松戸市の地域情報を中心に、グルメ、イベント、おすすめスポットなど有益情報をお届けする、地域コミュニティ新聞「松戸よみうり」の第745号です。

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東葛の寺社めぐり(7)

旧柏市の神社・仏閣を訪ねる旅

土小学校の前身があった阿弥陀堂のある万福寺の写真▲阿弥陀堂のある万福寺には土小学校の前身があった

今回はお隣の柏市を歩いた。訪ねた寺社は約80か所。柏市は平成17年に旧沼南町と合併し、面積115平方キロ、人口40万人(合併時は38万人)の都市となった。今回は合併前の旧柏市を紹介し、11月に旧沼南町を紹介する。

【戸田 照朗】

 

 

 

 

 

旧水戸街道沿線

茅葺きの稲荷神社

茅葺き屋根の南柏の稲荷神社の写真 ▲茅葺き屋根の南柏の稲荷神社 伝説が残る幸町弁財天の写真 ▲伝説が残る幸町弁財天

旧柏市には、国道6号、16号線をはじめ、いくつかの主要県道がはしり、松戸市から一番遠い市境は利根川に接している。いくつかの主要道路ごとに寺社を紹介したい。

江戸時代の主要街道のひとつだった旧水戸街道(県道261号線・松戸柏線)沿いには、旧街道らしくいくつかの寺社が点在している。街道は松戸市根木内の先で柏市に入り、一時流山市を通るが、再び柏市内に入ってゆく。中新宿にある浅間神社はこんもりした森の中にあり、趣がある。入口左には弁天様と池もある。

この旧水戸街道沿いで最も印象に残ったのは、JR南柏駅前にある稲荷神社だ。社殿の屋根が、今では珍しくなった茅葺だった。

街道を柏駅近くまで行くと、柏神社(羽黒神社)がある。柏駅周辺には、長全寺、諏訪神社などがあるが、林立するビルの間にひっそりと残る幸町弁財天には次のような言い伝えがある。

この弁財天は昔、下総国築比地村の大きな酒問屋にあった。この家に嫁いだお市は、信心深く毎日弁財天を参詣していた。ある時、夫が病に倒れたが、奇跡的に回復。家はますます栄えた。ある日弁財天がお市の枕もとに立ち、これより東方の衆生を救いたいとのお告げがあり、野田市を経て、現在の地に鎮座することになったという。

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今でも「山寺」の趣がある妙蓮寺の写真 ▲今でも「山寺」の趣がある妙蓮寺
万福寺の木造阿弥陀如来坐像の写真
▲万福寺の木造阿弥陀如来坐像(非公開・柏市提供) デーダラボッチ伝説が残るイボ弁天の写真 ▲デーダラボッチ伝説が残るイボ弁天(右足跡) 逆井の弁財天の写真 ▲逆井の弁財天(左足跡) 逆井の富士浅間神社の写真 ▲逆井の富士浅間神社
土小学校周辺

古寺と学校の起こり

柏駅前で旧水戸街道と交差する県道51号線(市川柏線)沿いにある土小学校の周辺にもいくつかの寺社が点在している。寺社の前には、小学生が建てた説明文があり、これがポイントを押さえていて簡潔で読みやすい。

妙蓮寺は400年の歴史があり、昔は林に囲まれ「山寺」と呼ばれていたそうだが、なるほど今でもそんな雰囲気である。

 

 

万福寺には土小学校の前身となる増尾学校の仮校舎が、1872年(明治5)の学制発布とともに開設されたという。この万福寺の阿弥陀堂には県指定文化財の木造阿弥陀如来坐像が安置されている。平安時代に制作されたと見られる、像高88・1センチの大きな仏像だという(秘仏)。緑の多い境内には、なぜか、ゴジラ、ピカチュウ、キティなどの石像がある。これも子どもを意識したものだろうか。

 

少林寺には京都の銀閣を思わせる建物が建っていた。こちらも面白い。

 

 

県道280号、白井流山線沿い、酒井根にあるイボ弁天にはデーダラボッチ伝説が残っている。

弁天様が祀られた年代は明らかではないが、初代の高橋源左衛門という人が長く病気にかかり、弁天様のたたりだと言われたため、氏神として祀ったのが始まりだという。

祠の前の池は伝説の巨人デーダラボッチの右足の足跡だという。池は長さ10メートルで、西方に向かって歩いた時のものと言われる。

 

 

 

この県道の先、逆井の観音寺の近くにも弁財天があるが、ここの池(現在は水がない)は左足跡と言われ、逆井から酒井根まで1歩で歩いたことになる。イボ弁天の水はイボ取りにも効果があると言われ、一時はかなり賑わったようだ。また、別名お多福弁天ともいわれ、願い事がかなえば財が増え、福が多いという。

 

 

 

 

観音寺境内は緑が多く庭が美しい。近くの富士浅間神社の社殿はコンクリートでできているようだが、屋根が苔むし、趣ある姿に見える。

 

 

 

 

 

 

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布施弁天周辺

弁天様と数々の伝説

浮島のように見える利根川の堤防から見た布施弁天の写真▲利根川の堤防から見た布施弁天。浮島のように見える 布施弁天の塔(左)と鐘楼(右)の写真▲布施弁天の塔(左)と鐘楼(右)

布施弁天に続くバス路線から、県道7号・我孫子関宿線を野田市方面に歩く。これは、681号(08年10月12日発行)で紹介した「諏訪道」と一部重なるコースである。

 

 

 

布施弁天(東海寺)は江ノ島、上野不忍池の弁天様とともに関東三弁天の一つに数えられている。

 

 

 

 

本堂は1717年(享保2)に建立されたもの。間口11・6メートル、奥行き12・6メートルある。内部は本尊を安置する内陣と礼拝、儀礼用の外陣に区画され、周囲を高欄をつけた縁がめぐる。中世以来の密教仏堂の形式を受け継ぐとともに、彫刻や彩色に華やかな近世的作り方が見られるという。外陣の天井に狩野探幽の竜の絵、内陣の挌天井には本堂建立に協力した84人の大名の紋章があるはずだが、狩野探幽の絵は見えない。以前の取材でお寺に聞いたところ、護摩の煙で絵は見えなくなってしまったのだという。エックス線で調べたところ、確かに8頭の竜の絵が確認されたが、修復には数千万円がかかるため、そのままになっているという。

 

 

布施弁天本堂の写真▲布施弁天本堂 布施弁天の門の写真▲布施弁天の門

鐘楼は1818年(文化15)の建立。八角形の石積基壇の上に、十二角形に柱を建て、周囲に円形の縁を巡らし、その中央に鐘を吊り下げている。軒下にある十二支などの彫刻が見事だ。

 

 

 

布施弁天に来たら、是非利根川の堤防から眺めてみて欲しい。807年(大同2)7月7日の夜に紅竜が現れて島を築いたという伝説があるが、大雨で川の水が溢れたときなどは、まさに浮島のように見えたのではないだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デーダラボッチ伝説が残る宿連寺湧水の写真▲デーダラボッチ伝説が残る宿連寺湧水 若柴の観音堂の写真▲若柴の観音堂

布施弁天の周辺は「あけぼの山農業公園」になっている。日本庭園や花畑など、散策するのも楽しい。

公園を抜けた丘の上の集落には、日枝神社と円性寺がある。日枝神社は小さな祠が集合した一角で、付近の祠を1か所に集めたものかもしれない。

 

善照寺の銅造阿弥陀如来及び両脇侍立像の写真▲善照寺の銅造阿弥陀如来及び両脇侍立像(非公開・柏市提供) 覚王寺の木造大日如来坐像の写真▲覚王寺の木造大日如来坐像(非公開・柏市提供)

布施の善照寺に安置されている銅造阿弥陀如来及び両脇侍立像は市指定文化財。いわゆる「善光寺式」阿弥陀三尊像で、像高は中尊46・4センチ、左脇侍35・9センチ、右脇侍36センチと小型。鎌倉時代の製作と思われる。

 

宿蓮寺郵便局という小さな郵便局がある。その先には道ばたに宿蓮寺湧水という小さな水たまりがあり、枝振りのいい大きなクスノキが生えている。ここにも巨人デーダラボッチの伝説があるという。おすわさまと呼ばれる諏訪神社(流山市)の近くでころんだデーダラボッチの手がついたところが水たまりになったという。

 

地図

実に柏にはデーダラボッチ伝説と弁天様が多い感じがする。

 

 

県道47号・守谷流山線と国道16号線との交差点には長覚寺と六所神社があり、境内に若柴観音堂がある。縁起では、奈良時代に行基上人がこの地に来た時に、観世音菩薩を見て、霊木を探して像を彫り、祠を作って安置したとか。江戸時代の縁日には遠方から人々が集まり、大変賑わったという。

 

 

 

 

 

 

松ヶ崎の覚王寺に安置されている木造大日如来坐像は県指定文化財。像高56・8センチの坐像で、墨書銘から平安時代の1108年(天仁1)か1168年(仁安3)の製作だと思われる。

 

 

 

松ヶ崎城跡の登り口には、三郡境の不動様と湧水がある。

 

※参考資料=柏市文化財マップ(柏市教育委員会)

 

 

 

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市立病院

市が千駄堀移転を推奨

現地建て替えは断念

市立病院の建て替え問題で、市議会の市立病院建設検討特別委員会が9日に開かれ、市が提示している8つの病院整備構想案のうち、千駄堀に移転する案が最も推奨できるとして、その移転案を特別委に提案した。また、15日にも特別委は行われ、その中で本郷谷健次市長は市立病院の上本郷での現地建て替えについて「断念せざるを得なくなった」と言明。これにより、今後は千駄堀を軸に移転に向けた検討が進められるが、昨年の市長選で本郷谷市長は現地建て替えの実現をマニフェストに掲げ当選しており、その説明責任が問われる形になりそうだ。

千駄堀への移転案は、現在の市立病院を基に機能をより特化した超急性期病院を千駄堀に新築し、現在の東松戸病院(高塚新田)を基に慢性期機能を幅広く特化した日常支援病院を現市立病院(上本郷)を改修して整備するというもの。この場合、東松戸病院は閉鎖となる。

ただ、この移転案では、新病院開院までの期間が6年以上かかることや、民有地での建設のため地権者全員の了解が必要なことなど問題点もあり、特別委では慎重な議論が進められている。

 

【竹中 景太】

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日本伝統工芸展 松戸在住作家展

伊勢丹松戸店で28日から

「―日本伝統工芸展―松戸在住作家展」がいよいよ、今月28日より、伊勢丹松戸店本館9階美術画廊で開催される。

同展は、『工芸界の日本一決定戦』とも言われる公募展「日本伝統工芸展」に入選経験のある、市内在住作家により発足した「枩(しょう)工会」の初となる展覧会。出品作家(同会会員)は、前号までに本紙「伝統工芸作家の肖像」で紹介してきた、陶芸の三崎哲郎氏など7人。約120点の出品が予定されている。

枩工会代表で友禅染作家の中澤英高氏は「松戸在住の作家7人が集まり、初めての作品展を開催できる運びとなりました。松戸市、そして近郊の人々に日本の伝統工芸を知ってもらうとともに、作品を見て楽しんでいただけたら。また、これを機会に教育の現場など多方面で、日本の伝統工芸を幅広く発信していきたいと思っています」と話し、多くの人の来場を呼びかけている。

10月4日までの開催。開館時間は午前10時から午後7時(最終日は午後4時まで)。10月1日と2日には出品作家による作品解説も予定されている。

▽出品作家=三崎哲郎(陶芸)、中澤英高(染織)、松本達弥(漆芸)、松本法子(同)、兵庫倫子(人形)、内田陽(同)、小倉園子(七宝)(敬称略・順不同)

問い合わせは、電話 364・1111伊勢丹松戸店まで。

 

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不幸な犬猫をなくすために

不妊去勢キャンペーン

首都圏約80の動物病院とボランティアによる「不幸な犬猫をなくすネットワーク千葉」は、今年も通常料金の半額程度で犬猫の不妊去勢手術を提供する「不妊去勢キャンペーン」を実施する。

保健所へ持ち込まれ、殺処分される犬猫の約80%が子犬子猫。同ネットワークでは、「動物の愛護及び管理に関する法律」の啓蒙を促進するとともに、趣旨に賛同する獣医師の協力のもと、不妊去勢手術の必要性を訴え、同キャンペーンを毎年実施している。過去21年間に首都圏で約7万5000頭の手術を援助してきたという。

▼対象=手術費用にお困りで、東京、神奈川、千葉、埼玉の指定病院に連れて行ける方

▼手術期間=9月20日から来年3月末日まで

▼申し込み方法=手術を受けさせたい・犬猫の別、・性別、・頭数、・申し込み者の住所、氏名、電話番号を封書の裏側に明記し、90円切手を貼った返信用封筒(申し込み者のあて先を記入)を同封の上、〒285―0807千葉県佐倉山王郵便局局留「不幸な犬猫をなくすネットワーク千葉」行へ

▼キャンペーン期間中の手術料金=猫メス1万500円、オス5500円。犬メス1万8500円、オス1万500円(犬のみ15キロ以上は料金加算)

▼FAX専用受付=FAX番号 043・485・1527

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仔猫の里親募集

これまでのフェスタの写真

子猫4匹=写真=。キジ白(くつ下)・白キジ(ぶち)・黒白のオス3匹と、白黒(ぶち・鼻黒)のメス1匹。いずれも生後2か月くらい、体重1キロくらい。簡単な健康診断済(検便・ノミダニ駆虫済・ワクチン接種済)、レボリューション済。健康状態は良好です。よく食べて4匹仲良く、毎日元気いっぱい遊んでます。人馴れもしていて、すぐに仲良くなります。こちらからお届けします。

問い合わせ、電話 342・5997石橋(18時〜20時30分受け付け)。

 

 

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