水アメやカタヌキも用意されている。これが昔懐かしい紙芝居、のようだ。というのも、紙芝居の全盛は記者が生まれる前。その紙芝居が今、再注目され、国内だけでなく海外でも口演が催され、好評を博している。

その仕掛け人こそが、今回松戸で口演を行うヤッサンこと安野侑志氏だ。

ヤッサンは1972年に、当時大阪にだけ残っていた紙芝居業者免許を取得。その後、プロ紙芝居師として全国で巡演。2005年に韓国ソウルで初の海外口演、08年にはイギリス、アイルランド、翌09年にはアメリカ・スミソニアン博物館で口演を成功させた。京都国際マンガミュージアムや清水寺で精力的に口演活動を続けている。

「第3期紙芝居の黄金時代を作りたい」│。今回の松戸での口演に、ヤッサンはこんな想いを持っている。ヤッサンによると、第1期黄金時代は戦前、第2期が戦後で、カラーテレビの普及によりその後紙芝居は衰退していったという。松戸口演で新たに挑戦する『劇場型紙芝居』、これを成功させて、新たな紙芝居の分野を作り出し、第3期黄金時代を作りたいと話す。

「これまでに500人くらいのキャパでは何回か行っているが、2000人規模でできる口演は初めて。紙芝居をお芝居のように劇場で公演する。今後、そういった分野を作り出し、興行・事業にしたい。松戸口演をそのきっかけにしたい」とヤッサン。
松戸口演では、ヤッサンによる紙芝居「夢泥棒」のほか、朗唱劇「笑う黄金バット2000人」、ヤッサンの弟子、ははうえによる「おかあさんの紙芝居」等を予定。ステージ上で繰り広げる、魅せ語り紙芝居師と子どもたちのカミコミ(紙芝居コミュニケーション)を楽しみながら、大型スクリーンで紙芝居と子どもたちの表情などが観られるという。

ヤッサンは「目の前で大人が本気で、ツバを飛ばして、子どもたちの顔を見ながら紙芝居をする。紙芝居は『ツバの飛ぶテレビ』。つまらなさそうだったら、声を張ったり、途中にクイズをはさんだりする。そうすることで、デジタルしか知らない子どもたちがアナログに夢中になるんです」と話す。

なお、ヤッサン一座では来月2日の口演に先立ち、市内で巡演を行っている。きょう25日、午前11時からミニストップ松戸大橋店、午後2時からYC北松戸店(千駄堀)、29日午後2時からYC稔台店(松戸新田)でそれぞれ開催(口演時間は約1時間。雨天、荒天の場合は中止あり)。

問い合わせは、電話 047・331・6347ヤッサン一座の紙芝居東京事務所(松戸市本町)まで。ヤッサン一座の紙芝居HP=http://www.kamicomi.com/index.html

▲ バックナンバーメニューに戻る ▲


「関さんの森」を「特別緑地保全地区」に

市と関さんが用地取得等の契約を締結

伐採されることになった道路用地の梅林の写真伐採されることになった道路用地の梅林

松戸都市計画道路3・3・7号横須賀紙敷線(幸谷区間)に替わる「関さんの森」の新設市道の建設について、先月30日に市と地権者の関美智子さん(74)、啓子さん(61)姉妹は、用地取得等の契約を締結した。

新設市道の事業面積は2906・87平方メートル。このうち関さん姉妹が所有するのは2718・81平方メートル。2116・30平方メートルを市が買い取り、885・52平方メートルを関さん姉妹が市に寄付した。

この日、「新設市道用地の引渡し及び緑地保全に関する合意書」とともに交わされた「覚書」には以下の内容が記された。

平成24年度末を目標に関さん姉妹の所有地のうち可能なかぎりの樹林地を7埼玉県生態系保護協会所有の樹林地(姉妹が平成7年に寄付した里山部分)と一体として、都市緑地法の「特別緑地保全地区」に指定する。

都市部の緑を保全するために、早くから実効性のある唯一の方法だとされてきたのが、「特別緑地保全地区」の指定だ。

この「特別緑地保全地区」には、昨年、市内で初めて栗山の約2ヘクタールの斜面林が指定された。

「特別緑地保全地区」に指定されると、所有権以外の権利の設定や工作物の設置、土地の形質の変更、木竹の伐採など緑地の保全に影響を及ぼす恐れのある行為が禁止されるなど、所有者に強い制限が課せられるが、一方で、相続税が8割評価減され、さらに市と20年以上の管理協定を結ぶと、2割の評価減となり、トータルで84%の評価減となる。

また、所有者が樹林地を維持できなくなった場合は、市に買い取りの義務が生まれる。

市では、矢切地区の斜面林の「特別緑地保全地区」指定も目指しているが、「関さんの森」の方が早く指定され、市内で2番目の「特別緑地保全地区」となる可能性も出てきた。

関さん宅の庭や江戸時代からの蔵などがある部分については都市緑地法の「市民緑地」として、新設市道の供用開始後、市と関さん姉妹が契約をかわす。

「市民緑地」とは、都市内に緑とオープンスペースを確保し、良好な生活環境の形成を図るために、土地所有者と自治体などが契約を締結して、一定期間住民の利用に供するために、設置・管理する緑地のこと。

都市計画道路3・3・7号線の計画線は、関さん宅の庭を突っ切るように残っているが、新設市道の供用開始後には、その機能が将来にわたって果たせるかどうかを見極めながら、平成26年度末を目標に都市計画の変更をする。

また、「特別緑地保全地区」「市民緑地」「都市計画変更」などの課題と、新設市道の建設について検討するために、関さん姉妹と関係者、市職員で構成する協議会を設置する。

新設市道の建設に向けて、「関さんの森」では、道路用地上にある樹齢225年以上のケンポナシや、ケヤキ1本、エノキ2本の大木を移植するために、根回しの作業が、今冬行われた。

用地上にたくさんある梅の木も、当初は街路樹として活用する、移植先のない木も、もらい手を探すなどの案が出て、できるだけ多くを移植する予定だったが、事前の調査で用地の全域に遺跡があることが分かったため、本格調査のためにそのほとんどが伐採されることになった。

本格調査は資料を作るためで、調査後は遺跡も壊され、その後道路ができる。

梅林は「むつみ梅林」と呼ばれてきた。自然保護活動に熱心で、亡くなった次女の睦美さんにちなんだもの。道路建設で失うものも大きいが、「特別緑地保全地区」の指定へ向けての動きなど、将来をある程度担保できた形だ。関さん姉妹は自分たちが亡くなった後も、この貴重な緑が今と変わらない姿で残ることを望んでいる。

美智子さんは、「これで、森を残すことに苦心してきた、父(武夫さん)の遺志に少しは報いることができるかもしれない」と話していた。

【戸田 照朗】

▲ バックナンバーメニューに戻る ▲


市立病院移転建て替え問題で市議会

住民投票条例を否決

上本郷にある松戸市立病院の移転・建て替え問題で、市議会臨時会が12日開かれ、「新病院整備基本計画の賛否を問う住民投票を実現する会」が求めていた新病院整備基本計画の賛否を問う住民投票条例の制定についての審議が行われ、賛成少数で否決された。この結果について、3万人近い有効署名を集めて松戸市初となる住民投票の実現を求めてきた同会は「多くの住民の意思を無視する不当行為」と批判。今後は6月の市長選に向け「我々の主張に一番近い候補者を応援することになると思う」としている。

臨時会では採決に先立ち、9日に本会議場で同会の代表者3人による意見陳述が行われその後、総務財務常任委員会で審議された。

意見陳述では、新病院の建設総額が約250億円にものぼり、そのほとんどが借金となり、市民の負担が大きいことや、現病院が市の中心部にあるのに対し、移転先の東松戸は南部にあることから、救急医療への影響などを指摘。その上で、「将来に禍根を残す結果にならないために、議員の勇気ある決断で住民投票の実施を。市の将来を左右する大きな問題であり、このことにより市民の市政に対する意識が大きく、大きく変わる。どうかみなさん、市民の意見を聞いてください」などと住民投票条例の制定を求めた。

総務財務常任委員会では、委員から代表者(参考人)3人への質疑、また執行部(市)への質疑が行われた。このなかで委員が問題視したのは、署名が適切に行われたかという点と、住民投票条例制定を求めた意図、現地建て替えの可能性についてなど。

現地建て替えについてでは、同会代表者が「世の中の情勢を考えれば、使えるものは使ったほうがいい。耐震補強したり、内装を改装したり、現在の建物で使える部分は半分以上ある。駐車場等を利用し、病院を休業しなくとも建て替えできると思う」と答えたのに対し、執行部は「物理的には可能だが、工事期間に患者へ与える影響などを考えると、きわめて現実的なこととはいえない」とした。

このあと討論にうつり、採決が行われたが、6月に市長選があり住民投票を行う意義があまり感じられないとする意見や、長年市と市議会で議論を重ねてきた経緯などから反対が多数を占め、否決された。

また、この日の委員会のなかで、市立東松戸病院を現市立病院の移転後の跡地に移転させる方針を市長が示したとする一部報道について、川井敏久市長にその真意が問われる場面があった。これに川井市長は「経営会議の中で、梨香苑(東松戸病院に併設する介護保健施設)も含めて移転・開院したい(旨を伝え)、その方向性を定めたいので議論してもらいたい。そして、(経営会議で)一致した経緯である」と答え、東松戸病院を上本郷に移転し存続させる方針であることを明らかにした。東松戸病院については、新市立病院に統合して閉鎖する方針をこれまで示していた。

【竹中 景太】

▲ バックナンバーメニューに戻る ▲


直子さんおかえり

山崎さんのご両親が市長訪問

父・角野明人さん、川井市長、母・喜美江さんの写真▲左から父・角野明人さん、川井市長、母・喜美江さん

スペースシャトル・ディスカバリー号で20日に地球に帰還した山崎直子さん(39)のご両親・角野明人さん(73)、喜美江さん(67)夫妻が21日、川井敏久市長を表敬訪問し、記者会見に臨んだ。

市長は、山崎さんに「松戸名誉市民」の称号を贈るほか、帰還した4月20日を「記念日」として制定、市民会館のプラネタリウムに山崎さんにちなんだ名称をつける、記念行事の開催などの意向を明らかにした。

明人さんは「ありがたい気持ちでいっぱい。もったいないこと。直子も喜ぶでしょう」。「一念通天という言葉がありますが、直子の座右の銘でした。強い意思と信念、そして努力、これは天に通じて必ず報われる。宇宙に行きたいというのが子どものころからの夢で、目標を決めてからの娘は非常に頑固という面がありました。その一念が認められ、重要な任務を任されたのでは。誇りに思う」と話した。

喜美江さんは「いつフライトになるか分からない状態で11年間も厳しい訓練に耐え、本人も先の見えないマラソンみたいだと話していた。忍耐も努力もあったと思う」と話していた。

また、出発前に直子さん自身が松戸神社で飛行の安全を祈願したという。

【戸田 照朗】

▲ バックナンバーメニューに戻る ▲


自主夜中公開授業・憲法記念日の集い

講師にノーベル賞の益川氏

来月2日勤労会館、翌3日市民会館で講演

ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英氏の写真ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英氏

松戸市に夜間中学校をつくる市民の会では、来月2日午後6時より、松戸自主夜間中学校開講2300回記念公開授業を松戸市勤労会館で行う。また、翌3日には、2010年松戸憲法記念日の集い「ひろげよう!憲法9条 不戦の誓い│核廃絶、恒久平和への歩みを松戸から」(同実行委員会主催、松戸よみうり新聞社ほか後援)が、松戸市民会館ホールで午後2時より開催される。

講師は、いずれもノーベル物理学賞受賞者の益川敏英氏がつとめる。

益川氏は1940年愛知県名古屋市中川区生まれ。名古屋大学理学部卒業。同大学院理学研究科修了、理学博士。京都大学理学部教授、基礎物理学研究所所長などを歴任。現在、京都大学名誉教授、京都産業大益川塾塾頭・終身教授などをつとめる。1973年、小林誠氏とともにCP対称性の破れとクォークが6つあることを予言した論文(小林・益川理論)を発表。2008年、同理論による物理学への貢献でノーベル物理学賞受賞。文化勲章受章。著書に「教育を子どもたちのために」(岩波書店)など多数。

自主夜中公開授業は参加費無料(定員150人)、松戸憲法記念日の集いは参加費500円(資料代含む、18歳以下無料。定員先着1200人)。なお、松戸憲法記念日の集いでは、ユニオン・ニューフィル千葉の演奏も行われる。

問い合わせは、自主夜中公開授業(ホームページアドレス=http://www.mtdyachu.hp.infoseek.co.jp/)が電話 090・3103・1006事務局・榎本さん、松戸憲法記念日の集い(同=http://www.matsudokenpo.com/)は電話 344・9454実行委員会・今井さんまで。

▲ バックナンバーメニューに戻る ▲