きのう、不思議そうに誰もいない風呂場を見つめていた、さくら

 親戚のばあちゃんが亡くなったと、さきほど実家から連絡がありました。祖母の姉にあたる人で、母の叔母になります。ですが、「孫」のように幼いころからかわいがってくれました。
 私は幼いころ体が弱く、よく病院に入院していました。その時、病院に付き添ってくれたのが、このばあちゃんです。
 大分県と福岡県の県境、霊峰・英彦山の麓に住んでいて、よく遊びに行きました。
 東京の大学に進み、こちらに就職してからは、会うこともままなりませんでした。7~8年前にお見舞いに行った時はまだしっかりしていたのですが、2~3年前に訪ねた時は、もう私のことが分からなくなっていました。
 最近、角田光代さんの「ツリーハウス」を読みました。孫が祖母と満洲へ旅をする話。自分たちのルーツを求めて。ばあちゃんも、満洲から子供を連れて命からがら逃げてきたと聞いていましたから、本を読みながら、ばあちゃんのことを思い出していました。
 98歳の旅立ちです。ばあちゃんとの思い出が、様々頭をめぐります。
 きのう、さくらが何か目に見えないものを見た、という話を書きましたが、ひょっとすると、ばあちゃんがお別れを言いに来てくれていたのかもしれません。 


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