核兵器のない世界に

平和大使長崎派遣 帰庁報告

7日から10日まで市内の中学生22人で結成された「平和大使」が長崎を訪れ、平和祈念式典などに参列。平和の尊さを再認識した。

長崎に派遣された中学生の平和大使の写真▲長崎に派遣された中学生の平和大使

「平和大使」は中学生を対象に、長崎市が各自治体に呼びかけ、毎年実施しているもので、松戸市は2008年の初参加以来今年が10回目の派遣となる。

戦争の悲惨さや核兵器の恐ろしさを学ぶこと、被爆者への追悼を目的に、青少年ピースフォーラムに参加し、被爆者から体験談を聞いたほか、各地の参加者と意見交換をした。

「平和大使」には19校から46人の応募があり、抽選で22人が選ばれた。10日には牧野英之副市長、伊藤純一教育長、深山能一市議会議長、木村みね子副議長の前で帰庁報告を行い、22人がそれぞれ感想を述べた。

聖徳大学附属女子中学校2年の中村葵さんは「今回長崎に行って私は大きく分けて2つのことを学びました。まず1つ目は戦中や戦後に人々がなった病気についてです。原爆資料館に行ったとき、人々は熱線や火により体の皮がはがれてしまったり、熱さで水を求めるあまり、川に落ちたりして亡くなる記録を見ました。私は地獄のような絵や写真を見て言葉を失いました。今でも白血病に悩まされている人がいると聞き、戦争は絶対繰り返してはならないと思いました。次に2つ目は今でも多くの国がミサイルを持っているということです。日本は72年前に戦争でいろいろなものを失ったというのに、ミサイルなどの核に守られているなどと考えると、被爆者の方々のことを思い、心が痛くなりました。世界から完全に核を無くすというのは、とても難しいことだと思います。でも、今回青少年ピースフォーラムで学んだように、一人ひとりが平和にしようという気持ちを持っていれば、平和になると思いました」と話した。

12月3日には、平和大使長崎派遣報告会が予定されている。「平和大使長崎派遣10周年記念事業」として、今年の大使をはじめ過去10年間に派遣された大使が、長崎派遣を通して、それぞれが被爆地で感じたこと、学んだことを市民に伝える企画が計画されている。