北総鉄道

増収・増益も未だ161億の負債

2015年度(上期)決算

北総鉄道ではこのほど、2015年度(上期)決算を公表した。

それによると、同社線のⅡ期線沿線(新柴又~新鎌ヶ谷間)では、前年に引き続き、住宅開発が堅調、また千葉ニュータウンにおいては新たな大型マンションの入居が開始された。その結果、前年の消費税率変更による先買い反動減の戻りや、沿線人口の増加等により定期外旅客は23万8千人(4・3%増)、定期旅客についても37万2千人(3%増)となり、定期・定期外合わせて61万人(3・4%増)となった。

営業収益は、旅客運輸収入60億7千1百万円に、京成電鉄からの線路使用料収入のほか、成田スカイアクセスの業務受託手数料収入、千葉ニュータウン鉄道からの負担金収入等を加えて81億7千7百万円と、前年同期に比べて1億5千万円の増収。

営業費用については、燃料調整費の単価減による動力費の減少などにより54億2千万円と前年同期に比べ1千2百万円の減少となった。

これにより、営業利益は27億5千7百万円と、前年同期に比べ1億6千2百万円の増益となった。

また、営業利益に営業外収益と営業外費用を加味した経常利益は23億4千万円と、前年同期に比べて2億4百万円の増益。法人税等を差し引いた四半期純利益も、15億5千8百万円と前年同期に比べ1億5千5百万円の増益となったが、同社が抱える繰越損失は未だ161億4千8百万円あり、依然として厳しい経営状況にある、としている。

同社では「長期、安定的な輸送サービス継続のためには財務体質の改善が急務であり、このため経費の削減はもとより、有効な増収対策を推進するなど、より一層経営健全化の達成に邁進する」としている。