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- カテゴリ: 第800号(2016年4月24日発行)
- 2016年4月24日(日曜)09:00に公開
- 作者: 戸田 照朗
松戸フューチャーセンターオープン
松戸の課題を市民のアイデアで解決
このほど松戸フューチャーセンターが伊勢丹松戸店隣の文化ホール内にオープンした。
フューチャーセンターは、1996年にスウェーデンの保険会社が開設したのをはじめとして、オランダ政府、デンマーク政府などが開設し、広がりを見せている施設だ。
フューチャーセンターは、これまでのやり方では解決が難しい課題を解いていくための仕組み。専用の空間を持ち、課題を解く調整役(コーディネーター)、監督・指揮する人(ディレクター)、促進者(ファシリテーター)が存在する。課題に関係する様々な人たちとオープンに議論し、解決を図る。対話や様々なアイデア作成のための方法(ホールシステム・アプローチ=組織の上下や横の垣根を取り払い、全員で話し合いを行うこと、など)を活用する。
ヨーロッパでも日本と同じように様々な社会課題が存在し、限られた財源の中、担当部署だけでは解決していくことが難しくなっていた。例えばオランダの水資源管理局は運河の管理のための船舶など多くのインフラをかかえているが、定期的に更新していくためには膨大な予算が必要だが、十分な予算はなかった。
従来は担当部署が施策検討し、施策を実施していたが、問題が解決しない。同じ組織のメンバーと普段と同じ会議室に集まっても、過去になかった発想やアイデアを生み出し、解決に向けて実践することは困難だ。そこで、担当部署がフューチャーセンターへ相談。解決までの手段・方法を検討し、幅広い関係者で解決策を検討。船舶の設計方法を変えることで大幅なコストを削減した。
松戸市の場合も、少子化、高齢化、医療・介護、空き家、就労、貧困、防災など様々な課題をかかえている。これらの問題は、住民、住民団体、企業、市、県、国など関係者が多く、調整・合意が難しい。行政には財政的ゆとりはなく、多額のコストをかけた解決は難しい。長年取り組んできたが解決が難しい。決め手が見つからないなど、ヨーロッパと同じ課題を多くかかえている。
松戸フューチャーセンターでは、当面は「働く」をテーマに松戸市の課題解決に取り組んでいく。フューチャーセンターでは議論する会合のことをフューチャーセッションと呼ぶ。同センターでは、既に昨年の12月からセッションを行っている。「女性が創造的に働くためのフューチャーセッション」「女性のセカンドキャリア支援の『仕組み』を考える」「働くの未来を考える~『学ぶ』から『働く』へ」(学生や若い社会人を対象)と題して、「若者と女性が創造的に働くためのフューチャーセッション」を行った。先月26日には、内覧会をかねて、これまでの取り組みの報告と、松戸の未来を考えるフューチャーセッションの体験が行われた。
運営はテーマとの関連(社会人教育)から生涯学習推進課を中心に関係の深い他の部署とも連携して行う。将来はテーマを松戸市にとって重要な他の課題へも広げていくことを検討するという。
問い合わせは、電話 367・7810生涯学習推進課へ。