我が家の3ニャン

 この間、偶然Eテレ(NHK教育)で、「極める!とよた真帆のネコ学」という番組を見ました。
 猫は奈良時代に遣唐使の船に乗って仏典と一緒に日本にやってきたという話は前に書きました。仏像や経典をネズミの害から守るために連れてこられたわけです。
 この番組では、その後の猫の様子が分かりました。
 奈良時代から平安時代には貴重な動物として宮廷の中だけで飼われていたそうです。鎌倉時代になると、武家にまで飼われるようになった。
 実は江戸時代までは猫は高価なので、庶民の間でもひもにつないで飼っていたそうです。江戸時代に盛んになった養蚕をしている家では大切なカイコをネズミから守るために猫が必要とされた。でも高価で買えない家では、なんと猫の絵を飾ってネズミ除けにしたとか。
 江戸時代のいつごろかはわかりませんが、やがて猫をひもにつないで飼わないようにという高札が立って、猫がちまたに増えていったようです。
 日本の歴史上、猫はつい最近まで貴重で高価だったということです。今以上に大切に飼われていた時代が長かったんですね。
 このことを知ってから、時代劇の見方が少し変わりました。もし、野良猫が粗末にされていたりしたら、それは時代考証がおかしい、ということですよね。
 先日放送の大河ドラマ「平清盛」に三毛猫が出てきました。北面の武士の詰所と思われる場所に迷い猫が現れます。平清盛の時代は平安時代末期です。つまり、猫は貴族しか飼えない超高級な動物だったハズ。まだ身分的に貴族よりもずっと下だとされていた清盛たち武士の前に迷い猫が現れるかなぁ…。宮中で院の警護をしている北面の武士ですから、その詰所に迷い込むことがあったかもしれませんが、飼い主はきっと高貴な人でしょう。飢饉のために猫もお腹をすかせているという設定で、清盛の同僚から何か食べ物をもらっていましたが、飼い主が貴族だとしたら、飢えているわけはないような気がしますが…。


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