破綻状態から事業完了へ
紙敷土地区画整理事業で換地処分
債務超過などにより一時破綻状態にまで陥った「紙敷土地区画整理事業」が今年2月、事業の完了ともいえる換地処分を終えた。今月15日には、流山市にあるナプシャルズ日本閣南柏で「事業完遂を目指して換地処分を祝う会」が執り行われたが、出席者からは一様に「まさか、こんな日を迎えることができるとは」といった声が聞かれた。
【竹中 景太】
紙敷土地区画整理事業は、JR武蔵野線と北総線が交差する東松戸駅周辺の区画整理を目的にスタート。昭和62年の事業認可から当初5か年事業として計画された同事業だったが、計画に加わっていた大手デベロッパーの撤退を境に暗転、行き詰まることになる。
デベロッパーは事業における全体像を描き主要な工事を受け持ち、それと同時に事業費を生み出す土地(保留地)の大きい部分を購入する役割を持つ。その際、工事費を保留地の売却利益でまかなう契約をデベロッパーとの間で交わすのが一般的だが、紙敷はその方式をとらず、保留地を工事費を上回る価格で売却できると見込んだ。その結果、バブル崩壊により地価は下落し、デベロッパーにも撤退され、手元に残ったのは多額の負債と売れ残った保留地だけだった。その後、金融機関から借り入れた事業資金の返済が滞り、保留地は差し押さえられ、事業は完全にストップすることになる。
こうした負の連鎖は長年続いたが、その流れを変えたのは組合内の一部若手組合員たちの「何とかしなくてはならない」という想いだった。
紙敷の問題では、行き詰まりの要因となったデベロッパーとの契約に関し、それを提案したのが松戸市だったことに加え、市の起案により区画整理事業で本来負担しなくてもいい、国や自治体負担ですべき河川改修や幹線道路用地の確保等いわゆる公共財へ100億円を超える費用が事業費から捻出されたこと、また、これらのことが一般の組合員(地権者)に一切の説明もないまま組合上層部だけで進められてきたことなど、一般組合員が到底納得できないことが繰り返されてきた。その上、初めて実態を聞かされた組合員にその場で求められたのが再減歩、つまり当初組合員が提供した土地だけでは事業を達成できないから、さらに組合員に土地を提供してもらいたい、という要求だった。 納得できない、という想いは立ち上がった若手組合員たちも同じだったが、責任問題よりもとにかく事業を前に進めないといけない、とこれまで汗を流した。
平成15年11月の再建計画案の総会議決から、開催した理事会は300回を超え、保留地販売委員会ものべ142回行ってきた。一時は立ち入り禁止などの看板も目に付いた東松戸駅周辺も、今ではマンションなどが建ち並び、様変わりした。
組合はこれから最長で5年後、解散を迎える。まだクリアしていない問題も残っているが、今後は新しいまちの発展に期待したい。
矢切の渡しまでバス延伸
28日より土日祝日に運行
松戸駅西口から旧矢切高校まで運行している京成バスの路線が、28日より土日祝日に限り矢切の渡し船着き場前まで延伸される。9時台から16時台まで1時間に往復1本程度。柴又帝釈天を訪れた観光客は、矢切の渡し船に乗った後、再び柴又方面に戻る人が多かった。松戸側の交通機関がないためで、松戸・矢切観光にとって課題となっていた。
きょう22日10時から松戸駅西口デッキ上で記念セレモニーが行われる。
来月26日には、伊藤左千夫の「野菊の墓」の舞台となり、水上勉が住んだ矢切を松戸シティガイドが案内する「矢切まち歩き・文学を訪ねて」を開催。10時北総線矢切駅前集合。費用1500円、定員25人。希望者は往復ハガキに住所、氏名、年齢、電話番号を記入して〒271-8588松戸市根本387-5松戸市役所商工観光課内「松戸シティガイド・矢切まち歩き」まで。5月20日必着。問い合わせ電話 366・7327商工観光課
大江健三郎さんが講演
松戸憲法記念日の集い
「2012年松戸憲法記念日の集い 大江健三郎さん講演会 ひろげよう! 憲法9条不戦の誓い…ノーモアヒロシマ・ナガサキ、そしてフクシマ」が来月3日午後2時から松戸市民会館・ホールで開催される。参加費は500円(資料代含む。18歳以下無料)。
同集い実行委は「東日本大震災では、2万人近い方の尊い命が犠牲になりました。福島原発事故では先の見えない大きな不安をかかえ苦しんでいます。私たちは『ノーモア・ヒロシマ』『ノーモア・ナガサキ』と誓ったにもかかわらず、平和利用の名のもとに、また被ばく者を出してしまいました。今すべきことは、『恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存するため』に、エネルギー政策をはじめとする諸政策を憲法の精神から見直しさせることではないでしょうか」と話している。
大江健三郎さんは、58年芥川賞受賞。94年ノーベル文学賞受賞。04年「九条の会」を結成。現在「脱原発を求める一千万人署名」に取り組んでいる。問い合わせは、 電話 346・0906榎本さんまで。
連休中のイベント
■松戸の名店のお弁当食べ比べ
普段食べられない名店の味をお弁当で。
関宿屋「お持ち帰り弁当」
和色台処「徳さんちのコロッケ弁当」
スパッソ「母っちゃのお赤飯」
アンシャンテ「歌舞伎もんの楽屋めし」
割烹しのだ「矢切の渡し弁当」
4月28日、午前10時から売り切れまで。
350円から1500円まで各種、限定100食。
販売・会場は戸定が丘歴史公園内松雲亭。
問い合わせ電話 070・6573・4466松戸探検隊ひみつ堂。
■ちょっと贅沢 まつど宿ツアー
4月29日、午前9時30分から午後2時まで。
松戸シティガイドが松戸の良いところをご案内。
コース(予定)は、八嶋商店↓旧・原田米店(お茶とお菓子、お酒の試飲)→宝光院→三河屋→松龍寺→松戸神社→戸定邸→戸定が丘歴史公園内松雲亭で「将軍フレンチ」をご賞味。
参加費は3000円(昼食、お土産、試飲試食つき)、定員40人(応募多数の場合抽選)。
お申し込みは、往復ハガキに住所、氏名、年齢、電話番号を書いて、〒271-8588松戸市根本387-5松戸市観光協会内、松戸宿ツアー係まで。4月23日消印有効。1枚のはがきで2名様まで申し込み可。
問い合わせ電話 070・6573・4466松戸探検隊ひみつ堂。
■将軍フレンチを楽しむ
4月30日午前11時からと午後1時からの2回。会場は戸定が丘歴史公園内松雲亭。費用1500円。各回定員20人。戸定売店でチケット発売中。問い合わせは電話 070・6573・4466松戸探検隊ひみつ堂。
■琥珀色のロマン「将軍珈琲」
最後の将軍・徳川慶喜ゆかりの味を楽しむ。5月3日午前10時から午後3時まで。会場は戸定が丘歴史公園内松雲亭。費用500円、先着100人。問い合わせは、電話 090・8101・9347松戸市民劇団。
■カフェ&甲冑
力作の甲冑を見ながら、美味しいお茶を楽しむ。
5月4日、5日、午前10時から午後3時まで。会場は戸定が丘歴史公園内松雲亭。費用各500円(抹茶・コーヒー・ぜんざい)、先着100人。
問い合わせは、電話 366・7327松戸市観光協会、電話 080・5438・4039松戸手作り甲冑愛好会・知久。
■朗読と食で味わう「池波正太郎の世界」
「剣客商売」の一節「雨の鈴鹿川」を金子紀夫さんが朗読。和色台処が小説に登場する食事を再現する。
5月6日午前10時30分から。会場は戸定が丘歴史公園内松雲亭。費用2000円、定員20人。
戸定売店でチケット発売中。
問い合わせは、電話 070・6573・4466松戸探検隊ひみつ堂。
■松戸市民劇団アトリエ公演「ドリーム・シスターズ」
作・磯谷智史、演出・石上瑠美子、キャスト・石上瑠美子、高梨美沙子、向後文大
日時=5月12日午後5時、13日午後2時・5時、19日午後5時、20日午後2時・5時
チケット1000円(当日ご来場で500円キャッシュバック)。
問い合わせは、電話 090・7232・3331込山まで。