新市立病院事業者公募

建設業者が辞退

目処立たず開院に遅れも

 2017年3月の開院を目指している新市立病院の移転・建て替え問題で、昨年11月から12月にかけて、設計・施工の一括発注公募で参加表明していた建設業者3社がいずれも辞退し、いまだ解決の目処が立っていない状況が続いている。

 新市立病院は、現在の市立病院から県立松戸高校方面に進んだ先の千駄堀予定地(全事業地面積約6万9800㎡、病床数600)に建設する計画で進められている。一昨年12月に基本計画を策定し、昨年10月、建設費の上限を134億円と設定して、設計と施工を一体化した一括発注公募型プロポーザル方式による事業者選定を決め、公募を開始させた。

 その結果、大手ゼネコン3社から参加表明があったが、その後「市が示した上限価格では対応できない」として、3社いずれもが参加を辞退した。

 東日本大震災以降の建設資材の高騰や労務単価の上昇、加えて、消費税率引き上げ前の民間需要などがその要因と見られている。

 市では今のところ、計画の縮小などは考えていないとし、工費の圧縮などで対応したいとしているが、全国的にも公共工事の入札不調は深刻な問題となっており、工費の圧縮だけでまかなえるのか、どうしても建設費の上積みは避けられないのではないか、といった声も聞かれる。

 いずれにしても、今月上旬に業者と契約を締結し、来年3月着工予定だった工事の遅れは避けられず、このままでは2017年3月の開院も難しい状況となっている。