松戸自主夜間中学開講2400回記念授業 元沖縄県知事・大田昌秀さんが“先生”


沖縄戦や基地問題について語る大田昌秀さん

 きょう午後6時30分から松戸市勤労会館ホールで行われた松戸自主夜間中学開講2400回記念授業に行ってきました。“先生”は、元沖縄県知事で大田平和総合研究所主宰の大田昌秀さん。
 本土の人には“苦い真実”かもしれません、と前置きして始まった話は、沖縄戦から現代の普天間基地問題まで。
 集団自決の問題(沖縄では“集団死”というそうです)。先日も作家・大江健三郎さんの裁判が終わったばかりですが、「赤ちゃんや1歳の子まで自決できるわけない」と「強制ではなかった」という一部の主張に疑問を呈していました。
 知事時代の橋本首相とのやり取りなど、基地をめぐる裏話も聞くことができました。
 自主夜間中学の授業ということですので、「学ぶ」ということについても触れ、こんな話を披露してくれました。
 沖縄戦のころ、米兵が残していった新聞記事を大田さんの友人が拾い読みして大田さんに現状を知らせてくれたそうです。当時敵国語であった英語は禁止されていて、大田さんは読めなかったそうですが、友人は読めたんですね。ある日、米兵が空に向かって砲撃しているので、沖縄の敗残兵は「特攻隊が来た」と喜んだそうです。しかし、友人は「あれは、戦争が終わったことを知った米兵が祝砲を打っているんだ」と教えてくれたそうです(大田さんの研究では、沖縄戦は3月26日から9月7日まで)。
 その時、つくづく自分の無知を恥じたといいます。友人は「君も生き残ったら、東京で英語を勉強しなよ」と話したそうです。大田さんはその言葉どおり、終戦後東京で大学生になりました。
 「学ぶ喜びは大きい」。太田さんは今も朝4時から国際政治や平和について勉強をしているそうです。アメリカ公文書館に足を運び、独自に資料を入手し、独自に研究を続けているといいます。
 私たちは沖縄の経済は基地に依存していると考えがちですが、県民総所得のうち、基地に依存しているのは、現在では約5%だそうです(一時は50%を超えていたそうですが)。
 最後に「もし、また戦争が起これば、基地がある沖縄が真っ先に攻撃を受け、戦場になる。だから、沖縄に基地はいらない」と語りました。

 太田さんは明日3日の「松戸憲法記念日の集い」で講師を務めます。
 場所は松戸勤労会館ホールで、時間は午前10時から正午までと、午後3時から5時までの2回。参加費は500円(資料代。18歳以下無料)。定員先着150人。

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