日曜日にテレビドラマがスタートした「空飛ぶ広報室」は、原作が直木賞候補作になっていましたが、残念ながら落選。でも、私は有川浩さんには、この「旅猫リポート」で受賞してほしい、と思っていました。
 大泣きしました。あんなに涙があふれたのは、村上春樹の「ノルウェイの森」以来(全然タイプの違う作品ですが)。
 事情があって猫のナナ(オス。本人は女の子みたいなこの名前を気に入っていない)を飼えなくなったサトルは、新しい飼い主を探して、昔の友人を訪ね歩きます。そして、少しずつ明らかになっていくサトルの人生。大切な友達だった猫のハチとの別れ。多くの愛情を注いでくれた両親のこと。
 駐車場にいた野良猫(後のナナ)と親しくなったサトルは、猫が交通事故で大けがをしたことで、一緒に住むようになります。そして、猫が飼えるマンションにお引っ越し。

 「お前にそっくりな猫、子供の頃に飼ってたんだよ」
 サトルは押し入れからアルバムを出してきた。
 「ほら」
 アルバムはある一匹の猫の写真で埋め尽くされていた。僕は知ってるぞ、こういうことをする人間は猫ばかっていうんだ。 
 (15ページより引用)

 ナナを拾った時のサトルの気持ちが痛いほど分かるし、ナナの言葉が聞こえてくるようでした。猫ってこんなふうに考えてるんだ。もちろん、フィクションだというのは分かっているのですが、そんな気持ちになります。

 この本は今年高校生になった姪にも是非読んでほしいと思い、お正月に1冊プレゼントしました。自分でも持っておきたいと思ったので、うちにも1冊あります。
 もう読んだかな。まだかもしれないとも思っています。読書は習慣がないと敷居が高くなります。有川さんの文章は平易でわかりやすく、あまり小説を読まない人でも読みやすいと思います。
 姪には、本を好きになってほしいという気持ちもありますが、この本を通して、今自分が受けている両親の愛情の尊さを感じてほしいと思いました。 


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