人命救助に感謝状

保育士の北川利絵さん、髙木優里さん、石川康代さんの3人と、小山勝さんが人命救助に寄与したとして、松戸市消防局の渡邊仁志消防局長から感謝状を贈られ、1日に松戸市消防局で贈呈式が行われた。

右から北川さん、髙木さん、石川さん、局長、小山さんの写真▲右から北川さん、髙木さん、石川さん、局長、小山さん

迅速対応、同僚を救う

5月2日、保育園「きぼうのつばさ」で、職員の女性(31)がトイレで倒れているのを、同僚の北川さんが発見。すぐに園長の髙木さんを呼びに行き、再び戻ると女性は心肺停止の状態だったので、すぐに心臓マッサージ(胸骨圧迫)を始めた。髙木さんは、119番通報をしたあと、AEDを持ってかけつけ、実施した。

偶然同園に電話をかけた保育園「きぼうのたから」の園長、石川さんも女性が倒れたことを知り、すぐにかけつけ、心臓マッサージを北川さんと代わった。

2度目のAEDを実施しようとしたところ、必要ないとの指示が出たので、女性の心臓が動いていることが分かった。心なしか体も温かみを取り戻してきたという。その後、救急車が到着し、救急隊員に引き継いだ。

女性は入院していたが、現在は退院しているという。

同園では多くの子どもの命を預かっていることから、3年に1度の赤十字の訓練だけでは足りないと感じ、西口消防署に頼んで、定期的に指導を受け、園内でも人形を使うなどして訓練してきたという。同僚の女性の命が助かったのは、日頃の訓練が実を結んだもので、逆に西口消防署にあてた感謝状を渡邊局長に手渡すという場面もあった。

 

火災から女性を救出

6月1日早朝、小山さん宅の近所で火災が発生。近所の住民から「助けて」という声が聞こえたと言われ、現場にかけつけると、浴室に逃げ遅れた女性(18)がいることが分かった。小山さんは、浴室のアルミの格子窓を素手で破壊し、女性を救出すると、安全な場所まで誘導した。実は、小山さんは市川市消防局で救急隊員を務めており、消防救助隊にも十数年勤務していた。しかし、シャツに短パンという軽装でなんの装備もなく、仲間の補助もない状況は不安だったという。

小山さんは、「あれほどの凄まじい火災を、延焼させることなく消火してくれた消防士さんと、無事でいてくださった女性に対して心からの感謝の気持ちでいっぱいです。もし助け出せなかったら、自分自身がずっと心の中につらい、深い傷を負うことになったと思えば、躊躇なく行動に移せたことはよかったと思う。今はホッとしています。これからも、地域の住民が助け合うような、まちづくりをしていけたら」と話した。

女性は、気道熱傷の重症で入院していたが、救助が早かったこともあり、今は退院しているという。