流鉄「なの花」号を展示

昭和の杜博物館で来月11日より

 4月28日の営業運転をもって引退した流鉄㈱の人気電車「なの花」号を紙敷の昭和の杜博物館が譲り受け、展示することになった。専用プラットホームなどの整備も終わり、来月11日にお披露目の会が行われる。午前11時からは子どもたちを招いての体験試乗会も開催。希望者は、電話 090・3497・5439吉岡さんまで、要事前申し込み。

小金城趾駅に入線する「なの花」号の写真▲小金城趾駅に入線する「なの花」号

 大正5年(1916)3月14日に「町民鉄道」として誕生した流鉄(株)(平成20年に総武流山電鉄から改称)は、3月で開業97周年を迎えた。馬橋から流山まで6駅、5・7km。時間にして11分という路線。2両編成で、車両はそれぞれ色が違い、愛称がつけられている。レモンイエロー(なの花)、ライトブルー(流馬)、オレンジ(流星)、赤(あかぎ)、ライトグリーン(若葉)だ。愛称は、利用客から募集したもの。子どもたちに一番人気があったのが「なの花」だという。引退日は「さよなら運転」が行われ、記念切符も発売された。

 

移動する「なの花」号の写真

 「なの花」号の展示は、同博物館の吉岡光夫理事長(65)が同社に申し入れ、無償で譲渡されることが決まった。移設などにかかる費用は同博物館が負担。展示されるのは、先頭の1両だけだが、重さが40トン、全長20メートル、幅2・8メートルの車両はトラックに乗らないため、真ん中で切断。流山駅から紙敷の同博物館に移送後、再び組み立てた。

 

昭和の杜博物館

 歴史と交通の展示館「昭和の杜博物館」は自動車や船舶、列車、昭和の古い生活用具や玩具など約1200点以上を展示。昭和の暮らしを再現したスペースもある。南極観測船「しらせ」の雪上車も展示。三輪自動車など数台が、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズ制作のために貸し出された。

 「小松崎茂ワールド」では、本紙コラムでおなじみの根本圭助氏の協力で、小松崎茂の絵を多数展示。「小松崎茂美術館」と呼べるような、充実した展示となっている。

 「模型館」の精巧な模型は模型愛好家団体「松戸迷才会」などの協力を得て集められたもの。

 「昭和の杜博物館」は、高校生以下無料。大人300円。金、土、日、祝日の午前10時~午後4時。場所は紙敷1377番地(県立松戸南高校近く)。北総線・JR武蔵野線「東松戸駅」から徒歩15分。駐車場完備。問い合わせは、電話 369・7870まで。

 ※右写真の上3枚は流鉄㈱提供。下1枚は昭和の杜博物館提供。

昭和の杜博物館の根本圭助さんと吉岡光夫さんの写真▲昭和の杜博物館の根本圭助さん(左)と吉岡光夫さん(映画「三丁目の夕日」にも登場したミゼットの前で)