小金中が優勝

東葛飾地方中学駅伝

第69回東葛飾地方中学校駅伝競走大会(千葉県教育庁東葛飾教育事務所、毎日新聞社ほか主催)が17日開催され、小金が1時間41分23秒で優勝した。2位は2秒差で白山(我孫子市)。3位に17秒差で常盤平が入った。松戸勢では、ほかに栗ヶ沢が6位に入賞した。

ゴールテープを切る山﨑雄大君の写真▲ゴールテープを切る山﨑雄大君。タスキが「新松戸北」に

東葛地方の71中学校が参加したレースは野田市総合公園陸上競技場をスタート、松戸市立中部小学校前までの10区間、32・2キロで行われた。

 

1区・長谷川翔一君の写真▲1区・長谷川翔一君

小金は1区は19位、2区11位、3区9位、4区5位、5区3位と着実に順位を上げ、6区で一時は首位に立ったものの、終盤に抜かれて2位でタスキリレー。終盤は首位を争い、最終10区では白山に競り勝って、優勝を果たした。

市川正人監督(52)は「『夢の実現、心ひとつに全員駅伝』が合言葉。10人のベストを換算すると1時間42分27秒で来る。しかし、市内駅伝ではベストタイムまでは来てはいなかった。見えない小金中Aチームに勝つこと、自分に勝つことを目標に頑張ろうと話しました。それには優勝候補の鎌五(鎌ヶ谷五中)やほかの強い学校が走ってくれるから、それに引っ張ってもらうつもりでいけばいい。小金中は選抜駅伝部でいろんな部から選手が集まる。

 

4区・佐藤一世君の写真▲4区・佐藤一世君

6区を走った内田啓太君は陸上部だが記録が出ず、浮き沈みもあった。最後のトライアルでひっかかって、市内駅伝ではBチームで走ったが、思ったように走れず、ダメかなと思ったけれど、最後に上がってきた。その子が一時トップに立ったのが、本当にうれしかった。

 

5区・田中駿貴君の写真▲5区・田中駿貴君

小金は12~13人が9分台で行けるチーム。補欠もほかの学校ならレギュラーになれる力がある。だから走れなかった選手の気持ちの分も走れ、入賞すれば全員賞状がもらえる、と話しました。優勝を目標にしてしまうと、優勝できなければ終わりになってしまいます。でも、自分たちの自己ベストを並べて10人の力でこのタイムを出そうとすれば、それが結果として他のチームより良ければ優勝できる。何よりも記録を大事にしよう、自分に負けないようにしよう。それが全員駅伝だよ、とやってきました。僕が想定していた中で一番いい流れで来てくれた。いや、それ以上かもしれない」と話していた。

 

6区・内田啓太君の写真▲6区・内田啓太君

結果的に、想定したベストタイムを1分以上上回ったことになる。

新松戸北の思いも乗せ

市川監督は、19年前に一中を率いた頃は、銚子駅伝でも優勝したことがある。新松戸北中、小金中で10年。新松戸地区に来てからは下位に低迷するチームを指導してきたが、その経験から「自己ベストを目標に、自分に勝つこと」という指導法になってきたという。7年前に新松戸北中は小金中と合併して廃校になった。しかし、新しい小金中では、新松戸北中の制服と校内服を引き継ぐなどしたため、小金中に新松戸北中の雰囲気を感じる卒業生もいるという。この日も、新松戸北中の卒業生が応援してくれたほか、前日には同日午前に行われた箱根駅伝の予選会に出場する選手から市川監督に電話があったという。一度も入賞することなく終わった新松戸北中の思いも乗せて、新松戸北中時代に使った「新松戸北」の学校名の入ったタスキの裏に「小金」の学校名を入れたリバーシブルタスキになっている。

小金中は市川監督と蓑和廣太朗監督(25)の二人三脚で指導してきた。蓑和監督は、和名ヶ谷中、市立松戸高校、東洋大で選手として活躍。市川監督とともに選手と一緒に走りながら指導しているという。

 

優勝した小金中の写真▲優勝した小金中

「全員が力を出してくれた。東葛駅伝に向けては、10番目、11番目の選手を育て、引き上げることによって、スキのないチームができると思った。それが優勝につながったのかなと思う」と話した。

主将でアンカーの山﨑雄大君は「チームの士気も最高潮に上がっていて、全員の調子も良かったので、ベストコンディションで臨めたと思います。最後、(白山から)追いつめられてきつかったんですが、みんなの練習している風景や、みんなの顔を思い浮かべて、抜かされないように全力で走り切りました。東葛駅伝優勝という流れをこのままつなげていって、県駅伝でも優勝目指して頑張ります」と話していた。

小金中出場選手(区間順・敬称略)=長谷川翔一、板倉颯大、岩田伊織、佐藤一世、田中駿貴、内田啓太、芳口悠大、木村聖哉、濱本龍也、山﨑雄大

 

常盤平3位入賞

常盤平は、1区5位、2区は団子状態の中で12~13位、以降徐々に順位を上げ、8区、9区で7位、アンカーが4人を抜いて3位に入賞した。

 

3位に入賞した常盤平中の写真▲3位に入賞した常盤平中

髙瀬一郎監督(52)は、「子どもたちはそれなりに実力を出したので、周りが強かったのかな、と思います。(6位の栗ヶ沢まで1時間41分台という好タイム)タイム差も小金と17秒差なので、どこが優勝してもあり得るかなという感じでした。市内駅伝ではうちは3番でした。1番の小金、2番の栗ヶ沢の3校がしっかり10位以内に入ったのはよかった。県駅伝では、きょうのように何が起こるか分かりませんが、また全力で頑張ります」と話した。

主将で3区を走った木村蓮君は「前半少し遅れてしまいましたが、後半の仲間が追い上げてくれて、こういう結果になりました。2区でちょっと遅れてしまって、自分も巻き返せなかったので悔しいレースになりました。10区の選手が強いので、もう少し前半頑張れば。小金、白山、鎌ヶ谷五中には県の新人戦で負けているので、県駅伝では絶対勝って、全国に行きます」と話していた。

常盤平中出場選手(区間順・敬称略)=安田優登、唐住大介、木村蓮、村上真生、兼岡拓也、千葉裕翔、古澤博海、小林爽、佐藤諒一、安田博登

来月1日に全国大会出場をかけて柏の葉公園で行われる県駅伝には、市内駅伝で4位までに入った小金、栗ヶ沢、常盤平、六中が出場する。

※ランナーの写真は小金中・市川監督提供。