関さんの森の道路 28日開通
半世紀にわたる道路問題に終止符
今月28日午前11時、都市計画道路3・3・7号線を補完するために関さんの森に建設が進められていた市の迂回道路(松戸都市計画道路3・3・7号横須賀紙敷線=幸谷・二ツ木区間=及び松戸市道1地区1086号)が開通する。同日10時からは開通式典が行われる。昭和39年(1964)の計画決定から48年。一時は市による土地の強制収用の直前までこじれた道路問題は一応の終止符を打つことになった。
【戸田 照朗】
都市計画道路3・3・7号線(横須賀紙敷線)は、昭和39年9月14日に計画決定(当時は2・1・4号=幸谷高塚線)し、起点、終点、幅員など6回の変更を経て現在まで残っている。計画では、関さんの森に隣接する二ッ木・幸谷土地区画整理事業区域の中を通り、関美智子さん(76)宅の庭を通って新松戸方面に抜ける道路と接続することになっていた。
関さんの森と呼ばれる緑地は関さん宅の裏山だが、むつみ梅林、関邸、裏山が一つの緑地を形成しており、幅員18mの道路が193mにわたり緑地を分断して通ることになっていた。地域の自然環境を守る運動は、関さんの父親の武夫さん(故人)らが作った「育森会」の時代から続いており、3・3・7号線についても、昭和51年(1976)12月に地下にトンネルを作って通す案を議会に陳情し採択された。しかし、昭和62年(1987)から翌年にかけてトンネル案などについて調査、検討が行われたが、否定的な報告が出て、市は地上道路での建設を決定した。
「関さんの森」は、樹齢100年以上のスダジイやケヤキなどが生い茂る1・1haの森。関邸と梅林を合わせると、2ha余りの緑地となる。以前はフクロウも生息していたが、近年の周辺の環境の悪化などのため、いなくなってしまった。数年前にアオバズクの営巣が確認されるなど、市内に残る貴重な里山だ。
この森を所有していた関さんら3姉妹は、市内の緑が減り行くなか、「森をそのまま永遠に残したい」と、平成7年に財団法人埼玉県生態系保護協会に寄付。「むつみ梅林」は、緑の存続を願いながら亡くなった美智子さんの妹さんの名前にちなんだものだという。翌平成8年には、森を維持管理するために、地域の人たちが集まって「関さんの森を育む会」を作り、自然観察と里山を維持するための作業を続けてきた。
また、関さんの森は多くの小、中、高校、大学や市民団体の自然体験・環境学習の場として利用されてきた。
一時は強制収用寸前まで
久しく実質上の凍結状態が続いていた道路問題が再燃したのは、平成18年(2006)に道路建設の障害となっていた市営水道の配水池移設が決まってから。市は「幸谷みどりの里構想」を提案したり、翌年には当時の川井敏久市長が迂回道路案を提案するなどしたが、関さん側は受け入れなかった。
平成19年11月には、逆に関さん側から「代替道路案」が出されたが、12月の議会で市が不同意を表明。
平成20 年2月に市は土地収用法に基づく手続きを開始。強制収用の準備に入った。
関さん宅の庭には、古い蔵などの建物や樹齢200年という木々が生きている。関さんと、「関さんの森を育む会」では、これらの木々や歴史的建造物である蔵や門を、そのまま一つの風景として残そうという「関さんの森エコミュージアム」を同年7月に発足させた。
8月7日に市は強制収用のための立ち入り調査を強行。市職員と反対市民が対峙し、マスコミ、私服警官が見守る中、森は騒然とした雰囲気となった。
9月に関さん側はさらに譲歩した道路案を市に提案。結果的に川井市長が最初に提案した道路案に近い形となった。
12月に弊紙のインタビューに応える形で、川井市長と関美智子さんが会談。双方が話し合いを重ね、知恵を出し合いながら解決していくことで合意。翌年2月には基本合意書に調印し、市は強制収用の手続きを中断。9月には覚書をかわして、市は正式に強制収用の手続きを中止した。
特別緑地保全地区へ向けて
その後は、ケンポナシの大木など貴重な樹木の移植や埋蔵文化財の調査などが行われた。
覚書により、市側と関さん側市民による「協議会」も5回行われ、道路の安全や森にふさわしい道路の建設について話し合いが行われてきた。その結果、電柱は樹木を模したデザインに、街路樹のかわりにガードレールにつたをからませるアイデアなどが実現した。また、関さんの森の「特別緑地保全地区」指定に向けての話し合いも順調に行われているという。
関美智子さんは、「道路の開通については、事故のないように祈っています。私たちの決断(道路を建設するようにしたこと)で、人や動物が傷つくことがあってはいけない、と思っています」と話していた。
補助金2976万円を返還
市 NPOとの協働事業で
市では、平成22年度に国の緊急雇用創出事業である地域人材育成事業として「空き店舗を活用したまちづくり事業担い手育成事業」を県から補助金を受け実施したが、昨年12月21日に県の検査が実施され、県と協議の結果、補助要件に合致せず、全額(2976万8450円)を県に返還することになった。
県からは、「学生が失業者として雇用されているが、学生は失業者ではない」「アーティスト23名の雇用期間が2か月弱であり、研修実施の確認が取れない。人材育成事業自体の要件に該当しない」「この事業は人材育成事業であり、アートラインプロジェクトを実施するための事業ではない。アートラインプロジェクト関係経費(講師謝礼など)は認められない」などの指摘があったという。
同事業は、松戸駅周辺の活性化を目的に「松戸アートラインプロジェクト2010」として、NPO法人コミュニティ・コーディネーターズ・タンク(ココット)が市と「協働」で開催したもの。
事業計画ではアーティスト3人を含む8人(失業者は7人)を雇用する予定だったが、実際にはアーティスト23人を含む56人(失業者は44人)を雇用した。
市は同NPOに費用の全額を請求するとしているが、同NPOでは、「市からの依頼により市とNPOの協働事業提案として企画を提案した」「政策調整課、社会教育課、商工観光課の3課連携の調整機関を置き、3課の課長もメンバーとした実行委員会を意思決定機関として事業を開始した」「今回、緊急雇用創出事業での大学4年生を雇用した点については、市の担当者に事前確認を行った」などとしている。
同NPOの代表2人が13日の市議会総務財務常任委員会に参考人として出席し、委員から質疑を受ける形で、事情を説明した。委員からは、市民との協働が後退することへの懸念や市の責任を指摘する声が聞かれた。
【戸田 照朗】
新病院 千駄堀で建設へ
市立病院移転建て替え問題
松戸市立病院の移転建て替え問題で、市議会の建設検討特別委員会が18日開かれ、現在開会中の市議会9月定例会に提案された、千駄堀へ移転新築するための補正予算案を全会一致で可決した。10月1日の本会議でも可決される見通しで、これにより新病院は千駄堀に建設されることになる。
市立病院の建て替えを巡っては、現地建て替えを掲げた本郷谷健次市長が一昨年6月の市長選で初当選を果たしたものの、その後立ち上げた有識者らによる検討委員会から「(現地建て替えは)非常に困難」とする答申が出され、議会側からも移転建て替えを求める声が相次ぎ、現地建て替えを断念した経緯がある。残る移転候補地は、川井敏久前市長が計画していた紙敷、または東松戸病院だったが、そうした中、突如浮上したのが千駄堀移転案だった。
特別委ではこれまで、市が推奨する千駄堀案を軸に検討を進めてきた。その中では新病院建設の工期が短い紙敷案を推す声や、現地建て替えを撤回した市長の説明責任を問う声などがあり、議論はなかなか進展しなかったが、耐震性などに問題を抱える現病院の一刻も早い建て替えの必要性等から、今回、千駄堀へ移転新築することを了承する形となった。
なお、同関連予算案が提案された今月11日の本会議では、本郷谷市長が病院問題のこれまでの経過を説明し、その中で「マニフェストに掲げた現地建て替えは、結果としてマニフェスト通り実施することができなかった。このことには市民、議会関係者におわび申し上げたい」と謝罪する一幕もあった。
【竹中 景太】
夜の筑波山空中散歩
「スターダストクルージング」
筑波山ロープウェイでは、筑波山頂(海抜877メートル)から関東平野の夜景を望むイベントを開催します。眼下につくば市、土浦市の夜景を始め、遠くには東京都や埼玉県、千葉県の夜景を見ることができます。
ロープウェイ(搬器2両、定員70名)は、筑波スカイラインの終点つつじヶ丘駅より女体山駅まで全長1296メートルを約6分で結ぶ快適な空中散歩です。※期間中毎回30人に夜景の絵ハガキプレゼント
期間=10月〜11月、12月〜2月(毎週土・日・祝開催、荒天中止、年末除く)
運行時間=17時〜21時(20分間隔)
料金=大人往復1000円(小学生以下無料)
集合地=つつじヶ丘駐車場(筑波スカイライン終点)
問い合わせ=電話 029・866・0611筑波観光鉄道(株)
そのほかに、10月の主なイベントとして、イルミネーション点灯式、筑波山頂から土浦の花火を見よう、ガマの油売り口上実演体験教室など、11月の主なイベントとして筑波山ものしり○×クイズ大会、大道芸(アドバルーンプレゼント)などが行われる。
新松戸チャリティーフリー
マーケット出店者募集
誰もが安心して暮らせる街づくりをめざすフリマです。今年も昨年に引き続き、東日本大震災支援のための「支援グッズ」販売や募金などを実施します。
日時=10月28日、午前10時〜午後3時(雨天中止)
会場=新松戸中央公園
出店料=売り上げの10%
申し込み方法=往復ハガキに住所、氏名、電話番号、主な出店内容を書いて、「〒270-0034松戸市新松戸6-32 あらかると」へ。
申し込み締め切り=10月9日必着(詳細は返信はがきに記載します)
問い合わせ=電話 341・3909、FAX341・3919
※出店者が多数の場合には抽選となります。
松戸市女性センターゆうまつど講座
「イクメン講座」
10月14日=パパ撮って! デジカメ講座(NPO法人子育て支援ぱこら協働)
10月28日=読み聞かせを楽しもう! パパと子ども達の絵本コミュニケーション
対象=小学生以下の子どもと男性の保護者。家族の参加も可
費用=無料
時間=午前10時30分〜12時
一時保育=予約制。1歳10か月以上。おやつ代他1回200円)
会場= 女性センター・ゆうまつど
申し込み=10月1日より、電話で女性センター(電話 364・8778)へ
松戸ウインドアンサンブル
団員募集
子どもたちのために大人たち1人1人がつながりあって音楽を楽しんでいます。子どもたちのために人と人とのつながりの大切さを音楽を使って一緒に伝えませんか。技術力などはまったく問題にしていません。音楽を始めたばかりの人もブランクが何十年の方も大歓迎です。団員一同、心からお待ちしております。
場所=松戸市青少年会館
時間=第二・第四土曜日の13時〜17時(要確認)
料金=1回の参加費100円
問い合わせ= 080・3511・5364、メールMWE@AOL.JP(駒木まで)
プラネタリウム
9・10月の番組
松戸市民会館プラネタリウム室の10月28日までの土日祝日の番組は、星空解説と「流れ星」(午前10時30分〜11時10分=文字解説付き投影、午後3時30分〜4時10分=一般投影)と、やさしい星空解説と「やぎ座のおはなし」(午後1時30分〜1時50分、午後2時30分〜2時50分=ともにキッズ&ジュニアアワー)です。
問い合わせは、電話 368・1237まで
秋の利根川周辺を巡る
みずウオーク2012 取手大会
来月14日開催 参加者募集
秋の利根川周辺を巡るウオーキング大会「みずウオーク2012取手大会」(読売新聞社主催)が来月14日、茨城県取手市の取手緑地運動公園発着で行われる。
5キロ、10キロ、20キロの3コースから自由に選んでマイペースで歩く大会。参加者には記念品のプレゼントも。
今回は、5キロコースに、植物などの見どころを説明する「自然観察ガイド」を新設し、発着点では、パスタなどが当たるお楽しみ抽選会のほか、同時開催の「とりで利根川河川まつり」(同市主催)で特産品の販売コーナーや各種ステージ、ミニトレインなども楽しめる。
▼日時=10月14日.(雨天実施)、〈受付〉8時30分〜9時20分〈出発式〉9時20分〈スタート〉9時40分
▼集合場所=取手緑地運動公園(JR常磐線・関東鉄道「取手駅」から徒歩10分)
▼参加料=事前申し込みは高校生以上500円、小・中学生300円。当日参加は200円増し
▼問い合わせ=電話 03・5159・5886読売新聞東京本社事業開発部(平日10時〜17時)
東京理科大学の学生中心に
利根運河シアターナイト
来月20日、利根運河水辺公園で開催
利根運河沿いにキャンパスを構える東京理科大学建築学科の学生を中心に、「水と光」をテーマとしたイベント「利根運河シアターナイト2012」が来月20日、利根運河水辺公園(東武野田線「運河駅」より徒歩3分)で開催される。
イベントでは、学生が自主制作した映像作品や有名映画を上映する「シアター」、約12の店舗ブースと2つの飲食スペースからなる「屋外カフェ」、会場全体に点在する「アート作品」、学生から市民まで幅広い世代の参加による「ものづくりワークショップ」の4つのプログラムで、利根運河の水辺空間を彩る。
時間は午後5時から9時まで(ものづくりワークショップは同日15時〜17時、東京理科大学野田キャンパスで開催。雨天予備日(1)10月21日、(2)10月27日)、入場料は無料。
イベントを主催する東京理科大学「利根運河シアターナイト2012」実行委員会では「光に包まれた利根運河の水辺の開放感の中で、学生と市民とが一体となり、あらゆる世代あらゆる分野の人々が、一つの空間・体験を共有できる場を演出します」としている。 問い合わせは、電話090・4934・7043同実行委員会(渉外担当・井上)まで。
第17回松戸市国際文化祭
来月27日、市民会館で開催
(財)国際交流協会では、来月27日午前10時から午後3時50分まで、「第17回松戸市国際文化祭」を松戸市民会館で開催する。
今年のテーマは「共に奏でよう未来へ」。
当日会場では、同協会会員による舞台パフォーマンス、市立松戸高校生によるホームステイ体験等の報告「高校生が見たオーストラリア」、広報で募集した市民モデルによる民族衣装のファッションショー、世界ふれあいコンサート、映画上映会、世界各国出身者による自慢の料理を手軽な値段で楽しめる「世界のグルメコーナー」など、盛りだくさんの催しが行われる。
入場は無料(ただし「世界のグルメコーナー」は有料。売り上げの一部はユニセフに寄付)。
問い合わせは、電話366・7310同協会まで。