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- カテゴリ: 第796号(2015年12月13日発行)
- 2015年12月13日(日曜)09:00に公開
- 作者: 戸田 照朗
響子ちゃん「生きててよかった」
両親、支援者が帰国会見、市長訪問
拡張型心筋症のため米国で心臓移植を受けた三輪響子ちゃん(12)の両親と支援者が先月30日に記者会見を行った。また、今月3日には響子ちゃん本人が本郷谷健次市長のもとを訪れた。
響子ちゃんは先月18日に帰国し、すぐに東京女子医大病院に検査入院した。28日に退院して松戸市内の自宅に帰ってきた。
渡米前に響子ちゃんは人工心臓を装着していたが、当時日本では小児用の人工心臓が認可されておらず、大人用をつけていたために、血栓ができ、脳梗塞を併発してしまった。右側の手足にマヒが残り、滑舌も悪くなっているために、病院では右手足と言葉のリハビリを1日2時間半程度行っていた。これからは市内の病院でリハビリを続けていく予定だという。遠くに移動する場合は車椅子だが、家では手すりにつかまりながら、自力で階段も登っているという。
響子ちゃんは女子医大に入院中、コンビニで買った1年ぶりのお好み焼きを美味しそうに食べたという。ただ、免疫抑制剤を飲んでいるために、大好きなお寿司やマグロの刺身など生ものはまだ食べられない。現在は12種類の薬を服用しているが、それでも半年前に比べれば、ずいぶん減ったという。
米国のコロンビア大学病院に1月に入院した響子ちゃんは、心臓移植までの待機が長くなり、3月、4月ごろには心身ともに極限状態に達したという。寝たきりのため肺が一部つぶれ、10分もイスに座っていられなくなった。胃腸が弱り、食欲がないので、十二指腸や胃にチューブで直接ミルクを入れていた。大量の薬とミルクで胃が張って苦しそうだったという。
母親の典子さんは、「募金してくださった皆さんのことを思い出して、きょう1日を生き延びてほしいと思って、娘に話しました。娘も『そうだね』、と言って頑張っていました」「弱音をはいている時もありましたが、心の支えになったのは、一人の命じゃない、応援してくれたみなさんがいるから、その人たちに元気な姿を見せるためにも、頑張って日本に帰ろうと、毎日励ましていました。移植が終わった後に、娘が『やっぱり生きていてよかった』と言ってくれて、本当に嬉しかったです。本当に感謝しています。ありがとうございました」と話した。