東葛の寺社めぐり(3)
鎌ヶ谷市の神社・仏閣を訪ねる旅
鎌ヶ谷市は松戸市の西側と隣接し、柏、白井、船橋、市川の各市にぐるりと囲まれている。面積は21・11平方km、人口約11万人と、東葛地域では最も小さな市である。寺社の数も20か所ほどで、自転車を使えば2日ほどで歩くことができた。市の真ん中あたりに市役所があり、主要道路が十字型に走っている。周辺には海上自衛隊下総航空基地のある佐津間や、ゴルフ場のある中沢など、畑が広がるのどかな地域もある。
【戸田 照朗】
鎌ヶ谷大仏周辺
鎌ヶ谷といえば、新京成線の駅名にもなっている「鎌ヶ谷大仏」の名を思い浮かべる方も多いだろう。
名前は知っていたが、今回初めて訪ねた。大仏は駅のすぐ近く。墓地の中に鎮座していた。
大仏は安永5年(1776)、鎌ヶ谷宿の大国屋(福田)文右衛門が、祖先の供養のために、江戸神田の鋳物師に鋳造させたもので、高さ1・8mある。目の前には木下(きおろし)街道(県道59号線)を車がひっきりなしに走っている。この街道は江戸時代に鮮魚を江戸まで運んだ鮮魚(なま)街道の木下〜本行徳ルートで、現在も交通量が多い。大国屋も鎌ヶ谷宿の大店だったのか、豪勢な大仏開眼供養の様子が今に伝えられているという。
大仏の近く、踏切を渡って、3つ目の角を右に入って少し行くと、右手に駒形大明神と清田家の墓地が並んで建っている。
清田家は武田の家臣だったが、この地に来て小金中野・下野牧の牧士となった。以来、13代も続いたという。清田家の3代勝定が4代将軍家綱から命じられて「人喰い馬」と呼ばれる荒馬を乗りこなしたが、帰路暴れて命の危険を感じたのでやむなく殺した。駒形大明神は、この馬を哀れんで祠を建てたものだという。東葛地域には古来から官営の牧が置かれ、野馬が放牧されていた。牧に関する史跡もあるが、後述する。
道を挟んで大仏のはす向かいには、八幡神社がある。ここには百庚申や、昔は大仏十字路にあり、道しるべともなっていた寛政7年(1795)の庚申道標などもある。
木下街道を市川方面に向かい、新田郵便局を過ぎると、左手に清長庵がある。
ここには青面金剛などの石造物があるが、そのなかに「道標地蔵」がある。正徳5年(1715)のもので、鎌ヶ谷市内では最古だという。
のどかな中沢の森
木下街道と県道8号線との交差点を右に、鎌ヶ谷駅方面に向かい、「鎌ヶ谷二中入口」という交差点を左に一般道に入る。
この道沿いには、妙蓮寺、根頭神社、八幡春日神社がある。交通量がぐっと減り、住宅や畑が点在する。
妙蓮寺は日蓮の母「梅菊」の生誕地として有名で、道に面した門には両側に日蓮の父母の像があり、往来を見守っている。
根頭神社は、「市民の森」という森林の中にある。神社の本殿は、もと旧千葉県立師範学校の御真影奉安殿で、一時は県護国神社の本殿だったものを移築したものだという。森はスギ、ヒノキ、アカガシ、コブシなどの本殿林と、それを囲むスギ、ヒノキの人工林で構成されている。
八幡春日神社も森を形成している。この森は、もとスギとクロマツの人工林から始まり、約200〜300年を経過しているという。
2つの森とも地元の人によって大切に守られてきた森で、市の文化財(天然記念物)にも指定されている。
根頭神社の入口には、コンクリートの壁に食い込むように道祖神が祀られていた。真新しいおにぎり2つと、お酒が備えられており、地元の方の想いが偲ばれる。手を合わせると、お酒の甘い香りが漂ってきた。
この一般道を進むとやがてT字路に突き当たる。
右に行くと、北海道日本ハム・ファイターズの2軍球場がある(2軍とはいえ、なかなか立派な球場である)。その隣には、萬福寺という日蓮宗の寺がある。
左に行くと、「新橋」という交差点の近くに弁天様がある。
入口には、朽ちて壊れそうな鳥居が。奥には、小さなお宮が見えている。
弁天様には水がつきもの。たいていの場合は池の中に浮かんでいたり、境内に池があったりする。この弁天様には池はないが、小さな溝を澄んだ水が流れている。
境内は湿地のようで、苔むしている。水分が多い土地のためか、お宮の周りは血管のように樹木の根がはい、地面に浮き出ている。小さな境内だが、鳥居の向こうは緑の異界、異空間が広がっているように感じる。
弁天様の先、「谷地川」という交差点の近くには、正八幡神社がある。
前回の旧野田市編では、いたるところに富士塚があって驚いたが、鎌ヶ谷市には八幡神社が多いようである。そんなに違いはないようでも、やはり地域の特徴というものはあるものだ。
佐津間の寺社
松戸市六実の先、県道8号線と281号線が交差する「佐津間」の交差点近くには、大宮大神がある。281号線も鮮魚街道と言われた道で、こちらは布佐〜松戸ルートの一部である。
大宮大神の入口、鳥居の周囲には青面金剛などがあり、趣がある。この神社の脇の小山は、佐津間城跡という史跡だ。戦国時代、この地を領有していた相馬氏の関係者が築城した城とされる。民家の間の細い道を行くと、山の麓に市の建てた説明板がある。山を上る階段があり、期待させるが、山の上は住宅地があるだけだ。
さつま幼稚園の先のY字路を左に行くと、道沿い右側、山の斜面に樹木に埋もれるように、朽ちかけた木造の鳥居がある。山の中の階段を登ると、日枝神社の小さな祠がある。
前述の弁天様を水の神とするなら、こちらは山の神か。同じように異空間を感じる。
「佐津間」の交差点から8号線を鎌ヶ谷中心部方面に少し行くと、左側に宝泉院という真言宗のお寺がある。美しくよく手入れされた庭、門やお堂などが美しく、おすすめだ。境内には幕末の勤王の志士、渋谷総司を顕彰する碑がある。
この地域には、海上自衛隊下総航空基地がある。発着訓練なのだろうか、双発のプロペラ機が何度も離陸と着陸を繰り返し、周囲に重低音のエンジン音を響かせていた。住宅地からは、その機影がかなり大きく見える。私のように、たまにこの地を訪れる者には珍しくていいのだが、毎日だと、この辺に住む方は大変だろうな、と思った。
他に市内の神社としては、参道に新京成線の踏切がある右京塚神社や伝説の残る囃子清水七面堂などがある。
鎌ヶ谷あれこれ
寺社以外にも、鎌ヶ谷市内にはいくつかの史跡があるので、簡単に紹介する。
小金中野牧の込跡
野馬を追い込み、捕らえて乗馬用や農耕用などにより分けた場所。木立の中に囲むように高い土手が残っている。国道464号線沿い、東中沢にある。
初富小学校校庭西側所在野馬土手
野馬は畑などに入って作物を食い荒らすこともあったので、野馬が入られないように、村と牧の境に造った土手。
小金中野牧の込跡と初富小学校校庭西側所在野馬土手は、幕府の軍事力を支えた軍馬生産の様相を知る上で貴重であることから、昨年2月に国史跡に指定された。
魚文の句碑
松尾芭蕉の流れをくむ俳人・三級亭魚文が旅の途中で鎌ヶ谷宿で詠んだと思われる「ひとつ家へ 人を吹き込む 枯野かな」という句が刻まれた碑。明和元年(1764)に建てられたもので木下街道の道標をかねている。大仏のある県道57号線と木下街道の交差点から少し白井方面に行ったところのY字路の真ん中にあるが、交通量が多く、ゆっくり風情を感じるような余裕はなかった。
鉄道連隊建設の橋脚
現在の新京成線は、明治40年(1907)に津田沼に置かれた陸軍鉄道第2連隊が訓練用に津田沼〜松戸間に敷設したものが、戦後、民間鉄道となったもの。訓練用だったので、カーブの多い路線となっている。新京成の路線には、この橋脚の部分は採用されなかった。今は公園なっている(東道野辺6-8)。
第5回江戸川カッパ市が来月3日、江戸川河川敷で開催される。
今回のカッパ市では、マンガ・アニメ・ゲーム・キャラクターなどのフリマと、コスプレを中心としたマンガ・アニメファンの交流イベント「松戸コミマ」を初開催。それに併せ、車にアニメやゲームのキャラクターのシールやイラストを貼り付けた「痛車」の展示、アニソンコンサートも行われる。
その他、江戸川アースディ「自転車ライド」や、ヤッサン一座の紙芝居、Eボート乗船体験、リバーサイドフリマ、リバーサイドカフェなど盛りだくさんのイベントが予定されている。
コスプレーヤー、フリマ出店者、ボランティアスタッフも現在、募集中。詳しくは、http://www.edogawakurabu.com/
問い合わせは、電話330・3450江戸川カッパ市実行委員会事務局(NPO松戸福祉サービス振興会内)まで。
松戸市ジュニアソフトボール連盟(綿内功会長)主催による、ゆめ半島千葉国体開催記念・市長旗争奪「第70回松戸市ジュニアソフトボール連盟大会」(松戸よみうり新聞社後援)が11日、開幕した。36チーム・総勢約600人の少年球児は、来月21日までのおよそ1か月半にわたり、真紅の市長旗を目指して熱戦を繰り広げる。
大会に先立ち市運動公園野球場でおこなわれた開会式では、まず子どもたちが元気よく入場行進。前大会の覇者・ウイングスのキャプテン、金澤夏樹くん(6年)が元気に選手宣誓をおこなった。
参加36チームは、東西南北の4つのリーグに分かれてリーグ戦をおこなった後、各リーグ1位及び2位のチームによる決勝トーナメントにより優勝を争う。
大会2日目までの試合結果はつぎのとおり。
大会1日目(10月11日) ▼東リーグ 風の子2─2常盤平 大 畑8─1さつき 千駄堀6─3たんぽ 風の子1─0秋 山 大 畑1─0 寿 こばと0─0たんぽ ▼西リーグ 陣ヶ前2─2三ヶ月 ゆうか7─0ひまわ 中金杉7─5稔 台 三ヶ月4─0古ヶ二 中金杉2─0ゆうか ▼南リーグ ウイン20─0イーグ 虹の街1─1しろあ 相模台3─0三村新 しろあ6─1イーグ 相模台10─5城 町 |
▼北リーグ 横須賀2─1古ヶS 元 町8─0二ツ木 金ヶ作4─2横須賀 古ヶS7─2竜房台 馬橋中6─1二ツ木 ライズ7─4竜房台
大会2日目(10月17日) ▼東リーグ 大 畑7─1こばと さつき7─1たんぽ 風の子10─0こばと 常盤平3─0さつき 秋 山5─3たんぽ 常盤平7─0 寿 ▼西リーグ 中金杉10─0和名谷 ゆうか4─0稔 台 やなぎ2─2三ヶ月 ひまわ5─0和名谷 三ヶ月7─3稔 台 稔 台6─3和名谷 |
▼南リーグ 三村新2─2しろあ 虹の街22─0イーグ 三村新2─0南 部 ウイン10─0しろあ わかば11─0イーグ 虹の街16─0城 町 南 部1─0ウイン ▼北リーグ 馬橋中8─1竜房台 ライズ10─0火の見 馬橋中4─0元 町 横須賀3─1竜房台 馬橋中12─5ライズ 火の見3─3横須賀
【戸田 照朗】 |
川口、後藤 両OBが指導
読売さわやか野球教室
読売巨人軍OBが小学生を指導する「さわやか野球教室」(読売新聞東京本社、読売巨人軍、読売新聞千葉北部読売会松戸支部主催)が16日、松戸運動公園内野球場で開かれ、少年球児約150人が特別コーチの川口和久さん、後藤孝志さんから直接指導を受けた。
教室では、参加した子どもたちが投手・野手に分かれて練習。投手を指導した川口さんは、「ピッチャーは自信を持ってマウンドで投げなくては野手に失礼。マウンドに立つ人はチームのリーダーであり、練習でも先頭に立ってください。マウンドで自信を持って投げてバッターに打たれたら、コイツは自分より練習している、と思ってください」と子どもたちに伝えた上で、ストレッチの仕方から、参加者一人ひとりの投球を観察し、ウィークポイントを指摘。より速いボールの投げ方や、ケガをしない投げ方などを伝授していた。
一方、野手を担当した後藤さんは、ベースランニングから盗塁、ボールの正しい握り方などについて説明。盗塁の練習では「盗塁で一番大切なことは勇気と決断力。迷ったらダメ。スタートを切る時も、戻る時も、右足が中心。きょう学んだことは、チームのみんなにも伝えてください。野球は仲間でうまくなるスポーツです」などとアドバイスしていた。
【竹中 景太】