その日のまえに

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こうしていると病気だと思えないほど昔とかわらない、きれいな顔をしているのですが…

 きょう、ミンミンの点滴に行き、約3か月ぶりに血液検査も行いました。
 結果は、Cre(腎機能の数値)が2.6(前回は1.4。猫の正常値は0.6~2.0)、GPT(肝機能の数値)が335(前回は197。猫の正常値は30~85)でした。
 腎機能も肝機能の悪化していて、ショックな結果でした。この数字がどの程度の悪さなのかは、正直わかりません。日常生活は普通にできています。ただ、毛のつやが悪くなったことは気になっていました。
 子どもの時から不安のある肝臓の数字が悪くなっているので、今度エコーの検査を受けます。
 点滴も週に1回から2回に増やすことにしました。
 「その日」に向けたカウントダウンが始まった感じがします。
 腎臓はもともと「治る」ことはないと言われています。現状維持できれば、最高の結果なのです。

 ミンミンが生まれて16年。私が松戸に来て16年。今の会社で仕事をするようになって16年。
 この16年の間には楽しいことも、苦しいことも、様々なことがありました。その間、ずっと私のそばにいてくれたのは、ミンミンだけです。ミンミンは私にとって特別な存在なのです。
 ミンミンを私にくれた方に、(感謝の想いをこめて)こんな話をしたところ、暗にそんな風に思わないほうがいいと言われました。ペットロスを心配されたのだと思います。

 ミンミンの「その日」がくることが、今はまだ想像もできません。
 先に逝ったクロとかえでに毎日手を合わせながら、「まだミンミンを呼ばないでね」と祈る日々です。

 (タイトルは重松清さんの有名な小説からおかりしました)
 


我が家のフードはミンミン主導で決まります

 現在我が家の猫たちが食べているペットフードは「懐石」(日清ペットフード)。膀胱に石ができて食事療養中のさくらだけは、お医者さんでもらった特別なフードを食べています。お医者さんが調べてくれたところによると、「懐石」にも石ができにくい成分が含まれているらしいのですが、「太った猫は石ができやすいからねぇ」とのことでした。
 もともとうちのフードは基本的にアイムス(IAMS)をあげていました。ミンミンが子猫の時に、肝臓を弱らせて入院したことがあり、「先天的に肝臓が小さいかもしれない」と医者に告げられました。親しくしているボランティアの方に相談したところ、アイムスが無添加で肝臓にはいいと思う、とのことで、ずっとアイムスでした。
 ところが、ミンミンが味に飽きたのか、2~3年前からあまり食べなくなり、「食べない」というのが、また肝臓によくない、とのことで、別のフードに変えました。
 「懐石」は高め(アイムスも高かった)ですが、かつおぶしや小魚などが混ぜてあって、香りがいいせいか、よく食べます。猫はフードの味というより、「香りを食べる」いきものだと思います。「懐石」はそこを突いたのがうまい。
 猫は飽きっぽく、同じフードだとすぐ飽きて食べなくなる、とか、グルメだとか言われますが、人間だって、毎日同じものじゃ、飽きちゃいますよね。犬と比べたら、好き嫌いが多いかもしれませんが、実は犬の食べっぷりのほうが異常なのではないでしょうか。
 3年前に我が家に来たさくらとちびクロもミンミンのフード変更に伴いアイムスから「懐石」へ。2人とも好き嫌いが少なく、どのフードでもよく食べます。ただの食いしん坊とも言えますが…。
 外にいるノラ3兄弟姉妹には、もう少しリーズナブルなフードを与えています。別に差別じゃないです。いや、そうなのかなぁ…。

食いしん坊なちびクロは、どのフードもよく食べます


こんなにかわいいんですもん。そりゃ、赤ちゃん言葉にもなりますよ…

 猫に話しかける時、無意識に赤ちゃん言葉になってしまう。猫と暮らしている人なら、たいていはそうなのではないでしょうか。
 私の場合、それに加えて、猫の名前がどこまでも変化していきます。たとえば「ミンミン」。呼んでいるうちに、「ミンきゅん」になり、いつのまにか「きゅんきゅん」になり、そのうち「きゅんきゅきゅん」になります。ここまで来ると元の名前がなんだったのか、知らない人にはわかりません。
 「ちびクロ」は、→「ちびクロりん」→「くどくどちん」→「くにょくにょ~ぉ」…。だんだん溶けて形がなくなっていく感じですね。
 「さくら」は→「さくらちん」→「さくだ」→「たくだ」→「たくだてぃん」→「たくだんだんだん」…。一番原型を止めています(?)が、なぜか濁音(だくおん)が多くなります。
 正しく名前を呼ばないというのは、教科書的しつけからすると、ペケでしょうね。でも、口が勝手に動いちゃうんだから、しょうがない。
 これで、赤ちゃん言葉も全開に、いい歳した男が「たくだんだんだんは、なにちてるんでしゅか?」とか言いながら猫を抱っこしているんですから、決して人に見せられたもんじゃありません。
 お客さんがいる時は、緊張気味に言葉が変化しないように気をつけながら、ちょっとすまし顔で猫に話しかける私です。
 


猫布団

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布団から顔を出して眠るミンミン

 きょうも猫布団の中で目が覚めました。
 ミンミンが私の腕の中、さくらが真ん中、ちびクロが足のほう。
 ミンミンはいつも顔が布団から出る感じで寝ていて、まるで人間みたいです。最近、気が付いたのですが、ちびクロも同じで、布団の反対側(私の足のほう)から顔を出して寝ていました。
 ミンミンとちびクロは、私が起きるのと同時に目覚め、ミンミンは外に朝の散歩に。ちびクロは、朝食の後、キッチンで原稿を書く私の膝に乗って、微妙に仕事を邪魔していました(締め切りの最中なので、会社に行く前に、原稿を2本書きました)。
 さて、会社に行く時間になっても、さくらが起きてきません。少し心配になって(けして意地悪したのではありません)布団をめくると、「なに?」という寝ぼけまなこで私を見る顔が。かわいいやら、うらやましいやら。
 猫でなくても春眠をむさぼりたくなる季節です。


猫の野生

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昔はいろんな動物を捕ってきたミンミン

 ミンミンが獲物を捕ってこなくなって何年ぐらいがたつでしょうか。おそらく10年くらい。
 子猫の時の、バッタやセミなどの昆虫に始まり、若かりし頃の野鳥、そしてネズミ。
 野鳥の巣を襲うらしく、大きな雛を2羽くわえて帰ってきたことがありました。あれは多分、カラスの雛だったのでしょう。スズメもよく捕ってきました。スズメは成鳥だったり、幼鳥だったり。なぜ猫に捕まるのか、ちょっと不思議でした。
 ミンミンも子猫の時に捨てられたか何かでノラだった子です。本来であれば、死んでいたかもしれない命を拾ったという思いもありますから、私としては複雑な思いでミンミンの狩りを見ていました。
 ですので、捕ってきた動物が生きていれば、基本的に逃がしてやります。それがネズミでも。
 ミンミンの頭をたたくと、その衝撃で口を開けるので、獲物を救出します。獲物をとられたミンミンは狂ったように探し回ります。あの時の目…。らんらんと輝いて、完全に野生に戻っています。それに、今までに聞いたこともないような唸り声。「血が騒ぐ」、というのはああいう状態をいうのでしょう。
 スズメは最初ぐったりしていますが、手で包んで温めたり、裸電球の熱で温めたりすると息を吹き返します。羽ばたけるようになったら、離してやります。
 ヒヨドリの雛を捕まえてきたことがあり、羽を怪我していたので、鳥籠を買って、飼育を試みたことがあります。2階の窓に籠をつるしておくと親鳥がやってきて、エサをやっていました。人間が与えるエサも並行してやるべきだったのでしょうが、親が来ているからと油断したために、ある日帰ってみると、冷たくなっていました。
 ネズミも生きていることが多く、それを家の中で離してしまうので、困りました。長い間、家の中で捕まらず、隠れていたのもいます。ある日、とうとうミンミンの餌食になりました。ずいぶん痩せていて、今思うとかわいそうです。
 そのネズミを最後に、ミンミンは狩りをしなくなりました。歳をとったせいなのか、理由はわかりません。
 一方、子どものころから完全室内飼いのさくらとちびクロは、迷い込んだハエを追いかけて遊ぶのがせいぜいです。


ちびクロは呼ばれるとすぐに来ます

 多頭飼いするようになって、猫たちの名前を間違って呼んでいることがしばしばあります。
 抱っこして「さくら、かわいいねぇ」とつぶやいていて、ふと気がつくと手元にいるのがちびクロだったり、その逆も。ほとんど無意識です。
 姉妹でいっしょに入ってきたさくらとちびクロの名前を取り違えることがしばしばだったのですが、最近はミンミンも仲間入り。わたしがぼけているのか。「かわいい」というキーワードでは、どの子も変わりないからでしょうか。
 さて、呼ばれるほうの猫たちは自分の名前を憶えているのでしょうか。さくらとミンミンは、名前を呼ばれても知らんぷりしていることがよくあります。でも、ちびクロはすぐに反応して、近寄ってきます。人一倍あまえんぼうなのか、それとも目が悪いために、耳からの情報に敏感になっているためでしょうか。
 


酒宴をのぞいていた「しじみ」と「きなこ」

 きのうは古ヶ崎にある、あるご家庭でお酒をいただきました。
 松戸市の学校統廃合の取材の時にお世話になった家で、そこの娘さんが当時小学校6年生でした。今年高校を卒業されて、専門学校に進学したというので、お祝いに。あれから、もう6年が過ぎたのか、とちょっと感慨深いものがあります。廃校になった古ヶ崎南小学校の跡地利用は、いまだに未解決。なぜ、あんなに強引に、急いで、人の気持ちを傷つけながら、廃校にしたのか、釈然としません。
 ここの家は、畑もあり大きな農家の風情があります。最初に訪れた時、「となりのトトロ」に出てくる「まっくろくろすけ」がいるな、と感じました。炊事場が大きくて、天井が高く、私の田舎の家を思い出します。ここに来ると懐かしいような、切ないような気持にもなります。古ヶ崎というのは、松戸駅の近くにありながら、まだそんな風景を残した素敵な場所です。娘さんに、昔、「これトトロの木っていうんだよ」と庭にある木を紹介されました。学校へ続く「さくら道」も。
 ここには数匹の猫たちもいます。酒宴をのぞいていたのは「しじみ」と「きなこ」。愛犬パンチが2か月前から行方不明で、この日会えなかったのが少し残念です。


病院いきたくないよ…

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日ごろは元気そうに見えるミンミン。16歳だけど、まだまだきれいでしょ?

 午前中にミンミンの週1回の点滴に病院に行ってきました。
 健康だった時は特に病院を嫌がっていなかったミンミンも、最近は病院に行くのを嫌がります。
 朝になると、外に出たい、外に出たいと言って、ニャンニャンを連発します。私が寝ていると、枕元まで来て、私の鼻の頭を爪でひとかき。これに負けてうっかり外に出してしまうと、午前中は帰ってきません。本来は外に出ても、30分もすれば気がすんで戻ってくる子なんですが。
 今通っている病院は、午前中しか診療していません。午前11時半までに受付をしないと、また次の日ということになってしまいます。
 ミンミンはこれを知っているようです。ほんとに頭がいいというか、カンがいいというか…。
 点滴を始めてから、背中の毛の色が薄くなったように感じます。日ごろ見ていても、健康なころと変わりないように見えますが、猫は症状が表に出た時は、かなり悪くなっていることが多いですから、油断はできません。
 来週3か月ぶりに血液検査をします。ちょっとドキドキします。


ちびクロの幸せそうな寝顔

避妊手術と目の手術をした後のさくらとちびクロ

 ちびクロは子猫でノラだった時に目と鼻のウイルス感染がひどくて、今でも目はあまり見えていません。どの程度見えているのか。飼い主である私もよくわかりません。
 小さい時から、さくらの後をついてまわる子でした。さくらほど速くは動けないのですが、ちょこちょこ後をついてまわる姿は、けなげで、いじらしい感じがしました。
 さくらについて、高いところにも登るのですが、下りる時は恐いみたいです。着地点との距離感がわからないみたいで。さくらは、ジャンプしてひとっ飛びに下りるのですが、ちびクロは足場を確かめながら、少しずつ慎重に下りてきます。ちょうど登山で、足場の悪い崖を少しずつ下りてくるような、あんな感じです。
 さくらと一緒に避妊手術をした時に、二人とも目の手術も受けました。手術直後は濁った眼球が出ていたのですが、すぐにまた皮の膜がかかってしまいました。眼球が激しく常に動いており、これは先天的なものだろう、と医者が言っていました。眼球の動きに合わせて、頭も小刻みに上下させていました。この状態がずっと続くのはつらいだろうから、目があまり見えない状態というのも、逆に良かったのかもしれません。
 顔の輪郭など、ちびクロはなかなかの美人だと思います。これで、美しい目があったら、さぞ…と思わなくもないですが、今は幸せそうにしていますので、ま、これでいいかな。
 
 
 
 


いつもはちゃぶ台の上にお皿を置いたりはしません。ちょっと意地悪してみました

 猫はトイレをすると、自分の手で砂をかいて隠します。
 この動作を、さくらとちびクロは匂いの強いものに、なんでもします。
 私が食べる料理だとか、自分が食べているフードとか、なんでもです。だから、「臭いから」ではないのです。
 喫煙者の友人が来た時に、吸い殻の入った皿(私はたばこを吸わないので、灰皿はありません)を、さくらとちびクロが手でかくので、「はいはい。ごめんね。もう止めるね」と友人が言います。私は内心「ありがとう。私の言えないこと言ってくれて」とつぶやきます。さくらとちびクロは、匂いが嫌いだからではなく、単に強い匂いのものを隠そうとしてるだけなのですが。
 納豆を食べる時などは困ります。うっかりすると、さくらとちびクロが手でかいて、テーブルの下にお茶わんや皿を落としてしまいます。
 こういう行動をとる猫を他に見たことがありません。ほんとに、さくらとちびクロは不思議なクセを持った猫です。


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