「初恋」テーマに作品を募集

矢切の里文学祭 初恋短歌大会入賞作品

矢切の里文学祭・第7回初恋短歌大会表彰式が先月27日、上矢切の市民活動サポートセンターで行われた。矢切の里を舞台に描かれた伊藤左千夫の純愛小説「野菊の墓」にちなんで、「初恋」をテーマに作品を募集しているもので、今年は一般の部に127首、小学生・中学生、高校生の部に941首の応募があった。

初恋短歌大会入賞者と選者のみなさん▲初恋短歌大会入賞者と選者のみなさん位入賞作品は以下の通り(敬称略)。

 【一般の部】(久々湊盈子・選)

 ★初恋短歌大賞

初恋とも気付かずおにいちゃんと呼んでいた八十路の今も私のおにいちゃん 笹原利子

 ★松戸市長賞

セーラー服の胸の白線ふくらむがまぶしかりけり初夏の君  楠井孝一

 ★松戸市教育長賞

それぞれに時は流れてうたかたの言の葉はるけしあじさい盛る       藤島眞喜子

 ★松戸市観光協会長賞

北陸のあなたの住所今だってさらりと書けますあの青い梅  海老沢幸子

 ★伊藤左千夫賞

山路ゆき君摘みくれし葛の花セーラー服の初恋が薫れる           髙野澄子

 ★矢切地区風致保存会賞

忘れないはじめて言葉を交わした日そのときめきの意味を分からず      向後文大

 ★野菊の墓短歌賞

逢ひし日の君の笑顔の眩しくてめくらずにおく心の暦             中原弘

 ★久々湊盈子選者賞

訳もなく意地悪しては困らせし好きと言えずにあれが初恋          椎名嘉靖

 【学生の部】(塩入照代・選)

 ☆初恋短歌大賞

綾取りの白き指先触れぬよう手繰り寄せるを初恋と呼ぶ       成沢希望(柏二中)

 ☆松戸市長賞

公園の木立をぬける帰り道二人の心かくれんぼする        平野敏之(松戸一中)

 ☆松戸市教育長賞

「君のことすごく好きだよ」「私もよ」君は冗談私は本気      中村沙世理(松戸高)

 ☆松戸市観光協会長賞

あのときのきみのえがおがかわいくてまばたきもせずずっと見ていた 井川元輝(北部小)

 ☆伊藤左千夫賞

私にねつばさがあったらいいのにないつでも飛べる君の側まで    篠原雄(松戸一中)

 ☆矢切地区風致保存会賞

すれちがう君とのあいだ一人分ボクのドキドキばれないように   大塚賢一(松戸二中)

 ☆野菊の墓短歌賞

なぜだろう君をみつめるその時間知らないうちに目がおいかける  俵川朋子(松戸二中)

 ☆塩入照代選者賞

おにごっこあなたにタッチされたくて気づかぬようスピードゆるめ  川村芽衣(矢切小)