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- カテゴリ: 第811号(2017年3月26日発行)
- 2017年3月26日(日曜)09:00に公開
- 作者: 竹中 景太
北部市場で「感謝の集い」
今月末閉場 半世紀の歴史に幕
今月末をもって閉場する松戸市公設地方卸売市場「北部市場」で19日、松戸北部市場取引協議委員会(正司進委員長)主催による「さようなら北部市場・感謝の集い」が開催された。会場には、多くの市場関係者や地域住民らが集い、北部市場の最後となるイベントを楽しんだ。なお、市場跡地については映画館も含めた商業施設の建設がうわさされているが、この日関係者からは「そういった商業施設も含めて検討中。近隣の皆様の役にたつようなものにしたい」といった声が聞かれた。
北部市場は1969年(昭和44年)、民営4市場を統合して松戸市営青果市場として開設された。民間の施設会社が所有する施設の一部を市が賃貸借し、そこで卸売市場を開設するという、全国的にも珍しい民設公営方式の市場で、最盛期には360億円超(取扱金額)の取引があった。そうした取引も近年は右肩下がりで、それに加えて東日本大震災後に行った耐震診断等で、施設の耐震性の低さや地盤沈下の進行など老朽化が明らかとなり、施設改修には大きなコストと時間を要することから今月末での閉場が決まっていた。
この日の集いでは、元ボクシングWBA世界ライトフライ級王者(13度防衛)の具志堅用高「トーク&サイン会」をはじめ、2012年オンバト+第2代チャンピオンのタイムマシーン3号「MC&お笑いライブ」、津軽三味線演奏会など盛りだくさんのイベントを開催。開設からおよそ半世紀、青果物の流通の円滑化と市民への安定供給を担ってきた市場の最後は、来場者らの笑顔あふれるものとなった。
北部市場は今後、解体工事を行った後、新たな施設の建設が予定されているが、解体工事には1年ほどかかる見込みという。
また、北部市場の閉場により、市内唯一の市場となる南部市場(松戸新田)だが、こちらでも北部市場同様、耐震性の問題が浮上している。昨年11月に行った耐震診断で、施設の耐震性に問題が見つかり、施設改修が必要という。南部市場も北部市場同様、民設公営方式の市場であるため、現在、民間の施設会社と市で協議が行われている。