市が放射線量独自測定
ホームページで結果を公開
福島第一原発の事故を受けて、松戸市では、先月23日より大気中放射線量の測定を独自に開始。ホームページで測定結果を随時公表し、市民の不安緩和に努めている。公園や保育所、小学校などの定点12か所で約2週間間隔で測定。全市立小中学校・高校の校庭、プールでも検査を実施。プール開きを前に、公共プールでも検査を行った。結果、全プールで「放射能汚染の可能性無し」との結果が出ている。
【戸田 照明】
市環境保全課の担当者によると、3月は金町浄水場から基準値を超える放射性ヨウ素が検出されたこともあり、水道水への問い合わせが多かった。
4月に入ると大気中の放射線量についての問い合わせが増えた。県では市原市内で、原発事故前から定期的に大気中放射線量を測定している。松戸市内は0・2〜0・3マイクロシーベルトで、市原の10倍も高いという市民からの指摘もあった。放射線量は地面に近いほど高く出る傾向にある。県の調査は地上7メートルで行っているので、普通に立って計測するよりは、低く出る。
それでも、他地域よりも高めであるのは確か。原発から遠く離れていても、放射線量が高い、いわゆる「ホットスポット」に松戸が入っているのではないか、ということが言われ始めていた。そこで、市では3台の携帯簡易測定器を購入。品薄で、発注から1か月もかかったが、先月23日から県下でもいち早く独自の調査を始めた。
調査では、地面から5センチ、50センチ、1メートルの高さで計測。県では50センチ、1メートルの高さを指導している。それぞれ、幼児・小学生と中高生の目口の高さに合わせたもので、市では土いじりをする子どもが多いことから、5センチを調査に加えている。
放射線量の測定で悩ましいのが、基準値をどこに置けば安心か、という問題。
文部科学省は福島県内の校舎・校庭の利用判断における暫定的な目安値を放射線の年間総量20ミリシーベルト、1時間あたり3・8マイクロシーベルト(1日に屋外に8時間、屋内に16時間いたと想定)としていたが、年間20ミリシーベルトは子どもには高すぎるとの批判が出て、上限は20ミリシーベルトのまま、年間1ミリシーベルトという「目標値」を設定した。また、1時間あたり、1マイクロシーベルトを超える校庭については、土を取り除く費用のほぼ全額を国が負担する(1ミリシーベルト=1000マイクロシーベルト)。
21日実施の市内16小中高校を対象にした測定では、0.17〜0.37マイクロシーベルトの結果が出ている。国の「目標値」年間1ミリシーベルトは、1時間あたりになおすと0.19マイクロシーベルトになり、ほとんどの学校で超えているが、校庭の土を取り除く対象となる1マイクロシーベルトは下回る。
市の担当者は、「必要以上に心配する必要は今のところないとは思いますが、何もしなくていいということとは違います。特に影響が出やすいと言われている子どもさんは、帰宅したら手洗い、うがいをしてください。『正しく恐がる』ことが大切だと思います」と話していた。
迷走 市立病院問題
議会に複数案を提出へ
市議会の市立病院建設検討特別委員会が21日開かれ、その中で本郷谷健次市長は今月30日に最低でも4つ以上の新市立病院建設に向けての構想案を議会側に提示することを示唆した。ただ構想案といっても、現地建て替えと移転建て替えの双方を盛り込んだもので、未だ現地か移転かを決められず、議会側にその判断を委ねる形となりそうだ。なお、議会側はかねてより移転建て替えを主張している。
この日の特別委で本郷谷市長はまず、現地建て替えも含め移転候補地が何回も変更したことについて「長きにわたり、迷走ともいえる動きについて、誠に申し訳なく思っている」と謝罪。その上で「複数の構想案を出し、議会と同じスタートラインに立って、(現地建て替えに)固執することなく、一刻も早く、安く新病院の建設にあたりたい」と述べていた。
【竹中 景太】
震災に負けず 夢花火
松戸花火大会8月27日開催決まる
後世に残る作品作りたい
漆芸作家 松本達弥さん
今秋、伊勢丹松戸店で開催が予定されている「日本伝統工芸展松戸在住作家展」(9月28日〜10月4日)。同展出品作家を紹介する「伝統工芸作家の肖像」の5回目は、漆芸作家の松本達弥さん・法子さん夫妻。夫婦ともに日本工芸会正会員で、日本伝統工芸展入選は夫・達弥さんが20回、妻・法子さんは17回を数える。
【竹中 景太】
日本工芸会正会員であり、東京芸術大学非常勤講師、漆芸文化財修復にも従事している松本達弥氏。香川県出身、49歳。漆芸が盛んな香川県で生まれたこともあり、幼少時から漆が生活の身近な所にあった。ただ、実際に触れたことはなく、初めて漆を扱ったのは地元の工芸高校漆芸課に入学してからだった。
「普通の高校へ進学し、大学に行くことより、違う世界に挑戦したかった。小さい頃からプラモデル作りとか、モノを作るのが好きだったんです。なぜ、漆芸だったかと言われるとなぜでしょう。初めは正直、何となくですね」。
工芸高校の3年間で漆芸の基礎の基礎を学んだ。漆芸の展覧会にも足を運び、多くの作品に出会った。そんな時にふと、「自分もこんな作品をつくる作家になれたらいいな」と思った。進学する者や、そのまま漆芸の職人になる同級生もいたが、達弥さんは高校卒業後、香川県漆芸研究所へ入り、研究生、研究員修了後、人間国宝・音丸耕堂氏、音丸淳氏のもとへ弟子入りし、漆芸作家への道を歩みだした。
ちなみに、同研究所時代に妻・法子さんと出会ったという。
その後の経歴は華々しい。1991年に「第31回伝統工芸新作展」で三越賞、93年には「第33回、第36回伝統工芸新作展」で日本工芸会賞を受賞。97年には日本橋三越で個展を開催し、2003年には「第50回日本伝統工芸展」で第50回展記念賞を受賞した。
「まあ、賞はあくまで賞ですから。それより自分の生きてきた証というか、自分が死んだ後も残り続ける作品、そんな作品を1点でも世に遺したい、そんな思いで作り続けています。作っても作っても納得いかない。だから作り続けるんですけど」。
そんな達弥さんに漆の魅力を聞いてみた。
「漆は生き物です。マニュアルどおりにはいかない。その日の気温、湿度で全くの別物になる。これは教えられてできるものではなく、身体でおぼえるしかない。だけど、まだまだわからないことだらけですよ」。
「七宝は化学反応以外の何ものでもありません。それをいかにミスしないでやるか。自分でやっているのではなく、自分を無にして、インスピレーションで製作している部分もあります。ただ何より、主人の理解、そして健康であったからこそ続けてこられたものなので、そろそろ潮時かなという思いもあります。それまでに満足のいく作品を完成させたいですね」。
松戸在住作家展に出品する作品は思案中だが、「作品全体から香りが漂う」そんな作品を出品したいと話していた。
家庭第一に刺激しあって
漆芸作家 松本法子さん
日本工芸会正会員・松本法子氏。大分県出身、51歳。漆芸と出会ったのは、美術短大の時。美術科の専攻で絵を学んでいて、日本画の授業の際に学んだ漆にひかれた。実家がお寺だったことで、漆の持つ日本的な部分にどこかひかれたという。
短大卒業後、夫・達弥さんも通っていた香川県漆芸研究所へ入り、ここで初めて漆芸に触れた。
「技術を学びたいと思い研究所に入りましたが、最初の1か月間は漆にかぶれてしょうがなかった。でも、やりがいはありましたね」。
研究所後しばらくは、香川県で創作活動を続け、県展で賞を受賞したり、店に作品を出品するなどして作家の道を歩んだ。日本伝統工芸展へは1988年に初入選を飾り、これまでに数々の賞も受賞。94年には夫・達弥さんと「二人展」も開催している。
「これまで家庭第一でやってきました。家庭とか精神状態が良くないと、いい作品もできませんから。何より、子育てをしながらもこれまで続けてこられたというのが大きいですね。主人とは全く作風も違いますが、やはり主人がとなりにいるといいかげんな仕事はできませんし、その作品作りに対する姿勢、自分の信念をもって取り組んでいる姿は尊敬していますし、刺激になります」。
夫・達弥さんもまた、「作家としてのセンス、能力は確実に僕よりある」と、妻・法子さんを認めている。
二児の母として、また作家として、達弥さんと刺激しあいながら作り上げる作品たち。松戸在住作家展にどのような作品を出品するのかが、今から楽しみだ。
萬満寺「怪談」
読者2組ご招待
朗読芝居・小泉八雲「怪談」其の六(小泉八雲記念館後援、映画監督・大澤豊氏推薦)=写真=が来月30日午後7時より馬橋の萬満寺本堂で開催される。
萬満寺で「怪談」が公演されるのは今年で6回目。夏の夜にお寺の広い本堂で行われる怪談は雰囲気もあり、毎年好評を得てきた。
今年は「おしどり」「雪女」「お貞のはなし」「牡丹燈籠」の4話。語り手は森優子さん、大越恭子さん、是永千穂さんで、構成は鈴木之彦さん。
7月2日に徳島での人形浄瑠璃とのコラボレーション公演の凱旋公演。徳島公演と合わせて、同公演の収益金の一部は東日本大震災への義援金として寄付される。
前売りは2000円。当日2500円。申し込み・問い合わせは電話 365・9911労音東葛センター、yandyplanets@y
ahoo.co.jp、OfficeY&Y。
同公演に2組4人をご招待。ご希望の方は、4面掲載「プレゼントの応募方法」を参照の上、ご応募ください。
きょう決勝トーナメント
市ジュニアソフト
松戸市ジュニアソフトボール連盟(綿内功会長)主催による、市長旗争奪「第71回松戸市ジュニアソフトボール連盟大会」(松戸よみうり新聞社後援)は、19日までにリーグ戦を終了。26日に新松戸西小で開催予定の決勝トーナメントに出場する各リーグ上位2チームが出そろった。
東リーグは1位ウイングス、2位三ヶ月、西リーグは1位北松戸風の子、2位しろあと、南リーグは1位大畑ユニオン、2位相模台、北リーグは1位中金杉、2位こばとが出場する。
19日までの試合結果は次の通り。
大会3日目(5月22日) ▼東リーグ 古ヶ二10─0城 町 古ヶS9─1秋 山 古ヶ二3─2秋 山 古ヶS12─1城 町 ▼西リーグ 陣ヶ前19─0金ヶ作 風の子10─1あじさ しろあ12─1和名谷 南 部4─3わかば ▼南リーグ 相模台8─2千駄堀 相模台5─1ゆうか 千駄堀10─2横須賀 ▼北リーグ 中金杉6─3常盤平 稔 台9─0南花島 中金杉5─0南花島 稔 台3─0常盤平
大会4日目(6月4日) ▼南リーグ さつき11─1六 実 大 畑10─0横須賀 六 実15─1横須賀
大会5日目(6月5日) ▼東リーグ ウイン2─0やなぎ 秋 山3─2馬橋中 ウイン4─0古ヶS 古ヶ二9─0馬橋中 やなぎ3─0城 町 ウイン2─0古ヶ二 城 町8─7馬橋中 |
▼西リーグ わかば12─2金ヶ作 南 部6─3しろあ 和名谷12─2あじさ 風の子10─0陣ヶ前 しろあ8─1あじさ わかば10─1和名谷 陣ヶ前7─1南 部 ▼南リーグ 松ヶ丘5─5ゆうか さつき2─1横須賀 大 畑11─0六 実 相模台12─0松ヶ丘 大 畑2─0千駄堀 ゆうか7─3六 実 ▼北リーグ 元 町3─2南花島 常盤平8─1南花島 こばと8─1元 町 常盤平4─4元 町 こばと13─2南花島
大会6日目(6月12日) ▼東リーグ 三ヶ月8─1城 町 ウイン13─0秋 山 三ヶ月2─1古ヶ二 秋 山2─1城 町 三ヶ月4─3古ヶS ウイン18─0城 町 古ヶ二6─0古ヶS ▼西リーグ わかば3─1あじさ しろあ6─3陣ヶ前 風の子13─0南 部 あじさ4─0金ヶ作 陣ヶ前6─5和名谷 風の子11─0金ヶ作 南 部5─0あじさ |
▼南リーグ 相模台6─1横須賀 さつき9─3松ヶ丘 千駄堀8─2六 実 大 畑1─0相模台 千駄堀5─3松ヶ丘 ▼北リーグ 稔 台4─0竜房台 八ヶ崎3─0常盤平 南花島5─2竜房台 八ヶ崎2─1こばと 常盤平15─0竜房台 八ヶ崎5─3南花島 中金杉6─0元 町
大会7日目(6月19日) ▼東リーグ やなぎ3─1古ヶS 馬橋中3─2 寿 古ヶ二5─1やなぎ 古ヶS8─7馬橋中 古ヶ二9─0 寿 やなぎ11─2馬橋中 古ヶS10─1 寿 ▼南リーグ 相模台8─4さつき ゆうか7─1さつき
【戸田 照朗】 |
第11回松戸市民スプリングゴルフ大会
松島さんが総合優勝
女子の部優勝は大竹さん
松戸よみうり新聞社主催「第11回松戸市民スプリングゴルフ大会」((財)土屋文化振興財団、(株)JCNコアラ葛飾、読売新聞松戸支部、(株)椎名後援)を6日、総勢155人の参加者により、我孫子ゴルフ倶楽部で開催しました。
大会は、松島純一さんがネット69で総合優勝。
優勝(女子の部)は大竹牧江さん(ネット74、グロス92)、準優勝は高橋直人さん(ネット69・2、グロス80)。
ベストグロス賞は、男子の部で坂本豊さん(グロス78)、女子の部では藤原聡子さん(グロス81)がそれぞれ受賞しました。
また、参加者より募った東日本大震災救援募金は4万911円が集まりました。読売光と愛の事業団を通して被災地に送らせていただきます。ご協力ありがとうございました。
大会の上位入賞者は次の通り(敬称略)。
▼総合優勝=松島純一
▼優勝(女子の部)=大竹牧江
▼準優勝=高橋直人
▼第3位=生田目實(ネット69・8)