紙芝居の常設劇場
松戸に新たな文化の拠点
紙芝居の常設劇場が松戸駅西口のル・シーナビル6階(場所は6面広告参照)にオープン。先月31日に「初口演」が行われた。劇場は、ヤッサン一座の紙芝居・東京事務所に併設。大阪で38年間、プロの紙芝居師として活躍してきたヤッサンこと安野侑志さん(67)率いるヤッサン一座の「江戸組」12人が交代で出演。なつかしさだけではなく、現代にも通じるコミュニケーションの道具として、紙芝居の「再発見」を目指す。
【戸田 照朗】
「ヤッサン式」紙芝居は、紙芝居師と子どもたちとの絶妙のかけあいに、だいご味がある。初日を担当した紙芝居師ちっち(41)も、時にクイズを出し、時に大きなジェスチャーを交えながら、子どもたちの心をつかんでいく。
演目は、代名詞的存在の紙芝居「黄金バット」から始まり、創作紙芝居「いのちのいのち ニールとバーナ」へ。海に住む小さな魚ニールとバーナの物語で、命の連鎖や食育を教える内容。しかし、説教臭くならず、子どもたちとのかけあいの中で、楽しく学べる内容になっている。あえて「これが正解」というものを示すのではなく、子どもたちに考えてもらう。違和感を感じたとしても、それはそれでいいのだ、という。
午後2時から行われる「パッキラ紙芝居」は、参加者に4コマの紙芝居を作ってもらい、みなで発表しあう。内容は自由。ハガキ大の用紙4枚に絵を描いて、創作の物語や、最近の出来事、感じたことなどを紙芝居にする。パッキラ紙芝居用の小さな枠に入れて、自分の紙芝居をほかの参加者の前で発表する。
「パッとこころが見えてキラッと輝く」ことから、この名前がつけられたというが、どんなお話にも輝く部分があり、作った人の人柄や個性がかいま見えて面白い。親子で参加した場合は、対話のきっかけにもなるという。
人間性が出る怖い装置
「紙芝居は、やっている人の人間性が出る怖い装置」とちっちさんは話す。
夫と9歳の娘と墨田区の下町で暮らす普通の主婦だったが、昨年、ヤッサン一座のオーディションを受けてプロの紙芝居師としてデビューした。
10年前に父親が肺ガンにかかり、ガン患者の会の事務局でボランティアをしていた。幸い67歳になる父親はガンを乗り越え今も健在。ひと段落したこともあって、新たな生きかたを探していた時に、オーディションがあることを新聞で知った。「最初に口演を見た時に、理屈抜きにすごく楽しかった」。
合格した後は、清水寺口演や京都駅前14時間リレー紙芝居に参加し、技術を磨いた。
デビューは松戸市内の小学校のPTAに呼ばれての口演。都内の小学校に招かれて口演もした。「今後も学校や病院で口演を続けていきたい。頑張っている人に、元気の種をまきに行けたら。まだまだ駆け出しですが、いのちの紙芝居を目指します。大切なものを、笑いとともに伝えていきたい」。
紙芝居は1口演300円(水あめ・カタヌキ付)、ワークショップ(パッキラ紙芝居)は1回500円(同伴の保護者は200円)。
My紙芝居舞台枠作りは材料費として別途1260円必要。問い合わせは、電話 331・6347。
http://yassan-ichiza.tk
第1回まつど安全・安心シルバーネットワーク会議が先月30日、西部防災センター会議室が行われ、会長に松戸警察署の熱田貢一署長、副会長に松戸東警察署の横田俊夫署長がそれぞれ選任された。
まつど安全・安心シルバーネットワークは、年々高齢化が加速するなか、高齢者を巡る犯罪情勢や交通事故情勢等が悪化している状況に鑑み、松戸市を挙げて高齢者の犯罪や交通事故、災害等に対する抵抗力を強化するための総合的な対策を講じるべく、構築されたもの。
これまで独自に活動してきた、高齢者が関係する機関・団体をネットワークとして一つに統合し、情報を早期に共有するとともに、高齢者の安全安心に向けた各種対策を共同して推進していくことが狙いだ。
具体的には、高齢者の安全・安心の確保に向けた対策として、高齢者を犯罪から守る「防犯対策」、高齢者が交通事故に遭わないための「交通事故防止対策」、高齢者を災害から守る「防災対策」の3つの対策に取り組んでいくことにしている。
新聞配達で異常を察知。通報相次ぐ
同ネットワークに参加し、市内で読売新聞を販売している(株)椎名では、今年に入り、単身高齢者宅に異常が見られ、警察に通報するケースが相次いで発生している。
同社と松戸警察署では昨年、単身高齢者の安否確認のために連携する覚書を取り交わし、単身高齢者宅の新聞がたまるなどの異常が見られた場合、新聞配達員が警察に通報することになっている。
このうち新松戸にある新聞販売店では、今年6月初旬の朝刊配達の際、新聞が2日間分ほどたまり、電気・テレビがつけっぱなしだったため通報。単身の高齢者宅で、足が不自由だったという。警官が中に入ると、ふとんの上で動けない状態で、その後救急車を呼び、一命をとりとめた。現在も入院しているという。
同店ではそれ以前、新聞がたまるなどの異常が見られ、警察に通報し、1人暮らしの高齢者が亡くなっていたこともあった。その際も、新聞が2〜3日分ほどたまり、室内からはテレビの音が聞こえていた。通報した配達員は「(もっと早く気付いていれば)ひょっとしたら自分が助けられたのでは」と話していたといい、その後、何かあったらすぐに警察へ通報、ということに店をあげて取り組んでいたという。
同店によると、配達地域における単身高齢者の割合は年々増えており、今後こうしたケースが増えていくのではと懸念している。こうした、いわゆる「孤独死」問題への取り組みも、同ネットワークの対策に挙げられる。
【竹中 景太】
本郷谷健次市長は、先月19日に「松戸市に夜間中学校をつくる市民の会」の懇談会に、25日に「松戸市学童保育連絡協議会」の対話集会に出席した。それぞれ公立夜間中学の開設、学童保育(放課後児童クラブ)の6年生までの延長などを求めているが、本郷谷市長は以前から前向きな姿勢を示していた。
どちらの会も、現職の市長が参加するのは初めてのことだという。
第14回松戸市俳句大会入賞作品
第14回松戸市俳句大会(市俳句連盟主催、市教委共催、松戸よみうり新聞社後援)が先月19日、市民劇場で開催された。1口2句、のべ768句の応募。選者による得点形式で松戸市長賞など5賞が決まった。入賞句と、池田澄子、太田土男、冨田正吉の招待選者3氏が特選に選んだ句を紹介する。
警察「ふれあい」フェスタ2010
8月21・22日、そごう千葉店
千葉県警察では、今年も「警察『ふれあい』フェスタ」を、そごう千葉店(6階催事場ほか)で開催する。8月21日・22日の2日間、午前10時から午後8時(22日は午後6時)までの開催。入場無料。
このイベントは、日夜「安全で安心できる県民生活の確保」のために活動している警察の仕事を、子どもたちが警察職員とふれあいながら楽しく体験できるイベントとして毎年開催されているもの。
今年のフェスタでは、子ども警察官制服の試着、白バイ・パトカーの体験乗車=写真=、指紋の採取、警察犬訓練などを体験して警察の仕事を楽しみながら理解できるほか、誘拐防止や交通安全をテーマにしたアトラクションで「自分で身を守る」ことの大切さなども学ぶことができる内容となっている。
問い合わせは、電話 043・201・0110県警本部広報県民課広報係まで。
県警ホームページ「ポリス・ネット千葉」=http://www.police.pref.chiba.jp/