「関さんの森」の範囲どこまで?〜市広報担当室にて


 先週の木曜日だったか、市の広報担当室に資料をもらいに行った時のこと。職員が何か言いたそうにしている。先月24日号で「関さんの森」を紹介した時に、屋敷林やむつみ梅林、関邸の庭、農園など全体を「関さんの森」として書いたことが気にくわないのだろう。
 広報担当室は実は道路計画を進めている都市整備本部に所属している。市は「関さんの森」とは、関さんが財団法人埼玉県生態系保護協会に寄付した屋敷林だけを指すとして、道路は「関さんの森」を分断しない、としている。この点については、以前に前本部長から「正式に抗議しようかと思った。見解をうかがいたい」と取材の席で言われたことがある。
 「関さんの森」とはいわば愛称である。その名付け親は、関さんと、その支援者(「関さんの森を育む会」など)たちだ。つまり主宰者である人たちがつけた名前である。その主宰者が「関さんの森とは、屋敷林、関邸の庭、むつみ梅林、農園の全体を指します」と話しているのだから、取材者である私がその主旨に沿って書くのはむしろ当然だと思う。市の所有でもない「関さんの森」の範囲を市が「ここまで」と決めることのほうが、むしろおかしいのではないか。
 どちらにしても、緑を分断して道路が通るという本質には変わりはない。そのことは現地を見れば明らかだ。市の説明は問題をぼかしてしまう。
 ところで、きょう発行された市の「広報まつど」には、この道路計画の進捗状況が1ページを使って説明されている。その中で、(道路は)「『関さんの森』から離れた南側を通ります」と説明し、添えられた地図でも道路と森は離れて描かれている。
 これでは、道路と「関さんの森」がまるで関係ないような印象を受ける。100歩譲って、「関さんの森」が屋敷林の部分だけだったとしても、道路からの排気ガスで屋敷林に大きな影響を与えることは確か(この点については市も認めている)で、この書き方は市民に誤解を与えるだろう。
 私が広報担当室を訪れた時には、この紙面の校正をしていたか、あるいはもう出来上がって手を離れていたのかもしれない。それを考えると苦笑せずにはいられない。

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