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- カテゴリ: 第809号(2017年1月22日発行)
- 2017年1月22日(日曜)09:00に公開
- 作者: 竹中 景太
伊勢丹松戸店存続を
商業・消費者団体、市議会で広がる動き
昨年11月、三越伊勢丹ホールディングスが、業績不振で採算が悪化している伊勢丹松戸店など地方4店の売り場面積の縮小や他社との提携、業態転換を検討していることが新聞などで報道された。この報道などを受け、松戸駅周辺活性化推進協議会、松戸駅周辺商業協同組合、伊勢丹通り商店会の3団体から、伊勢丹松戸店の存続を含んだ松戸駅周辺の活性化についての要望書、松戸市消費者の会から伊勢丹松戸店存続のための取り組みを求める要望書が松戸市と松戸市議会に対して出されたほか、松戸市議会でも「伊勢丹松戸店を支援する決議」が全会一致で可決されるなど、伊勢丹松戸店の存続を求める動きが広がりを見せてきている。
「松戸市の中心市街地の象徴」
新聞報道によると、三越伊勢丹ホールディングスは主力の衣料品販売の低迷で収益が悪化している伊勢丹松戸店など4店の自主売り場を縮小し、テナントなどを積極的に導入するとともに人員体制などを見直す方針という。また、その結果、業績が改善できなければ閉鎖もあり得る、といった報道もあった。
昨年9月、一部報道で「三越伊勢丹の閉店リスト」なるものが報じられた。記事では、三越千葉店の閉鎖に続き、伊勢丹松戸店など3店を時期未定だが検討中の店舗としてその名前が挙げられた。松戸市では、この報道の後、事実確認などを伊勢丹松戸店側にするとともに、10月17日付で三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長宛に文書を送付している。
この文書では、伊勢丹松戸店を「本市の商業施設の『顔』」「松戸市の中心市街地の象徴」として位置づけていることを明記し、その上で、将来に向けての取り組みとして平成27年度に策定した「松戸駅周辺まちづくり基本構想」の施策を紹介。「中心市街地については、様々な施策を展開し、更なる活性化を図りまして、伊勢丹松戸店の発展に繋がりますように取り組むとともに、組織を挙げて出来る限りの支援をしてまいりますので、今後とも本市の街づくりにご協力くださるようお願い申し上げます」と結んでいる。
市の担当者は「9月の時点では『そういった事実はない』との回答でしたが、その後も伊勢丹側とは情報交換等を行っています。その場での話などからも、あくまで閉鎖ということはなく、経営改善に向けた業態変更などを行っていくものと理解しています」と話す。
松戸駅周辺活性化推進協議会、松戸駅周辺商業協同組合から提出された要望書では、「この数年、(中心市街地の)商店数の漸減と商店会の崩壊危機、大型商業施設を含めた売上高の減少など、地区の商業環境は大変厳しい状況下にある。(伊勢丹松戸店の)決断によれば、松戸市の中心市街地形成を抜本から揺るがす事態となる」と危惧している。
今後、松戸駅前では駅西口デッキ上のエレベーター、エスカレーター整備などのバリアフリー化、またJR松戸駅の駅舎改造などもひかえているため、その決定にさらに注目が集まりそうだ。